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養護老人ホームで高齢者の社会復帰を目指す

最終更新日2019年04月22日17:46

高齢の親御さんが一人で生活していても、年金はわずかで自分たちにも余裕がなく、支援してあげられないといった現状を抱える人はたくさんいます。そんなときに日本の公的機関である養護老人ホームは、社会で最低限の生活基盤をサポートしてくれる貴重な存在です。

今回は養護老人ホームがどのような目的で作られているのかや、その特徴、入居条件や費用などをはじめ、利用するメリット、デメリット、他施設との違いについても詳しく解説していきます。

養護老人ホームとは?

養護老人ホームとは、介護不要の公的な高齢者施設です。1人暮らしの生活困窮者など、家で普通の生活が送ることが難しい方々が集まる場所として活用されています。

養護老人ホームの特徴

養護老人ホームには、どういった特徴がみられるのでしょうか。

介護施設ではない

養護老人ホームは、入居時に介護が必要かどうかを判断基準としていません。足腰が弱い、耳が遠いなど、老化による症状はあっても、意思疎通もでき自立している方が対象になっています。食事や健康管理、コミュニケーションの場を設けることはありますが、介護サービスもありません。対象者は市区町村の調査によって決められます。

社会復帰が目的の長期利用ができない施設

養護老人ホームは、高齢で経済力がなく、ひとりで生活することが困難な方を社会復帰させるための施設です。そのため施設の長期利用はできず、「ここに居たい」と思っても、状況によって施設を離れなければならないときは来るものです。環境からいうと良い施設であることは変わりありませんが、どのような基準で高齢者が本当に「自立」しているかが測られているとみることもできます。

養護老人ホームの入居条件

養護老人ホームの入居条件
介護がいらない、お金に困っている高齢者が入居できるという養護老人ホームですが、他にはどのような入居条件があるのでしょうか。

入居条件

どの養護老人ホームでもみられる条件としては、「病気ではない」「介護は必要がない」「自立している」「65歳以上である」「生活保護を受けている・低所得である」「自治体の審査を受けている」「入所判定委員会の審査に通っている」「身寄りがない」「虐待されている」などがあります。

条件の中には「認知症・精神疾患がある」といったものもあります。介護とは違い身体的な介助を必要としていないため入所が認められています。

入居条件の例外

養護老人ホームへの入居は65歳以上が条件ですが、65歳未満であっても入所が認められることもあります。例えば、生活保護法など他の法律で救護施設入所の条件を満たしているにもかかわらず、施設に空きや余力がなく入所ができない場合。また、初老期における認知症に該当しているとき。夫婦のひとりが養護老人ホームの入居措置を受けられ、もうひとりは年齢以外の基準を満たしている場合には、例外として入居ができることもあります。

利用を想定している人物像

養護老人ホームの設置事業は社会福祉事業の一環であり、介護保険事業ではありません。地域貢献の一環として高齢者の孤立を防ぎ、健康の見守りや食の確保などができるように努めています。過去に犯罪歴がある、天涯孤独、家がない、虐待されている、生活が困窮しているなど、人間らしい生活を送ることができない人の“最後の砦”とも言われており、そういった方の利用を想定して開かれている施設なのです。

養護老人ホームのサービス内容

養護老人ホームのサービス内容
本来養護老人ホームでは、生活困窮者の保護を目的としていることから様々なサービスを提供することはありませんでした。衣食住ができる基本的なものの提供のみだったのです。

しかし、2006年度より身体介護を含むサービスが利用できるようになり、高齢者の不安軽減が大きくなりました。受けられる介護サービスは、入居施設が契約する介護事業内のものです。こういった事業を行う施設に入居できるチャンスは、今後も徐々に増えていくことになるでしょう。

介護・看護サービスを目的とした施設ではありませんが、社会復帰にむけて必要になる、地域のつながりを増やすためのレクリエーションなどを行うところも多くなっています。自分のことを知る人が地域にいてくれるという安心感は、何よりも孤独や孤立を防ぐことになるでしょう。少しずつ外出支援などを行いながら、実際に施設をでて生活していくまでをサポートします。退居するまでの間に、どこまでの支援で自立を促せるのかも、養護老人ホームの課題です。

