三大認知症を知っていますか?早期発見の重要性! | 介護タウン24


三大認知症を知っていますか?早期発見の重要性!

自分の親が高齢になってくると、「もしかして認知症かもしれない」「いつか認知症になるかもしれない」と不安になることがあります。いざというときに備えて、「もし認知症になったらどのような症状が出てくるのか」を知りたい人もいるでしょう。この記事では、アルツハイマー型など三大認知症に代表される認知症の種類を紹介しつつ、認知症の症状、認知症の人が入居する介護施設などについて解説します。認知症は早期発見と早期対策が大切です。詳しくみていきましょう。

認知症とは

認知症ともの忘れの違い

認知症や、もの忘れなどは高齢者によくみられますが、認知症は病気であり、もの忘れは加齢などに伴い誰でも起こり得るものという違いがあります。もの忘れの原因は老化であり、自分でしたことや、やるべきことの一部を忘れてしまいがちです。自分が忘れっぽいという自覚があるため、忘れていることを指摘されたり、ヒントになる方法があったりすると自分で思い出せることがあります。忘れっぽい状態は悪化することなく、生活に支障も出ません。

一方、病気である認知症の場合は、自分で体験したことのすべてを忘れてしまいます。もの忘れをしていること自体を覚えていないため、周囲からヒントを与えられても思い出すことができません。徐々に基本的な判断力自体も低下するため、最終的には自立した生活が難しくなります。

三大認知症とは

高齢者の認知症では、アルツハイマー型認知症が67.4%と最も多くその他血管性認知症が18.9%、レビー小体型認知症4.6%と続きます。これらの3つの認知症が三大認知症と呼ばれ、認知症の90%以上を占めます。これらの認知症は脳の神経細胞に異常が起こることで発生する病気であり、一度認知症になると徐々に進行していくため、治ることはありません。

一方、脳自体は正常で脳の周辺に異常が起きたことで発症した認知症の場合は治る場合があります。具体的には、病気や外傷などで脳の中に流れ込んだ脳脊髄液や血液、腫瘍などが脳を圧迫していることが原因で起きた認知症が挙げられます。また、甲状腺の機能低下時、栄養障害、薬物摂取による異常時、アルコール過剰摂取の場合にも認知症になることがあるのです。

三大認知症の違いとは

アルツハイマー型認知症 血管性認知症 レビー小体型認知症
脳の変化 異常な性質を持つベータたんぱく質、タウたんぱく質が脳に集まることで神経細胞が死滅し、徐々に脳が委縮する 脳の血管が詰まる「脳梗塞」や血管が破れる「脳出血」の影響で、脳の血液循環が悪くなり脳の一部が壊死する 脳にレビー小体という異常なたんぱく質が多く集まることで神経細胞が死滅する
画像でわかる脳の変化 海馬を中心として脳全体が萎縮 部分的に脳が壊死 明確な脳の萎縮がない場合が多い
初期の症状 もの忘れ
日常生活でできたことが徐々にできなくなる
記憶障害
時間や場所がわからなくなる
もの盗られ妄想
徘徊
※症状は年単位でゆるやかに進行
ある動作だけができなくなる
手足の麻痺
※脳梗塞や脳出血の進行に伴い階段的に症状が進む
幻視
睡眠時の異常行動
※時間や日により変動がありつつ徐々に悪化
男女比 女性に多い 男性に多い 男性がやや多い
特徴的な症状 認知機能障害(もの忘れなど)
もの盗られ妄想
とりつくろい
徘徊
認知機能障害(まだら認知症)
手足のしびれ・麻痺
感情がうまくコントロールできない
認知機能障害(注意力・視覚など)
認知の変動
幻視
妄想
うつ状態
パーキンソン症状
睡眠時の異常行動
自律神経症状

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症の原因は、脳に異常なたんぱく質がたまり、脳細胞が傷つけられたり神経伝達物質が減ったりするためと考えられています。異常なたんぱく質により、記憶をつかさどる海馬などを中心に脳全体がゆるやかに萎縮していくのです。アルツハイマー型認知症の症状は初期、中期、後期に大きくわかれます。

一般的に5~10年ほどかけて進行するといわれますが、治療や体質などによる個人差が大きい傾向です。初期の場合は、約束した内容など部分的なものではありません。約束したこと自体を忘れてしまうような「もの忘れ」、日時や季節などがわからなくなる「見当識障害」、今までできていた生活の基本動作ができなくなる「実行機能障害」などがみられます。

中期は見当識障害の段階が進み、「自分の家に帰れない」「トイレの場所がわからない」など、なじみの場所にもうまく行けなるのが特徴です。また、生活の基本動作である着替えや電気のつけ方、排泄の仕方などがわからなくなる「失行」がみられます。話す能力も低下していることが多く、つらい気持ちを本人が伝えられず落ち込んだり暴言を吐いたりなど2次的な障害も起こりやすいです。

後期になると、話す力や口から食べる力、排泄など日常で必要な基本的な能力が衰え始め、さまざまな部分で介護が必要になります。また、体の能力が衰えるため、転倒や拘縮予防にも努めなければなりません。飲み込む力が弱るため誤嚥性肺炎なども起こりやすいです。

