老人ホーム・介護施設を探すなら
入居相談窓口 受付時間 9:00~19:00
フリーコール0120-907-393

特定疾病とは?介護保険における特定疾病の対象は?

介護保険制では、65歳以上の方が該当する第1号被保険者以外にも、40~64歳の第2号被保険者が存在します。第2号被保険者は、特定疾病が原因で介護が必要になった方に限り、介護保険サービスの対象となります。もしかしたら、特定疾病に見舞われたあなたのご家族も介護保険を利用することができるかもしれません。
ここでは、そもそも特定疾病とは何なのか、そしてどういった病気が特定疾病として認定されるのか、詳しく説明していきます。

特定疾病とは?

特定疾病とは、公的保険や民営の生命保険などの各保険において、他の疾病とは区別し、特殊な扱いをされる病気のことです。そのため、対象とする保険によって、どの疾病が特定疾病とされるかは変わってきます。

例えば、医療保険においては、慢性腎不全・血友病・後天性免疫不全症候群の3つが特定疾病に定められています。一方、民間の生命保険では、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の三大疾病を特定疾病とするのが一般的です。

介護保険における特定疾病

介護保険における特定疾病
厚生労働省の選定基準によると、「心身の病的加齢現象との医学的関係がある」と考えられ、「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病」として、16の疾病が特定疾病に指定されています。

ここで注意が必要なのは、介護保険は「老化の度合い」を指標とするため、外傷性の特定疾患には介護保険が適用されないということです。

ここからは、介護保険において、実際に特定疾病に指定されている16の疾病について詳しく紹介します。

がん(末期がん)

がんとは、突然変異した細胞が、分裂と増殖のコントロールが効かなくなり、無制限に増殖する疾患です。
厚生労働省の人口動態統計によると、日本人の死因の実に30%近くを占めています。(※平成29年(2017)人口動態統計月報年計、第7表より)
増殖したがん細胞は、正常な周囲の組織に侵食、体のほかの部位に転移し、転移した器官の機能は衰え、やがて生命を奪うまでになります。

このように、原発巣と呼ばれる最初に発生した部位から離れた部位にまで転移した状態(遠隔転移)を、治療方法がほとんどない末期がんといい、介護保険制度では、この末期がんを16の特定疾病の一つに定めています。

厚生労働省によると、「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの」を特定疾病と認定される条件として定めています。
ここでいう「医学的知見に基づき回復の見込みがない状態」とは、治療困難で、余命6ヵ月程度と判断される状態のことを意味するようです。

関節リウマチ

関節リウマチとは、自分自身の免疫が手足などの関節を侵して、関節の炎症や変形を招く病気です。
関節を動かさなくても痛みが生じ、はじめは「朝のこわばり」と呼ばれる症状とともに炎症が起こり、関節炎が進行すると、手足の関節自体が変形し、血管や眼、心臓、肺など全身に炎症が広がることもあります。

関節リウマチの原因は、免疫系の異常によって、自己の細胞を誤って攻撃してしまうことと考えられており、男性よりも女性に多く発症し、30~50歳代が関節リウマチの発症のピークといわれています。

介護保険においては、臨床検査の結果にと患者自身の自覚症状の様子を総合的に判断して特定疾病として認定します。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、自分の身体を動かそうとする際に、筋肉に命令を伝える役割を担う運動神経細胞が侵される病気です。

運動神経細胞に異常が生じると、筋萎縮や筋力の低下が生じ、手や腕、足の筋肉がやせることで様々な動作がしづらくなったり、舌の筋が萎縮し呂律がまわらなくなったりし、呼吸筋の機能も働かなくなると呼吸不全に陥り死亡します。筋力が低下する一方、感覚障害が起こることはなく、五感は正常に機能しますし、自律神経は侵されないため、無意識に行われる心臓や消化器官の働きには影響が及びません。

介護保険では、成人発症であることや、進行性であること、一定以上の症状がみられることを特定疾病に認定するための条件としています。

後縦靱帯骨化症

後縦靱帯骨化症は、脊椎椎体後面を上下に走る後縦靱帯と呼ばれる部位が骨化する疾患です。この病気は、糖尿病や肥満症の患者に発生頻度が高く、後縦靱帯が骨化する原因は不明。後縦靱帯が骨化すると、脊髄が通る脊柱管が狭くなります。これにより、神経が圧迫されることで、手足のしびれや、運動障害、知覚障害がおこります。

  1. 運動障害や知覚障害といった後縦靱帯骨化症の症状があること。
  2. こうした運動障害や知覚障害といった症状が後縦靱帯の骨化によるものであると検査の結果認められること。

介護保険では、以上の二つの条件を満たした場合、特定疾病と認定されることになっています。

骨折を伴う骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、後天的に骨の強度が低下して、骨折しやするなる疾患のことを指します。
本来、古い骨を壊す骨吸収と新しい骨を作る骨形成とを並行して行うことで、骨は一定の状態が維持。しかし、骨粗鬆症の患者は骨形成よりも骨吸収の速度の方が高くなってしまい、骨に小さな穴が多発し脆弱化します。

