失敗しない老人ホーム・介護施設・養護施設の選び方のポイント | 介護タウン24


失敗しない老人ホーム・介護施設・養護施設の選び方のポイント

親が高齢になってくると、介護の問題が出てきます。最近は、自宅で家族が介護するのではなく介護施設に入居させて、高齢の親の介護や日常生活のサポートをしてもらうケースが増えています。ただ、高齢者が入居する施設にはいくつかの種類があるため、それぞれの違いがいまひとつわかりづらいのではないでしょうか。ここでは、高齢者の介護施設の種類とそれぞれの違いをはじめ、入居に当たっての準備や条件などについてまとめてご紹介します。

老人ホーム・介護施設・養護施設を選ぶ4つのステップ

希望条件の整理

老人ホームや介護施設、養護施設を選ぶには、「本人や家族がどういった生活を望んでいるか」について希望条件を整理することからはじめます。施設のある地域や立地といった場所や初期費用、月額費用といった経済的な条件を一つずつ確認していきましょう。本人と家族の話し合いの中で、少しずつ暮らしたい老人ホームのイメージが固まっていきます。

最初に出した条件を改めて確認すると、場所や費用の面で理想的なものになっているはずです。ただ、そのままの条件で入居するのはなかなか難しくなります。理想とする老人ホームのために遠くに引っ越しが必要になったり、予算を上回る費用が掛かったりする場合は、条件の折り合いをつけていかなければならないからです。

本人と家族がしっかりと話し合う中で、老人ホーム選びの優先順位をつけて、一つずつ入居できる施設を探していくことをおすすめします。

施設の情報収集

希望条件がある程度決まったら、「暮らしたい地域にどういった老人向けの施設があるか」を調べていきましょう。できるだけ施設の種類や数を多くまとめて情報収集すると、選択肢が増えるので選びやすくなります。老人ホームや介護施設の情報は「インターネットで直接公式ホームページをチェックする」「介護の情報サイトを見てみる」といった方法で簡単に手に入れることができます。インターネットでは情報にムラがあると感じたら、自治体の高齢福祉や介護の担当窓口に問い合わせてみましょう。有料老人ホームをはじめ介護関連の施設は市町村単位で把握されているので、一覧のリストをもらえたり、NPO法人などが行っている介護の相談窓口を紹介してくれたりします。

パンフレットの請求・比較

希望する地域の高齢者向け施設の情報が一通りそろったところで、各施設からパンフレットや参考資料などを取り寄せましょう。電話や公式ホームページから直接取り寄せたり、住まいが近くなら取りに行ったり、都合に合わせてパンフレットを集めていきます。インターネット上の介護情報サイトなら、パンフレットが欲しい各施設にチェックをつけて申し込めば一括で資料請求することができるのでとても便利です。

このほか、自治体の窓口や介護保険サービスのケアマネジャーがいる企業の窓口でパンフレットをまとめてもらえる場合もあります。そのため、どうすればいいかわからない場合は、まず市町村の高齢福祉や障害福祉の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。

見学・体験入居

取り寄せたパンフレットや参考資料を本人と家族で見比べてみて、気になる老人ホームや介護施設を選んで行きます。選び方のコツは、最初のステップで設定した希望の条件にしたがって内容をチェックしていくこと。そして、気になる施設を順番に並べていき、優先順位をつけていくことです。パンフレットや参考資料、公式ホームページだけではその施設の全体を知ることはできません。

なぜなら、最初のイメージや感覚と違っていることもあるからです。そのため、気になる施設をいくつかピックアップしたら、必ず現地まで見学に訪れてください。できれば本人を連れて、難しければ最初は家族だけでもかまいません。実際に訪ねて行って施設の規模やサービスの内容、スタッフの質を確かめながら、体験入居に進むかどうか慎重に選びましょう。見学や体験入居はできるだけ多く重ねて理想の条件に近い施設を探してください。

施設のパンフレットの確認ポイント

パンフレットのチェックポイント

気になる施設のパンフレットを請求して手に入れたら、次のようなポイントをチェックしましょう。

・施設の概要(住所・アクセス・運営法人など)
住所を見れば立地が市街地か郊外、山間部なのかがわかり、周辺の環境をおおよそつかむことができます。また、アクセスを確認することで「入居後に家族が訪問しやすいか」を判断することも可能です。「最寄り駅や最寄りのバス停からの距離」「徒歩圏内かバスやタクシーを使わなければいけないのか」についても確認します。