養護老人ホームの利用費用

養護老人ホームの費用は、前年度の収入の大きさによって変化します。入居者本人はもちろんですが、同居する者の世帯年収や扶養義務者の年収などを参考に用いることもあります。年収が低すぎる・年金はないといった無収入者は、一切入居費用がかかりません。生活保護を受けるレベルの方なら、減額・免除などで対応することもあります。収入が大きければ費用は月額十数万円半ばといったところでしょう。

また、通常のアパートへの引っ越しのように敷金等は一切不要です。一時金なども預かりません。

養護老人ホームを利用するメリット

養護老人ホームを利用するメリット
養護老人ホームを利用するメリットには、以下のようなものがあります。

経済的な支援が受けられる

養護老人ホームの最大のメリットは、経済的な支援を受けられることに他なりません。ひとりではどうにもならなかった生活や、仕事をしようにも年齢的な問題から働けず困窮を極めているときにも、最後の砦として生活基盤を維持できる施設だからです。

世代差の価値観を老害とまで言われてしまうようになった日本。家庭内でも精神的・肉体的な虐待が後を絶たず、高齢者を保護する意味でも重要な役割を担っています。

自炊するにもお金がない、材料があってもガス台が払えない、家賃滞納で家を追い出されてしまったなど、本当に生活が成り立たない状況がある方を見極めて入居が審査されます。施設によっては、定員に達していて入れないこともあるでしょう。しかし社会復帰をして退所する方もいますから、一時の経済的支援を未来に生かしていくという養護老人ホーム本来の目的を感じられる場所でもあります。

緊急時に対応してもらえる

高齢者の一人暮らしは、犯罪に狙われやすく窃盗やオレオレ詐欺も横行しており、不安や恐怖を抱えながら生活している人も多いものです。親族のサポートも大事ですが、近所の方々とのコミュニケーションがうまくいかないとより孤独を極めてしまいます。

養護老人ホームであれば、施設に必ず職員が常駐する決まりになっており、安心です。夜間でも不安になることなく過ごせますし、病などで倒れてしまうようなことがあっても緊急時にはしっかり対応してもらえる安心感があります。

養護老人ホームに入れず、誰にも気づかれないまま孤独死を迎える人は多いです。養護老人ホームに入居が決まっただけで、一つの難を逃れたという状況になることは間違いないでしょう。

他の高齢者向け施設よりも低額で利用できる

他の高齢者施設とは違い、収入に応じて低額での利用が可能になっています。自治体によっても変化がありますが、少なくとも入居希望者の経済事情が重視されます。

ある自治体では、月30万前後より低い収入であれば、利用料が無料になることが多いです。40万前後で1万円前後の利用料がかかってくる自治体もあります。一方で145万前後の収入では、8万前後の利用料になることもあります。

150万円以上の場合は、それぞれの自治体のよって決められた計算式に当てはめていくことで利用料が算出されるケースも多くなります。しかも利用費は、細かく価格設定されています。中には40近い利用費設定がありますので、利用費は個人によって大きな差が出てくるといえるでしょう。

養護老人ホームを利用するデメリット

養護老人ホームを利用するデメリット
養護老人ホームを利用するデメリットについてもみていきましょう。

自治体によって入所可否の判定に差がある

それぞれの自治体によって、養護老人ホームに入居できる基準は異なります。隣町で通った方が、その隣町では入居の基準値に達しないことも当然あるでしょう。

入居基準に達していても定員数の問題で入居を断念する方もいます。自分の要望と審査状況、施設側の空き状況など、うまく噛み合うタイミングを待つしかありません。自治体の担当者が入居許可の「措置」という判断をしないといけませんが、自治体の基準に合わなければ入居の許可は下りないのです。

かならずしも入居できるとは限らない

本当に入居希望者が困窮していることがあっても、入居の可否を決めるのは自治体です。隣町では同じような状況で入居を許可されている人がいても、自分の町では入居が拒否される場合もあります。判断基準の違いには、施設の受け入れ人数や入居したい人の審査の段階で何かしらが問題になっている、または調査中の段階であることが考えられます。

