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介護保険が定める老人ホーム・介護施設・養護施設の入居条件は?

介護保険制度の高齢者向けの施設には、老人ホームや介護施設、養護施設など、いくつかの種類があります。ただ、施設の特徴や運営方法、費用はもちろん、それぞれに入居条件が異なりますが、いまいち違いがわかりづらいものです。ここでは、介護保険が定める施設に親の介護をお願いする場合にしっておきたい入居条件についてご紹介します。

老人ホーム・介護施設の種類

一般的に老人ホームと一括りにされがちですが、高齢者が介護を受けられる施設には老人ホームや介護施設、養護施設など、いくつかのタイプに分かれます。施設の特徴は、運営主体が民間もしくは公的かどうかをはじめ、必要とする介護のレベル、認知症の有無、看取りの有無などによって細かく枝分かれしています。

民間 or公的 主な施設の種類 介護認定度 月額費用の目安 看取り
民間 介護付有料老人―ム 自立〜 約10万~30万円
民間 住宅型有料老人ホーム 自立〜 約10万~30万円
民間 健康型有料老人ホーム 自立のみ 約8万~30万円 ×
民間 サービス付き高齢者向け住宅 自立〜要介護3程度 約10万~30万円
民間 グループホーム 要支援2〜 約8万~30万円
公的 特別養護老人ホーム 要介護3〜 約5万~15万円
公的 介護老人保健施設 要介護1〜 約8万~15万円 ×
公的 介護医療院 要介護1〜 約8万~15万円 ×
公的 ケアハウス 自立〜要介護3程度 約3万~10万円

要介護者向けの施設の入居条件

要介護者向けの施設
ここからは介護保険における介護認定度が要介護1以上の人を対象とした施設の入居条件をご紹介します。

介護付有料老人ホーム(民間型)

入居条件

ここに挙げた入居条件は一般的な基準のため、施設ごとに提供しているサービスの違いから受け入れできるかどうかが異なります。65歳以上という年齢制限があるものの、特定疾病認定を受けた40~64歳までの人なら入所可能です。

施設の目的・サービス内容

介護付有料老人ホームは、介護を必要とする高齢者が自立した生活ができるよう、リハビリや食生活、入浴といった介護ケアを通して支援する施設です。自立支援を目的としているため、3ヶ月ごとに退所するか、そのまま更新するかの判定が行われます。

住宅型有料老人ホーム(民間型)

入居条件

・自立した人であること

以下は施設によって異なります。

施設の目的・サービス内容

食事サービスを中心に生活全般の支援サービスをベースにした施設です。そのため、介護サービスは原則提供していないので、外部の介護サービス事業者による訪問看護を利用します。介護付有料老人ホームの場合は、入居する施設が介護サービスを提供しているのに対し、住宅型有料老人ホームは介護スタッフが常駐していません。したがって、外部から介護サービスに来てもらうようになります。

グループホーム(民間型)

入居条件

施設の目的・サービス内容

認知症高齢者の症状緩和や進行を遅らせる家庭的な生活介助を提供する施設です。食事や入浴、排せつなどのサポートを受けたり、自分たちで掃除や洗濯などを行ってできるだけ自立した生活を営んだりすることができます。共同生活をする人数は5~9人程度と小規模です。利用者に対する介護職員の比率が高い(法律では3:1、施設によっては2:1)ため、手厚い生活支援が受けられます。

特別養護老人ホーム(公共型)

入居条件

施設の目的・サービス内容

介護度の高い高齢者を対象に入浴や排せつ、食事といった日常生活の介護ケアをはじめリハビリや健康管理を受けられる施設です。経営母体は社会福祉法人であることが多く、医療的ケアの対応に力を入れている施設も増えています。

なお、特別養護老人ホームは、まず各自治体に入居の申請をすると審査結果によって優先順位が振り分けられ、自分の順番が来るまで待機する必要があります。順位によっては早くて数ヶ月、長ければ数年単位で待つケースも珍しくありません。

介護老人保健施設(公共型)

入居条件

施設の目的・サービス内容

介護が必要な高齢者の自立を支援するための施設です。入居者の介護度や健康状態に合わせた食事や入浴の介護ケアやリハビリ、栄養管理などが受けられます。入院治療が必要なければ入居条件は比較的緩やかですが、3ヶ月後の入所期間が設定されており、その都度審査があるので注意しましょう。

なお、介護老人保健施設の専有スペースは多床室と呼ばれる個室がないタイプや1ユニット10人で介護するユニットタイプ、ユニットのない従来型個室といった種類に分かれます。共同生活を基本としていること、居室内にはトイレやキッチンがないことがデメリットです。