さらに、車でなければアクセスが難しい場合、最寄りのインターチェンジや幹線道路からのルートはどうかなど、一通り交通手段の情報を知っておきましょう。パンフレットを見ると、母体となっている運営法人が信頼できるかどうか、資本金や経営・運営状況を知る手がかりとなります。

・入居条件
年齢や要介護度、入居に関する費用を確認しましょう。

・部屋や館内の様子や雰囲気
パンフレットの写真を見れば、入居する部屋や施設内の様子や雰囲気がわかります。施設の新しさや明るさ、設備の充実ぶりをつかめます。

・サービス内容
「どういった介護や生活補助のサービスを提供しているか」によって入居後に受けられるサービスが変わりますのでしっかりチェックしてください。

・運営理念
「施設としてどのような方針や思いで運営しているか」を知ることができます。

・老人ホームの特徴
ほかの施設とは異なった魅力やメリットを確認しましょう。

・料金
入居一時金や月額利用料のほか介護サービスを利用した場合の料金の目安をつかめます。

パンフレットの注意点

パンフレットは、気になっている施設のイメージを描くのにとても役立つ有益な資料です。カラフルな色使いやキャッチコピー、多くの写真を通して入居を考えている老人ホームや介護施設での暮らしを想像しやすくなります。ただ、パンフレットを見るときは、各施設が力を入れて作成した『広告』だということを念頭に置くようにしてください。高齢者向けの施設はしのぎを削って入居者を募集しています。

自分の施設を少しでもよりよく見せて、「たくさんの高齢者やその家族に来てもらいたい」と考えるのはとても自然なことです。だからこそ、ある程度の「演出」や「脚色」はあるのを前提に情報の一つとして内容を確認するようにしましょう。そして、実際に希望する施設を訪問してパンフレットのイメージと同じだった点、異なっていた点を整理するようにしてください。

パンフレットで必ず目を通したい「重要事項説明書」

●重要事項説明書とは
老人ホームや介護施設などのパンフレットを取り寄せたら、必ず「重要事項説明書」も合わせてチェックしておきましょう。重要事項説明書には、施設の企業・団体に関する情報をはじめ、施設のある敷地や建物概要が記載されています。また、ほか職員の配置体制や提供しているサービスの内容、入居に関する費用といった契約にあたって判断材料となる重要な事柄が盛り込まれています。

保険の約款のように細かな字で印刷されているのであまりしっかり目を通す人は少ない傾向です。しかし、入居後に安心して本人が暮らせるかどうかに深く影響するため、隅から隅まで読んでおきましょう。なお、重要事項説明書は老人ホームや介護施設などが必ず作成しなければならない資料です。なぜなら、老人福祉法によって都道府県へ提出しなければならないからです。施設の公式ホームページには載せていないところも多いため、資料請求のときに手元に届いているか確認してみてください。

●重要事項説明書に記載されていること
重要事項説明書に書かれている項目を具体的に箇条書きでご紹介します。

・事業主体概要
施設を経営する企業または団体の名称・所在地・連絡先など
・施設・事業概要
施設の名称、所在地、開設年月日、建物の概要など
・職員配置体制
職員数や常勤・非常勤、専従・非専従といった雇用形態
職員の保有する資格
職種別の職員配置
夜間の職員配置など
・サービス内容
入居後の住み替え条件
入居者の現状
協力医療機関リストなど
・入居費用
入居一時金
解約時の返還手数料や算出方法など
月額費用の内訳
食費や介護保険利用時の料金の目安など

●重要事項説明書を見るポイント
入居後にイメージしている生活スタイルや実際に受けたい医療や介護、リハビリなどが希望する施設で受けられるかどうかをベースに見ていくようにしましょう。

リハビリを受けたい場合は、理学療法士や作業療法士といったリハビリスタッフやリハビリルームがあるかどうかは重要です。また、医療ケアや定期的な受診が必要なら施設の協力医療機関が対応してくれるのかどうかなど、生命と健康に関わる内容だけにしっかりチェックしてください。このほか、職員配置数や経験、資格などを確認して「手厚い介護やサービスが受けられるか」「おおよその費用はどのくらいか」といったポイントも重要となってきます。