中には養護老人ホームと他の施設の違いが明確でないまま申し込みをしてしまって拒否される方もいますので、どんな違いがあるのかをしっかり学ぶことも必要でしょう。また、担当窓口の方とじっくり相談していくようにしましょう。

要介護度によって退去しなければならない可能性がある

養護老人ホームでは、自立した要介護状態にない方が入居するのが基本です。介護や看護を必要とする施設ではないという基本があります。社会復帰に向けての身体介護サービスを行うこともありますが、その要介護度数が大きくなるとスタッフの数は圧倒的に不足し、施設の運営すらも成り立たない状況になってきます。入居時の状態、入居後の変化が重度になってくると、入居拒否・退去の判断をしなければならないこともあるのです。要介護の方が入れる施設を確認して、申請をしてみることが大切です。

養護老人ホームに入居するまでの流れ

養護老人ホームへの入居を希望する方はどのように入居を決めていくのか、その流れについてみていきましょう。

入所相談

まずは市区町村役場にある福祉課などの担当窓口、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどの相談機関などに対して入所相談をすることが始まりです。地域の民生委員などに働きかけて相談をするのもいいでしょう。養護老人ホームへ直接問い合わせをすると、その手順を教えてもらえることがあります。基本的にスタートや手続きは、すべて相談から始まります。入居基準を満たしているのかをチェックしてもらうこと、施設は本当に養護老人ホームが最適なのかどうかを教えてもらいましょう。

入居申し込み

入居できるかどうか、基準は満たされているかなどの相談が終了し、基準を満たせば申し込みに移ります。市区町村の専用窓口への入居申し込みへ行きましょう。相談の際にも基準を満たす場合、申請時に何を持参したらいいのかなども確認しておくといいでしょう。

入所調査

窓口での相談の段階で、入居できる基準を判満たしているかどうか判断していますが、さらに入所前には詳細な調査が入ることがあります。養護すべき状況を把握し、肉体的、精神的な疲弊具合、生計実態などを調査していきます。

入居の審査

調査の段階で虚偽がある、健康診断で問題が発覚しているなどの場合には、入居が認められないケースもあります。ここでは「入所判定委員会」が最終的な入居可否の決定権をもっていますので、その審査において入居が必要と認められ施設へ入ることができます。

入居

入居の審査で入所判定委員会から市区町村長へ報告されます。この報告を受けて市区町村では入居可否の連絡を本人に通達します。入所可能と判断されれば、初めて養護老人ホームに入居できるようになります。

養護老人ホームと特別養護老人ホームの違いは?

2つの養護老人ホームには『特別』という言葉の違いの他、どのような違いがあるのかチェックしていきましょう。

施設の役割の違い

2つの施設は、名前こそ似ているものの、役割としては全く異なるものを持っています。

特別養護老人ホームは、中程度から重度の介護を必要とする高齢者が対象です。施設も介護施設に分類されています。施設を仮の住まいとする役目も果たし、介護が付くというものです。

養護老人ホームは、介護を必要としない高齢者が対象。家庭環境、経済的困窮で生活を成り立たせられない方々の施設です。あくまでも養護ですので、社会復帰できる状況になれば施設を出なくてはなりません。

入居条件の違い

特別養護老人ホームは介護付きの施設で、要介護3~5の認定を受け、常時見守りや介護の必要がある方が条件になります。

養護老人ホームは、一人で生活していく環境や経済力がない、虐待などを受けているなどの環境・経済的理由が著しい方であることが条件です。特別養護老人ホームは身体的に不自由な方が多いのに比べ、養護老人ホームは体に不自由がないことが条件にもなっています。

入居条件で同じところは、対象年齢です。年齢は65歳以上が対象であることは特別養護老人ホームであっても養護老人ホームでも同じです。

サービス内容の違い

施設の目的が全く違うわけですから、サービスにも大きく違いがみられます。特別養護老人ホームは、体の不自由をサポートする人の数が多いものです。日常的な生活からリハビリ、健康管理なども徹底されています。

養護老人ホームは、自立した人を対象としていますのでスタッフは少なく、介護職の設置も義務化されていません。介護が必要になると施設に居られなくなることもあります。食事や社会復帰にむけての支援など、支援も最低限のものになっています。