介護医療院(公共型)

入居条件

施設の目的・サービス内容

介護医療院は障害や認知症の症状が重い利用者が対象の(Ⅰ)型と、比較的健康状態が安定している(Ⅱ)型の2つに分かれます。どちらも介護保険で介護を必要とする高齢者が長期療養したり、生活援助を受けたりする施設です。

※医療施設で介護保険が適用されるという二重問題によって2017年度末で廃止された旧「介護医療院」から、2018年度より、同名の新「介護医療院」がスタートしています。

自立できる高齢者向けの施設

自立できる高齢者向けの施設

サービス付高齢者住宅(民間型)

入居条件

以下、施設によって

施設の目的・サービス内容

高齢者向けの賃貸マンションで、医療や介護に精通したスタッフが常駐していること、安否確認のサービスや生活相談を受け付けてくれることなど、安心した暮らしをサポートしてくれます。施設内に在宅介護事業所やデイサービスが併設されているところが多く、外部からの介護サービスも含めて介護の選択肢が広がるでしょう。老人ホームや介護施設とは違って賃貸マンションの高齢者版といった位置づけとなっています。

健康型有料老人ホーム(民間型)

入居条件

以下、施設によって

施設の目的・サービス内容

介護の必要がなく自立した生活が可能な高齢者向けの施設です。基本的に日常生活の管理は自分でするけれども、食事の用意や掃除・洗濯、安否確認といった生活支援や施設内のレクリエーションを利用します。ただ、「介護が必要になった場合は退去しなければならないこと」「施設数が非常に少ないこと」などがデメリットです。

高齢者専用賃貸住宅(民間型)

入居条件

施設の目的・サービス内容

制度改正によってサービス付き高齢者向け住宅に統合された賃貸住宅で「高専賃」と呼ばれていました。60歳以上の高齢者向けの賃貸住宅です。年齢を重ねた人が暮らしやすいように、バリアフリーや家賃補助制度があり、介護の必要がなく、健康状態の良い高齢者が生活しています。生活支援や介護ケアが必要になったら、外部の介護サービス事業者による訪問看護と契約して利用します。

高齢者向け優良賃貸住宅(民間型)

入居条件

以下、施設によって

施設の目的・サービス内容

現在はサービス付き高齢者向け住宅に一本化されましたが、もともと都道府県単位で設置された高齢者向けの賃貸住宅でした。賃貸契約が難しい高齢者でも契約しやすく、各自治体によって家賃補助制度があることが特徴でした。

シニア向け分譲マンション(民間型)

入居条件

年齢制限や健康状態、介護状態の縛りはとくにありません。

※介護保険や高齢福祉に含まれる老人ホームや介護施設ではなく、あくまで民間業者が高齢者向けに建てた一般的な「分譲住宅」です。

施設の目的・サービス内容

民間業者が主に高齢者を対象にバリアフリー構造やコンシェルジュ常駐のサービスを行う、分譲住宅です。サービス付き高齢者向け住宅とよく似ていますが、設備基準や届け出の義務がなく、不動産会社によって違いがあります。分譲マンションを購入するスタイルなので、所有権を持つことができ、売却や賃貸も可能です。

軽費老人ホーム(公共型)

入居条件

施設の目的・サービス内容

身寄りがなく、家族や親族からの援助が受けられない、受けるのが困難な60歳以上の高齢者が自立した生活を送るための施設です。食事の提供があるA型と自炊の必要があるB型とに分かれておりケアハウスと呼ばれることもあります。施設が提供するサービスは洗濯や掃除といった生活支援や医療機関との提携、緊急時の対応などがあります。介護が必要になっても外部の介護サービス事業者と契約して住み続けることが可能です。

ケアハウス(公共型)

入居条件

一般型の場合

介護型の場合

施設の目的・サービス内容

介護が不要、または軽度の介護が必要な高齢者が食事の提供や掃除・洗濯といった生活支援を受けながら生活するための施設です。一般型と介護型の2種類があり、併設されている施設もあります。介護型には施設内に介護スタッフが常駐しているため、外部の訪問介護サービスを契約する必要がありません。なお、入居時に保証金(一般型約30万円、介護型数十万円以上)が必要です。