見学・体験入居の確認ポイント

立地

老人ホームや介護施設などの立地は入居後のご本人や家族の暮らしに大きく関わるため、必ず現地見学をして状況をつかみましょう。候補の施設がいくつかまとまったら、一つずつ見学をして交通アクセスや施設周辺の環境を確かめることが大切です。

<立地のチェックポイント>
・アクセス
ご本人が外出するときはもちろん、家族が訪問することも考えて「どういった交通手段があるか」を確認しましょう。「鉄道やバスはあるのか」「自家用車やタクシーでなければアクセスが難しいのか」によって施設までの行きやすさが大きく変わります。

・駅までの送迎サービスはあるか
施設によっては駅を結ぶ無料送迎バスが用意されていたり、駅やバス停、地域のショッピングモールなどを結ぶ巡回バスを運行していたりする場合があります。もし最寄り駅から遠くても、こうした送迎サービスがあれば交通アクセスの心配が少なくなります。

・騒音や振動はないか
「施設の近隣に工場や学校、交通量の多い道路などがないか」をチェックしましょう。昼と夜では騒音や振動に違いがある場合もありますので、候補の施設を絞り込む際には暗くなってから訪問するのもおすすめです。

・日当たりは良いか
実際に見学した際に、建物内や色紙の日当たりを確認しましょう。施設の建物の建っている方角や窓の向きや広さも合わせて見れば、日中の日当たりや真夏や冬の室温などをイメージしやすくなります。

・周辺に買い物施設はあるか
施設の近所にスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなど、買い物施設があれば、本人が買い物に出かけたり、家族が施設を訪問した際に必要なものを買い出したりするのに便利です。介護用品がそろっているお店も確認しておけばなお良いでしょう。

・周辺の病院はあるか
定期的に通院するクリニックや、救急で診てもらえる病院などを確認しておきましょう。施設の周辺の病院やクリニックをピックアップして、どんな診療科があるかもチェックしておく必要があります。

施設の共有スペース・専有スペース

老人ホームや介護施設などの建物内には本人が寝たり過ごしたりする居室と共有スペースがあります。個室や大部屋の専有スペースだけでなく、日中、食事やアクティビティで過ごす共有スペースも快適な生活にとても影響します。

<共有スペースのチェックポイント>
・広さや、明るさが十分か
入居者の人数に比べてスペースが狭かったり、暗かったりすると気持ちよく共有スペースで過ごすことが難しくなります。照明の種類や数、窓の大きさなども部屋を明るく広く感じる大切なポイントです。

・設備の充実
エレベーターや手すり、エアコンや空気清浄機、加湿器をはじめ共有スペースで快適に過ごすための設備や電気製品などを一通り確認しておきましょう。

・衛生面やにおい
テーブルや床、窓などがきれいに清掃され、清潔かどうかをチェックします。また、室内ににおいがないかどうかも確かめてください。

<専有スペースのチェックポイント>
・広さ、明るさが十分か
「一人でゆったり過ごすのに快適な広さかどうか」「照明や窓が考えられて設計され明るさが十分かどうか」をチェックします。

・浴室・キッチンの状態(サ高住希望の場合のみ)
浴室では、浴槽の深さや手すり、浴室暖房の有無などを確認しましょう。キッチンは調理しやすいかどうか、コンロの口数や冷蔵庫を置くスペース、食器棚の有無などを見ておきます。

・トイレや洗面台の状態(車いすや手すりなどが使いやすいか)
トイレは広さやドアの開閉のしやすさ、手すりの位置が重要です。とくに車イスの入居者ならトイレに入ったりトイレの中で移動したりしやすいかもチェックします。洗面台の高さや手すりの位置も確認しておきましょう。

・備え付けの備品の状態
エアコンやベッド、水回りや換気扇といった室内に設置されている設備の性能や位置、操作のしやすさをチェックします。

・電話の使用
固定電話で外線や内線が使用できるかどうか、居室内で携帯電話を使えるか、携帯電波は拾えるかどうかを確認しておきましょう。

生活支援

食事や入浴の介助、シーツやオムツ交換など、「生活全般の支援をどこまで職員がサポートしてくれるのか」によって、本人の暮らしやすさが変わってきます。また、生活面で本人が気をつけなければならないことに対応できるかも大切です。

