【みんなの介護体験談】東京都在住・50代女性の場合
早くに夫を亡くし、女手一つで3人の子供を育ててきたBさん。子供たちが成人し、子育てから解放されたと思った矢先にお母様が脳卒中で倒れ、片側麻痺の後遺症を持つことになりました。フルタイムで仕事を続けながらほぼ寝たきりのお母様の介護を続けたBさんに、在宅介護をしていた時のことを振り返っていただきます。
在宅介護の大変だった点

お母様は急に倒れられたということですが、どのように介護をされていたのでしょうか?

介護サービスを受けるにも要介護認定が必要で、要介護度が認定されるまでの1ヶ月間は付近に住んでいる娘と協力しながら介護をしていました。職場には介護休暇の申請をしようかとも思ったのですが、なかなか言い出しにくい職場だったので、寝る間を惜しんで在宅で介護を続けるしかなかったです。

寝たきりの介護となると、ほとんど24時間体制で介護が必要なのではないでしょうか?

そうですね。ほぼ24時間体制で介護が必要だったので、私が仕事に行っている間は娘が、娘が仕事に行っている間は私が食事から入浴まで介護をしていました。幸い娘は夜勤でしたので、時間のやりくりにはそれほど苦労はしませんでした。ただ、それでも24時間常に付きっきりというのは不可能でしたし、私も娘もほとんど寝る暇がなかったので、要介護認定が出るまでの間は大変でした。

主に大変だった介護は何でしょうか?

大変だったのは排泄と入浴です。夫がいなかったので、娘と私だけで母を移動させるのは大変でした。途中からポータブルトイレに移行しましたが、浴槽をポータブルするわけにはいかなかったので…。それから食事についても、介護食のレパートリーを考えたりすることは大変でした。
1日のスケジュール

なるほど、介護食は皆さん悩まれているようですね。では次に、在宅介護をしていた時のだいたいの1日のスケジュールを教えていただけますか?

私は平日の朝9時から18時まで仕事に出ています。母親が倒れる前は残業もあったのですが、介護のことを相談して残業はなくしてもらいました。娘は19時から翌朝の5時まで勤務時間でしたので、18時から私が帰宅する19時までは母は一人でした。朝必要な介護は仕事から帰ってきた娘がやってくれていたので、比較的ゆっくりはできていたと思います。逆に夜中は何かあった時に私しかいなかったので、睡眠が妨げられることがしばしばありましたね。
利用した介護サービスについて

介護サービスを利用してからは少しましになりましたか?

介護サービスは、訪問介護の利用をしていました。流石に年頃の娘を介護に巻き込むのは申し訳ないと思い、ケアマネジャーと相談しながら訪問介護の利用回数は変更していました。なので、私自身の負担はそこまで軽くなっていなかったですね。どちらかというと、娘を解放するための介護サービスの利用という要素が大きかったです。

なるほど、ではBさんは当初から変わらない生活を続けてこられたのでしょうか?

介護サービスが利用できるようになってからは、ケアマネジャーに色々と相談したりしていたので、便利な介護用品のことなどを教えてもらったり、訪問入浴介護のサービスを利用していたので、肉体的な負担はかなり減りました。ただ、時間的な拘束は1年半くらい続いていました。もちろんショートステイなどのサービスの利用も検討しましたが、本人に行きたくないとハッキリと断られてしまい、断念しました。

体調を崩されたりすることはなかったのでしょうか?

私の場合時間が拘束されることは子育てでなれていたので、それほど苦痛に感じているつもりはありませんでした。ただ、訪問介護も私がいない間に常に母を見てくれるわけではなかったので、不安や焦りは感じていました。それが原因でストレスが溜まってしまい、うつ病を発症してしまいました。その様子を見て母が心配してくれたのか、自分からショートステイに行くと言ってくれました。それからは精神的にもかなり楽になりました。
介護と仕事を両立するコツ

これから在宅介護をする人に向けて、Bさんが考える介護と仕事を両立するコツについて教えてください。

とにかく、気張りすぎないことだと思います。私も介護を始めた当初は「母はお腹を空かせていないか」「自分よりも母を優先しなければ」と考えていましたが、あるタイミングから「お腹空いているんだろうな」と思いながらも10分程度睡眠をとってから食事の支度をするくらいの心持ちで介護をするようになりました。そうると、毎日歯を磨くように介護を日課として考えることができるようになったのです。

なるほど、確かに日課と考えることができればそれほどストレスにならないかもしれませんね。

何がストレスになるかは人それぞれだと思いますが、私の場合は心配する必要のないことに不安を感じて、自分をどんどん追い込んでいってしまっていました。自分を追い込みすぎないことがとても大事だと思います。仕事が休みの日にも訪問介護を使って自分の時間をつくったり、少し疲れた日にはショートステイを利用してみたりするくらいの心持ちがちょうど良いと思います。
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