入居条件のポイント

入居条件のポイント

要支援・要介護認定の度合い

老人ホームや介護施設、養護施設へ入居する際、受けられるサービスは人によって違いがあります。とくに介護保険制度の要介護度認定の度合いに応じて、本人の健康状態に合わせた介護サービスを提供され、料金も要支援や要介護度のレベルで細かく設定されています。なぜなら、介護サービスの利用が的確に行われて貴重な財源を公平に使おうという背景があるからです。

公的施設でも民間運営であっても、要介護度によって入居できるかどうか施設の種類別に基準が設けられています。たとえば、特別養護老人ホームは原則要介護3〜要介護5の高齢者が対象で、要介護度1や2といった比較的軽度な人は基本的に対象外です。また、要介護度によって受けられるサービスの種類や回数、料金も異なります。

年齢

介護保険による介護サービスを利用できるのは原則65歳以上の高齢者です。したがって、老人ホームや介護施設に入所条件も原則65歳以上となっています。ただし、脳血管疾患や末期がんをはじめとする16種類の特定疾病を持つ40歳以上も入居が可能 です。

なお、介護サービスの利用がない住宅型有料老人ホームや高齢者向け住宅は65歳以下でも入居できる一方、介護サービスの利用をベースに運営されている介護付有料老人ホームやグループホームでは65歳以上の年齢条件を設けている施設が大半です。

医療行為を必要としているか

老人ホームや介護施設、養護施設では、介護的ケアを中心に入居者のサポートをします。医師や看護師が常駐している施設もありますが、多くの場合、ヘルパーや介護福祉士、リハビリスタッフの職員で構成されており、介護保険が定める施設は医療機関でないため対応できる医療的ケアは限られます。具体的に老人ホームや介護施設で受けられる医療行為には次のようなものがあります。

以下は、施設によって

介護度が重くなり痰の吸引やインスリン注射、経管栄養といった医療行為は施設のスタッフ体制によって対応可能かどうかが異なることに注意してください。

保証人・身元引受人がいるか

老人ホームや介護施設、養護施設では、保証人や身元引受人がいることを入居条件にしています。保証人や身元引受人は入居費用の支払いや緊急時の連絡、ケアプランや治療方針の承諾、入院や死亡時の対応などを行うのが一般的です。入居者の大半は家族や親族に保証人・身元引受人になってもらいます。

身寄りがない単身者や近親者に頼む人がいない場合、身元引受人の代行サービスを提供している民間企業やNPO法人を検討することも可能です。これまで身元保証人の家族が行ってきた保証や対応を引き受けるほか、生活支援や死後の手続き代行を行うケースが多くなっています。なお、身元保証人を立てる代わりに成年後見制度を利用した後見人がいることを入居条件にしている老人ホームや介護施設も登場しています。

収入があるか、生活保護ではないか

長期にわたって入居利用する老人ホームや介護施設では、継続して利用料を支払えるかどうか、収入や資産のチェックを行い経済状況を総合的に審査します。なぜなら、介護の必要な高齢者が利用者であるため、すぐに退去を求めることが難しいなどの理由があるからです。

利用料を支払えないからといって即退去にはなりませんが、滞納の度合いに応じて身元保証人への対応を求めたり、退去の勧告をしたりするなど施設によって扱いが異なります。しかし、施設に入居すると月額利用料をはじめ実費負担や娯楽費、日用品購入費など、さまざまな支出が必要なため、収入や貯蓄にふさわしい施設選びをしなければなりません。

ちなみに、生活保護を受けている場合は、特別養護老人ホームに入居するケースが大半です。基本的に自治体の福祉窓口と相談することになるため、入居できる施設は限られます。生活保護の受給者や生活困難者に対する措置制度が利用できる特別養護老人ホームなら公費負担で入居が可能です。

認知症の状態

老人ホームや介護施設、養護施設によって、認知症高齢者の受け入れ体制が異なります。また、認知症の症状が進行すると退去しなければいけない施設もあります。

認知症高齢者に対応している主な施設

軽度の認知症の症状なら入居できる主な施設

・住宅型有料老人ホームなど

認知症を持つ高齢者の場合、施設として入居可能なところと対応できない施設に大きく分かれています。また、入居中に認知症を発症したり、症状が進行したりすると退去を求められて他の施設を探さなければならない場合もあります。 老人ホームや介護施設、養護施設を選ぶ場合、認知症にどこまで対応しているのかも必ずチェックすることが大切です。

まとめ

介護保険でサービスが提供される高齢者向けの施設についてご紹介しました。

老人ホームや介護施設、養護施設といった介護保険を前提にした施設を選ぶときには、以上のようなポイントをチェックしながら検討してみましょう。

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