<生活支援のチェックポイント>
・飲酒・喫煙
専有スペースや共有スペースで飲酒や喫煙が可能かどうか、時間や場所が決められているか確認しましょう。まったく楽しめないケースから条件付きでOKな施設までさまざまなので、本人が希望する場合は必ず施設に確認しておきます。

・外出・外泊
外出や外泊の届け出の有無や条件などを調べておきます。本人のみが外出したい場合、職員が付き添いしてもらえるかどうかも大切なポイントです。また、外泊の手続きの方法や時間なども確認しておきましょう。

・入浴回数
「週に何回入浴できるのかどうか」「シャワーならいつでも使えるのか」「入浴時の職員の配置」などをチェックします。

・失禁時のシーツ交換(無料or有料)
施設によって無料だったり有料だったりします。オムツも同様で、月額料金に加算されますので金額が発生するかどうかをチェックしておきましょう。

・起床してから就寝までの1日の流れ
起床時間や就寝時間、食事時間やアクティビティの時間といった1日のスケジュールを確認します。

・面会時間
面会時間によって家族や友人知人の訪問のしやすさが変わってきます。

・入居後の生活相談ができるか
いつでも気軽に生活の悩みごとを施設やグループのリーダーや生活相談員に相談したり、サポートが受けられたりするかを確認しておきましょう。

介護・看護スタッフ

入所後、普段の生活で一番と本人と関わりが深い介護や看護などのスタッフ次第で、生活の質が大きく変わります。なぜなら、しっかり研修を受けてよりよいサービスを提供しようとするスタッフが配置されている施設ほど、入居者は安心して快適に暮らせるからです。

<介護・看護スタッフのチェックポイント>
・挨拶や対応の雰囲気
現地見学をしたとき、「スタッフから気持ちの良い挨拶があるかどうか」は施設のスタッフをチェックするうえで最低限のポイントです。「挨拶に元気がない」「そもそも挨拶してくれない」といった施設は要注意です。また、直接見学で対応してくれるスタッフだけでなく、共有スペースで入居者と接しているスタッフの様子もしっかりと観察しましょう。

・日中・夜間の介護の様子
介護や介助は24時間365日続きます。見学した日中の様子はもちろん、夜間も含めた介護スタッフや看護スタッフがどういった対応をしてくれるのかも確認します。

・看護スタッフ・介護スタッフの数(数によってケアの手厚さが変わる)
看護スタッフや介護スタッフの数は施設の条件によって法律で最低人数が定められています。ただ、入居者の数に対してスタッフの数が多いほど手厚いケアができるのも事実です。日中や夜間別のスタッフの人数、正職員や非正規職員などの割合などをチェックすることが重要。

・有資格者数
看護師やヘルパーといった看護や介護の基本的な資格があります。リハビリスタッフが持つ理学療法士や作業療法士、食事を提供する調理師や管理栄養士の配置など、資格を持っているスタッフの人数や配置を確認しておきましょう。

・教育体制
看護や介護は年々技術や知識が新しくなるので、教育体制や研修制度がしっかりしている施設が望ましいといえます。「定期的に職場内や外部研修を実施しているか」を質問しておくとよいでしょう。

医療体制・医療サポート

持病の治療で医療的ケアが必要な場合は、「スタッフがどこまで対応してくれるか」を事前に確認しなければなりません。また、万一の急病やケガに「施設がどういった対応をしてくれるのか」も大切です。

<医療体制・医療サポートのチェックポイント>
・提携している医療機関
老人ホームや介護施設などは近隣の病院やクリニックと提携して、必要な医療の提供を受けています。提携機関や協力機関の名称や診療科目、具体的なサポート内容を確かめましょう。

・往診の回数や診療科目
往診に対応している医療機関の往診回数や診療科目が入居者本人の必要な医療にマッチするかを調べます。

・病院送迎の有無
定期的な通院で施設が病院やクリニックまで送迎サービスを行っているかを確かめましょう。付き添い内容をはじめ利用する交通手段(バスや鉄道、介護タクシーなど)も大切です。