骨の変形や痛みといった症状がみられるほかに、骨がもろくなるため骨折の原因へと繋がります。普通は特に問題ない日常生活における様々な負荷ですら骨折の要因となり、こうした骨折から介護が必要になる場合も少なくありません。

骨粗鬆症では、骨折を伴うことを前提として、X線検査による脊椎の状態腰椎骨の密度などを基準に、介護保険における特定疾病として認定されるかが判断します。

初老期における認知症

介護保険では、40~64歳の初老期における若年性認知症も特定疾病として扱われる場合があります。
初老期における認知症の原因は、下記のとおりです。

  • アルツハイマー病…脳細胞が萎縮して、酷い物忘れなどの短期記憶障害などの症状がみられ、日常生活に支障をきたす。
  • 血管性認知症…脳の血管の異常が原因で、脳に何かしらの生涯が残り認知症が発症する。
  • レビー小体病…脳にレビー正体が認められ、幻視や認知機能の変動を特徴とする認知症。

介護保険では、記憶障害に加え、言語機能に障害がある(失語)、身体的な運動機能には問題ないのに動作を行うことができない(失行)、感覚機能には問題ないのに認識能力に問題がある(失認)、実行機能に障害があるなどの症状が「せん妄」を原因としてはいないという条件を満たす場合に特定疾病として認定される基準になります。

進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病

パーキンソン病関連疾患と呼ばれる、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病の3つの疾患も、介護保険における特定疾病に定められています。

進行性核上性麻痺は、脳の特定部位の神経細胞が減少し、姿勢保持障害や眼球運動障害などを引き起こす病気です。

大脳皮質基底核変性症は、脳の神経細胞が脱落し、上肢が上手く動かせなくなると共に、パーキンソン症状も出現します。

パーキンソン病は、中脳の神経細胞の減少が原因で、運動障害が起きる病気です。進行すると歩行困難になり、車椅子や寝たきりになる場合も多くあります。

これらパーキンソン病関連疾患では、

  • 発症時の年齢が40歳以上である。
  • 症状の進行が緩やかである。
  • それぞれの疾患において代表的な症状が発症している。

といった条件を満たすことで特定疾病として認定されます。

脊髄小脳変性症

小脳から、脳幹、脊髄にかけての運動を司る部位で神経細胞が侵されて発症する神経疾患の総称が、脊髄小脳変性症です。

小脳や脊髄は、筋力のバランスを制御する役割を担っている部位です。

そのため、脊髄小脳変性症では、主に運動機能に障害がおこり、上手く歩けなかったり、手が震えたり、呂律が回らなかったりと、様々な動作が上手くできない運動失調が主な症状となります。また、自律神経症状(呼吸や血圧の障害)、末梢神経症状(しびれ)、高次機能障害(幻覚や失語、失認、認知症)といった症状が現れる場合も。そのため、介護保険の特定疾病として認定されるか否かは、専門医の診断をもって判断されます。

脊椎管狭窄症

脊椎管狭窄症は、脊柱管と呼ばれる脊椎内部の空間が狭窄し、脊柱管の中を通っている神経が圧迫され引き起こされる疾患です。
症状としては、歩くとだんだん足が痛くなり、休むとそれが回復する間欠性跛行が特徴的。こうした症状が悪化すると歩行が困難になる場合も稀にあります。

脊柱管の狭窄が、頚椎部、胸椎部、腰椎部のうちどこか1か所以上で発生し、脊柱管が狭くなることで内部の神経が圧迫されている事実が画像によって確認されることが、特定疾病として認定される条件になります。
また、出現している症状と、この画像で確認できる神経の圧迫とに因果関係があることも、同じく、特定疾病と認められるために必要な条件です。

早老症(ウェルナー症候群)

早老症とは、体細胞分裂の際に染色体に逆位や欠失、逆転座などの不安定性が認められ、この不安定性が原因で、老化現象が実年齢よりも早期に生じる疾患の総称を指します。

  • ウェルナー症候群
  • ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群
  • ロスモンド・トムソン症候群
  • コケイン症候群

などが早老症の代表例として挙げられます。
特に、ウェルナー症候群は日本人に多くみられます。

これらは、白髪が増える、毛が抜ける、皮膚に皺ができる、といった加齢に伴う現象を促進し、白内障や糖尿病などの合併症を引き起こす場合もあります。

特定疾病として認定されるかについては、発症の年齢や、早老症特有の症状がどれくらい出現しているか、早老症の原因と考えられている遺伝子の変異があるかどうかなどの総合的な観点から専門医が判断します。

多系統萎縮症

多系統萎縮症は、進行性の小脳症状を呈することが多い神経変性疾患の1つで、特徴によって3つに分類されます。

  • オリーブ橋小脳萎縮症:動作がうまく行えなくなる症状が特徴的な多系統萎縮症です。
  • シャイ・ドレーガー症候群:排尿障害や睡眠時無呼吸といった自律神経症状が中心になります。
  • 線条体黒質変性症:姿勢反射障害や動作緩慢、筋強剛のようなパーキンソン症候群と類似の症状が現れます。