設備の違い

特別養護老人ホームも養護老人ホームも、基本的な設備には大きな違いはありません。居住スペースや浴室、トイレや食堂もどちらの施設であっても、備えられているものです。

しかし決定的に違うのは、両施設の広さです。特別養護老人ホームは、体の不自由な部分にサポートを必要とする人を対象としているので、車いすなどでの移動が多くなります。そのため、老化や入口などのスペースを広く確保してある施設がほとんどです。

費用の違い

養護老人ホームは、生活が一人で維持できない人が入居します。そのため、前年度の収入に応じて40近くの年収に応じた費用が設定されています。年収が少なすぎる人は費用がゼロであることもあります。高額でも13~14万円程度です。

特別養護老人ホームでは、少なからず介護を必要とする人が入居します。有料の特別養護老人ホームよりは費用も安く7~8万円で入居する人もいれば、12~13万円の方もいます。公的な施設で格安な分、入居希望者も多いので入居できるまでに時間を要することも。エリアによっては数ヶ月~数年といった待機期間の幅がみられます。

入居期間の違い

基本的にどちらも要介護度をもとに審査され、施設に入ることになります。特別養護老人ホームで介護は必要であっても、医療を受けることが必要な状態にある方は受け入れられません。特別養護老人ホームは人生最後のときまで利用できる施設として認知されていますが、体調が悪化し専門の医療支援が必要になると施設を出なければいけないケースもあります。

養護老人ホームは社会に戻っても最低限度の生活に戻れるようにすることを目的とした施設ですので、準備が整い次第退居という流れになります。期間は入居者の環境や経済的自立が見込めるまでとなっています。

養護老人ホームの課題は?

今後、養護老人ホームに課せられる課題とはいったいどんなものなのでしょう。

行政の措置の問題

超高齢化社会に突入した今、社会保障費用の増大により行政が養護老人ホームの措置を控える問題が発生しています。施設への入居希望者が横ばいであっても、行政の「措置控え」が定員割れを起こす問題を作ってしまう事態になっているのです。

措置控えとは、入居するに値する基準をクリアしていても施設側の理由によって入居を待ってもらっている状態です。

現代は、生活保護を受けている方が非難される時代にあります。養護老人ホームでも生活費、食費、住居費など公費でサポートを受ける場所ですから、財政的な問題から縮小を余儀なくされることもあるのでしょう。しかし行政の不必要なものへのお金の流出が問題視されることも少なくないため、高齢者が安心して暮らせることができない日本の未来を案じる声も非常に多くなっています。

状況によっては、これから入る施設への入居審査が厳しくなり、結果審査に落ちるケースも考えられるでしょう。

施設数は少ないが今後も増える見込みがない

上記で挙げたような問題から、本来は養護老人ホームの増設も必要になってくることは明らかです。しかしながら行政の入居者止めにより、定員数の推移も横ばいで増える見込みは不透明なままです。高齢者のホームレスや一人暮らしが今後もどんどん増えていく中、施設が不足する問題が浮き彫りになっています。

現在は介護業界以外の業者が養護老人ホームを建設するケースも増えていますが、総計で見れば高齢者の増加に施設の数が追いついていません。その大きな要因のひとつが介護職の担い手不足。少子高齢化に伴い、介護職はより多く確保するよう求められる社会になっていますが、日本人だけでは足りないとの指摘もあります。実際に、外国人が日本で取り組む技能実習に介護の分野も入ることになりました。

国も介護職の増加に向けて何も策を打っていないわけではありません。今後は海外の人材を含め、介護職を増やす取り組みや、介護に伴う作業の自動化がカギとなります。

まとめ

養護老人ホームは、健康でありながらも環境や経済面、虐待などで通常の生活がおくることができないお年寄りを支援する施設です。

高齢者の社会復帰には、年齢による収入減、健康面、家族からの疎外などの問題も多く、社会復帰といえどもなかなかスムーズにいかない現状があります。

これからの社会情勢、経済環境の変化によって養護老人ホームの入居審査の基準も変わる可能性があります。日々のニュースをくまなくチェックしつつ、その人に合った施設に素早く入ることができるようにしましょう。


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