・医療行為のある入居者への対応
施設や医療スタッフの配置によって受けられる医療行為が違います。多くの施設では胃ろうや人工肛門、褥瘡(床ずれ)処置の対応は可能ですが、インスリン注射や日中の痰の吸引、人工透析となるとケースバイケースです。入居時はもちろん、入居後に治療が必要になった場合、「どういった医療ケアが受けられるか」によって施設を移らなければならなくなることもありますので注意しましょう。

・入院時のサポート
急病やケガで入院しなければならなくなったとき、「施設スタッフがどこまでフォローしてくれるのか」を確認しておきましょう。

・リハビリへの対応
施設によって配置しているリハビリスタッフの種類や人数が異なります。しっかりとリハビリを受けたいなら、「リハビリのスタッフや設備が充実しているか」も施設選びの大切なポイントです。

・家族が呼び出しされるケース
体調の変化やスタッフでは対応できない出来事が発生したとき、「どういったケースで家族が呼び出されるのか」をきちんと確かめておきましょう。定期的に話し合いをして「ある程度は施設に任せることができるのか」も質問しておくとよいでしょう。

食事

きちんとした栄養を取るのはもちろん、日々のおいしい食事は入居者にとって大きな楽しみの一つです。「本人が喜ぶ食事が提供されるかどうか」など、次のようなポイントからチェックしていきましょう。

<食事のチェックポイント>
・献立(治療食対応できるか、セレクトメニュー)
野菜、肉、魚など、「栄養のバランスが取れた食事メニューを提供しているか」を確認しましょう。また、「糖尿病や腎臓病をはじめ持病がある入居者向けの治療食に対応できるかどうか」も重要です。本人の好き嫌いや、食べたいものによって献立が選べるセレクトメニュー の用意も確認しておきます。

・どこで作られているのか
日々の食事が作られている場所を確かめます。「施設内の調理室なのか」「グループ内でもほかの場所の調理施設なのか」「提携している給食会社なのか」など、調理の主体や場所は食事の質に大きく影響します。

・管理栄養士の有無
施設に管理栄養士が配置されていると、より入居者の栄養バランスを考えた献立が提供できます。また、治療食にも対応しやすくなるため、「管理栄養士がいるかどうか」によって対応できる食事メニューが変わります。

・食べない場合の利用料金
食欲不振や体調不良、外出や外泊などで食事を取らなかった分の料金についても確認しておきましょう。

・居室配膳の可否
共有スペースで食事を取る施設と、個室や大部屋といった専有スペースの居室まで配膳を対応してくれるところとがあります。

運営法人

施設を運営している企業や団体が「どういった特徴を持っているか」もチェックしておきたいポイントです。運営法人のこれまでの実績や経験値によって、入居者に合ったサービスを提供しやすく強みとなっているケースもあります。また、長期にわたって生活する場所だけに、運営母体の将来性や経営の健全性もチェックする必要があります。具体的には次のようなポイントから運営している法人を見て行きましょう。

<運営法人のチェックポイント>
・運営法人の経歴(どんな業種から参入しているか)
介護や福祉専門の法人のほか、最近は街のクリニックをはじめとした医療法人の経営も増えています。また、まったく業種の異なる流通業や出版業、建設業といった異業種からの参入も盛んです。「これまでどの程度、老人ホームや介護施設の運営経験があるのか」を確認しておきます。

・運営が安定している企業か(財形状況など)
入所してしばらくしたら倒産してしまった……そんな悲劇に遭わないためにも、運営する法人の経営方針や財政状況といった土台をしっかりチェックしてください。相談の際に法人の経営資料をもらって目を通すのもおすすめです。会社や団体に関する口コミや評判を集めてみるのもよいでしょう。

・入居率・退去率に不信な点はないか
施設の入居率や退去率の数字に開きがあると、施設の介護やスタッフサービスの質に問題がある可能性が浮かび上がります。入居者が安心して暮らしているかの一つの目安となりますので、調べておいてください。

入居者の雰囲気

現地見学で忘れてはいけないのが、実際に入居している人の表情や様子を見ることです。明るく生き生きした表情や穏やかな様子で過ごしていると感じたら、普段の生活の質が良い状態との判断材料になります。