これらの多系統萎縮症は、発症の原因は未だ解明されていません。介護保険の特定疾病としての認定も専門医の診察や判断が必要になります。

糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症

糖尿病自体は介護保険における特定疾病として認められていませんが、糖尿病の進行に伴い発症する合併症は特定疾病と認定される場合があります。

糖尿病性神経障害…糖尿病の合併症としては最も高い頻度で起こる障害です。末梢神経が侵され、手足の先が痛むといった症状が現れます。

糖尿病性腎症…糖尿病の合併症として発症する腎臓病です。段階的に尿が出なくなるので早期治療が重要になります。

糖尿病性網膜症…糖尿病発症後、しばらくして網膜症を発症します。初期症状はほとんどなく、進行すると飛蚊症や突然視力が低下するといった症状が現れ、進行すると失明に繋がることも。

糖尿病の進行によって引き起こされる合併症に関しては、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症の3つの糖尿病における合併症についてそれぞれの基準をすべて満たすと、介護保険における特定疾病として認定されます。

脳血管疾患

脳の血管に異常が生じた疾患の総称です。
代表的なものには以下の3つがあります。

  • 脳梗塞:脳の血管の一部が閉塞することで発症。梗塞を起こした部位に応じて、麻痺や意識障害など様々な症状が現れます。
  • 脳出血:高血圧などが原因で脳の血管が破れ出血した状態のことを指します。頭痛や嘔吐が特徴的です。
  • くも膜下出血:クモ膜下腔と呼ばれる部分に出血する疾患で、突然激しい頭痛に襲われ、重い後遺症が残ったり、死亡したりするなど重篤となる場合が多い病気です。

検査結果や後遺症の有無などによって、特定疾病として認定されるかが決まりますが、「老化の度合い」が指標となる介護保険では、外傷が原因となって引き起こされた脳出血やくも膜下出血は特定疾病として認められないので注意が必要です。

閉塞性動脈硬化症

動脈硬化とは、血管が硬くなり、血行が悪くなる状態を指します。特に閉塞性動脈硬化症は、大血管が慢性的に閉塞した動脈硬化のことを示し、主に下肢のしびれや間欠性跛行(歩くとだんだん足が痛くなり、休むとそれが回復する症状)、重症の場合は下肢の壊死に繋がる疾患です。

介護保険において、特定疾病として認定される閉塞性動脈硬化症とみなされるのは、腹部大動脈抹消側、四肢の主幹動脈、下肢の中等度の動脈等に閉塞がみられる場合に限ります。

他にも、これらの部位に閉塞が確認され、間欠性跛行や安静にしているときの痛み、潰瘍や壊死が認定の条件になります。

慢性閉塞性肺疾患

息切れや咳、痰などの症状が現れる慢性呼吸器疾患で、以下の疾患が該当します。

  • 肺気腫:肺胞の壁が破壊され、呼吸に支障をきたす疾患です。原因は主に喫煙で、日常生活の動作で息苦しさを感じます。
  • 慢性気管支炎:慢性的に原因不明の咳や痰が持続する疾患です。
  • 気管支喘息:気道の粘膜に慢性的な炎症がおこり、気管支が過敏になり、呼吸困難や喘鳴が繰り返される疾患です。
  • びまん性汎細気管支炎:呼吸細気管支に慢性的な炎症が起こる疾患です。咳や痰、息苦しさといった症状が現れます。

こうした疾患に該当する方の中で、気流閉塞が起こっている場合、条件を満たし、介護保険における特定疾病と認定されます。

両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

加齢や膝関節の使い過ぎなどが原因で、関節が痛み、変形する病気のことを指します。
前述した特定疾病の関節リウマチとの鑑別が求められる病気で、膝や股間、足などの体重負荷がかかる関節に発症することが多いです。肩や肘などの上肢に発症し、痛みを感じる場合もあります。

介護保険においては、尿側の膝関節または股関節が変形し、機能障害が発生したり、痛みがあったりする場合のみ、変形性関節症として特定疾病の認定がなされます。
このとき、レントゲンによる検査や、機能障害の度合い、苦痛の軽重などの項目で判断基準を満たすことが、特定疾病認定の条件になります。

特定疾病で介護保険の認定を受けるには?

介護保険の特定疾病として認定される条件を満たしていた場合、市区町村の担当窓口へ申請が必要です。
申請した後に、調査員が聞き取り調査を行い、介護保険認定(コンピューターによる一次、介護認定審査会による二次の二段階)の判定が行われます。

なお、申請の際には、以下の書類が必要になります。

  • 要介護認定申請書
  • 主治医意見書…申請者の症状などが記載された書類
  • 医療保険被保険者証

介護保険制度では、がん(末期がん)や関節リウマチ、初老期における認知症、早老症(ウェルナー症候群)をはじめとする16の病気を、特定疾病として定めています。40~64歳の第2号被保険者にあたる方は、これらの特定疾病が原因で介護を必要とする状態になった場合、特定疾病それぞれの条件を満たし、介護認定されれば、介護保険のサービスを受けることが可能です。


  • 介護のお役立ちガイド

  • 入居祝い金

    施設掲載ご希望の方はこちら


    pagetop