<入居者のチェックポイント>
・入居者の表情は?
共同スペースで時間を過ごす入居者の表情は明るいでしょうか。お隣の方と歓談したり、スタッフさんと仲の良くしていたり、実際に生活している人たちの顔色や雰囲気を感じ取りましょう。

・入居者に対するスタッフの対応
施設のスタッフは入居者に対して挨拶や声がけ、介助やフォローをしているでしょうか。施設の中で多くの時間を過ごすスタッフとの関係こそ、日々の穏やかな暮らしのベースを生み出すものです。挨拶がきちんとされていない、声がけが不十分と感じる施設は注意しましょう。

・入居者のレクリエーションなど
入居者が楽しめるレクリエーションやイベント、教室などを頻繁に開催していると、毎日を楽しく過ごすことができます。レクリエーションのスタッフ運営の様子やプログラムの内容も施設で暮らす入居者にとっての大きな楽しみを作り出します。

・共同生活に溶け込めるか
施設では入居者の皆さんとの共同生活が始まります。個室があっても食事やレクリエーションなどは、みんなの中に入って行うことになるため、「入居者の雰囲気によって溶け込みやすいかどうか」へ影響を与えることが少なくありません。また、共同生活に本人が溶け込めるようスタッフがどういったフォローをしてくれるのかも確認しておきたいポイントです。

施設見学の注意点

入居前から「最期」を意識しておく

施設を見学する場合、本人の状態や将来を見据えたうえで「最期」まで対応してもらえるのか確認しておくべきです。高齢になるに連れて病状の悪化や改善が見込めない状態になるリスクが増えていきます。本人の入居後に健康状態が悪化した場合でも、しっかり介護や医療ケアを受けるには確認が必要です。

一般的にあまり良いイメージを持たれない認知症ケアや医療ケアが充実している施設のほうが「最期」まで安心してフォローしてくれる可能性は高まるでしょう。逆に、健康な入居者の比率が多い施設では専門的な医療ケアまで対応していないところも少なくありません。慣れ親しんだ施設で「最期」を迎えるためには「看取り介護」について考えておく必要があります。

●看取り介護とは?
「看取り介護」とは、ここ10年、老人福祉の世界でよく聞かれるようになった用語で病状の改善が見込めず、余命深刻や死がそれほど遠くないと考えられる人に「家族や施設のスタッフがみんなでサポートして見送ろう」という新しいかたちのケア方法です。病院に入院するのではなく、長らく生活してきた老人ホームや介護施設に入居したままで身体的ケアや心のサポートをしながら、尊厳ある人生の最期を迎えるためのお手伝いをします。

これまで、高齢者の病状が悪化し終末期を迎えた場合、延命治療を前提とした入院中に最期を迎える人が増えていました。ただ、人工呼吸器や胃ろうをしてまで生命を維持することについては賛否両論があるでしょう。そのため、病院ではなく老人ホームや介護施設で安らかに死を迎えるため「看取り介護」を選ぶ人が少しずつ増えてきています。

●看取り介護とターミナルケアの違い
終末期のケアについては以前から医療現場では「ターミナルケア=終末期医療」が行われてきました。ターミナルケアは点滴や酸素吸入など医療的ケアをベースにしている一方、看取り介護は老人ホームや介護施設で行うことができる食事や排せつの介助、褥瘡(床ずれ)の予防処置といった生活面でのケアが基本です。

自立できる人は介護が必要になった場合の方向性を考えておく

今のところ自立した生活が送れる場合は、今後介護が必要になったときのことを考えて施設選びをすることが大切です。入居後に介護が必要になった場合、「今の施設で介護の対応が可能かどうか」について確認しておく必要があります。もし本格的な介護となったら別の施設に移るといった選択肢も必要です。

自立している人や介護予防が必要とされる要支援の人は、入所できる施設に条件があります。介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は施設によって入所条件がそれぞれに異なりますので将来を見越して検討しておかなければなりません。なぜなら、たとえば要支援であっても認知症高齢者ならグループホームを選べる場合もあるからです。

医療的ケアを受けながらの介護が必要となった場合は、介護老人保健施設や介護療養型医療施設に移らなければ対応できないことが多いため事前に調べておきましょう。

見学は人が動く時間帯がおすすめ

実際に現地を見学するなら、時間帯を選んで訪問しましょう。「入居者やスタッフが少ないほうがゆっくり見学できる」と感じて、午前の遅い時間や午後の時間帯に訪れると、人が少なく静かな印象を抱きがちです。実際は、朝や夕方から夜間にかけてにぎやかで活気のある施設であっても、時間帯によって人の動きが出やすい可能性があります。

老人ホームや介護施設によって、人の動きの生まれる時間帯は異なります。平日の午前中は通院する入居者が多ければ、その時間帯に見学すると人がいない印象を受けるかもしれません。また、平日と週末のように曜日によっても雰囲気は違いが生まれます。見学する前に、あらかじめ施設の相談員に所内がにぎやかな時間帯を聞いて参考にしてみることがおすすめです。

介護期間から無理のない費用の施設を選ぶ

老人ホームや介護施設を選ぶとき、判断を大きく左右するのが費用です。施設の種類や規模、運営方針によっても必要になる費用は大きく差が出ます。老人ホームといえば公的施設で人気の高い特別養護老人ホームがよく挙げられますが、「費用がほかの施設に比べると安いものの待機者がたくさんいて入所が難しい」といったデメリットもあります。

一番大切なのは、本人と家族の経済状況を冷静に把握して、長期にわたって出費が見込まれる介護費用を支払い続けられる施設を選ぶことです。高齢者向けの施設に入居する費用には、入居一時金などの初期費用と、施設への月額利用料があります。それ以外にも食費、介護保険や健康保険の保険料や自己負担額、施設の費用には含まれない雑費やお小遣いなど実費負担の金額があるため注意しましょう。

こうした費用は介護保険の要介護度が重くなったり、必要となる介護サービスや医療的ケアが増えたりするほど大きくなりますので、将来を見据えた費用負担の計画が大切です。また、介護は本人が「最期」を迎えるまで続きます。介護費用は寿命によってトータルの金額が決まるわけですが、本人の一生を経済的にサポートする心構えが必要となります。参考までに2018年に発表された生命保険文化センターのデータによると、介護の平均期間は約4年7ヶ月 です。もちろん、入所時の本人の年齢や性別による平均寿命、健康寿命の違いなどさまざまな要素から施設の利用期間を見積もっておかなければならないでしょう。

気になる点は何でも質問してみる

ここまでご紹介したチェックポイントはあくまで一般的にイメージされる注意点や最低限知っておきたい知識に基づいたものです。本人の状態や性格、家族の事情などによってこれ以外にも確認しておいたほうがよいことや事前に施設に相談しておくべきことなどが出てくるはずです。パンフレットや資料、現地見学を通してさまざまな疑問点や不明点が出てきたら、その場でも後日でもかまいませんので、必ず施設の担当者に質問して、すべてクリアにしておきましょう。

本人が大切な時間をよりよく過ごしたり、家族としてできる限りのサポートをしたりするためにも、多少踏み込んだ質問をすることは心がけておきましょう。なぜなら、そのぐらいの意気込みがなければ「本当にその施設が合っているのかどうか」について確かめられないかもしれないからです。一度入居すると、施設とのお付き合いは長期にわたります。施設側に気負いすることなく、事前の相談や確認をしていきましょう。

まとめ

今回は老人ホームや介護施設、養護施設といった高齢者が介護サポートを受けながら日々を送る施設の選び方についてご紹介してきました。

・施設を選ぶときは「希望条件の整理」「施設の情報収集」「パンフレットの請求・比較」「見学・体験入居」の4つのステップに沿って行う
・パンフレットは施設の全体像をつかむことができる基礎資料のため、チェックポイントを一つずつ確認していく
・重要事項説明書を必ずチェックする
・現地見学や体験入居では立地や施設内の設備や雰囲気、生活支援やスタッフの体制、医療的ケアの対応、食事や運営法人の概要、そして入居者の雰囲気をチェックする
・施設見学の場合は見学する時間帯を選ぶこと、「看取り介護」や費用面など、将来を見据えたポイントをまとめてチェックする

「本人が穏やかに暮らせること」「家族がサポートしやすいこと」は非常に重要なポイントです。老人ホームや介護施設、養護施設を選ぶときは、ぜひ「本人が充実した人生を送るには何がベストなのか」を念頭に置きながら検討してみてください。


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