アルツハイマー型認知症の治療方法・治療薬

薬物治療では中核機能の改善と認知症の進行を遅らせる目的の薬と、問題行動である周辺症状を抑える薬が処方されます。また、薬を使わない治療としてリハビリや昔のことを思い出すことのほか、家族や友人と楽しいコミュニケーションをとることや趣味活動なども有効です。

アルツハイマー型認知症の治療薬として代表的なものは4つあります。「アリセプト」「レミニール」「リバスタッチ(張り薬)」は、「やる気が出ない」「もの覚えが悪い」「生活動作ができなくなった」などの場合に処方される傾向です。また、「メマリー」は、幻視や妄想、怒りっぽいなどの症状に効果がある場合に処方されます。さらに、中核症状や周辺症状に合わせて睡眠薬や精神安定剤、漢方の抑肝散(よくかんさん)などが処方される場合もあります。

アルツハイマー型認知症を早期発見する方法

アルツハイマー型認知症はその前段階として軽度の認知障害が起こります。この時点では、日常の生活動作は正常で認知症ではありません。アルツハイマーを早期発見するチェックポイントは以下などがあります。

・周りの物事への興味や意欲が低下する
・好きだったことを突然辞めてしまう
・外出を避ける
・外出時に服装に気を使わなくなる
・最近起こったニュースの内容が思い出せない
・旅行に行ったことは覚えていても「誰と」「いつ」行ったかなどが思い出せない
・物事を順序立てて行うのが苦手になり2つ以上のことが同時にできない
・凝った料理が作れない
・鍋を焦がす・水を出しっぱなしにしていることがある
・仕事中のミスが増え何度も同じことを質問する

アルツハイマー型認知症の予防法や対策

アルツハイマー型認知症の予防方法には、以下のようなものが挙げられます。

・食事:野菜や果物、魚などを取り入れバランスよく食べる
・運動:ウオーキング、ジョギング、水泳、体操など週3日以上の有酸素運動をする
・コミュニケーション:積極的に人と関わる
・脳の刺激:文章を書く・読む、ゲーム、趣味の活動をする
・睡眠習慣:30分未満の昼寝、起床後2時間以内に太陽の光を浴びる

また、認知症への対策は本人の自尊心を傷つけないように努めつつ、できることをサポートする姿勢が大切です。

・同じものを何回も買ってくる→買い物メモを持たせたり、多すぎるものはこっそり処分したりするなど
・財布がないと騒ぐ→分かりやすい場所に財布を置いておき、本人に見つけさせるなど
・コンロの火がつけっぱなし→見守りを増やし消したり、IHや過熱防止機能付きコンロに変更したりするなど
・食べたことを忘れる→楽しみながら食べたり、盛り付けや食材を工夫したりして印象に残りやすくするなど

脳血管性認知症

脳血管性認知症とは

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などで脳細胞が死滅することが主な原因です。特に脳にある動脈の色々な部分が詰まるラクナ梗塞がたくさん起こっていると発症しやすい傾向があります。脳血管性認知症の症状は、「歩けない」「排尿できない」「麻痺」「食べ物が飲みこめない」「発音できない」など。脳のどの部分に損傷を受けているかにより程度や症状が異なります。認知がまだらになる傾向があり、時間や日による変動も大きいです。

・記憶障害:アルツハイマー型認知症に比べれば比較的軽度で、判断力などは低下しないことが多い
・意欲、自発性の低下
・麻痺:歩行障害、手足がしびれる、ろれつが回らない、手足のしびれやふるえなどのパーキンソン症状、転びやすいなど
・抑うつ
・感情失禁:喜怒哀楽が激しくなり、ちょっとした刺激で泣く、笑う、怒るなどの感情を表出する
・焦燥感
・夜間せん妄:せん妄とは混乱しパニック状態に陥ることで、幻聴、幻視、妄想、見当識などの症状を伴います。脳血管性認知症の場合、夜間に起こりやすい傾向があります。

脳血管性認知症の治療方法・治療薬

死滅した細胞そのものを再生させるのは難しいですが、脳は失われた箇所の周辺でもともとの判断を代わって行うことが知られています。そこで、症状が出ている箇所にあわせて積極的にリハビリを行います。手足に麻痺がある場合には理学療法士による拘縮予防や機能改善を目的としたリハビリ、言葉を発するのが難しい場合には、言語聴覚士によるリハビリが行うのが一般的です。

また、脳血管性認知症は高血圧、糖尿病、心疾患などがあり血管に負担がかかると起こりやすいため、血圧や血糖などをコントロールする治療として、高血圧薬や脳血流改善薬などが処方される場合があります。また、脳血管性認知症の初期で抗うつや落ち込みが激しい場合は、抗うつ剤が処方されることもあります。

脳血管性認知症を早期発見する方法

脳血管性認知症は、その日によって症状が異なり、認知症であると気づきにくいのが特徴です。また、原因には脳梗塞や脳腫瘍などがあるため、最初のうちは脳血管障害そのものに気をとられてしまいます。しかし、症状が落ち着いてくると、もの忘れなどが見られ始めます。アルツハイマー型認知症に比べると以下のような症状が早く出始める傾向があり、本人も症状が出ていることを自覚している傾向です。

・失行
歩いたり手を動かしたりなど体の動かし方はわかるのに、ボタンを留めたり、ズボンを履いたりするなど生活の動作のやり方がわからなくなる

・失認
視力や聴力などは正常なのにもかかわらず、コップがあっても飲み物を入れるものだとわからない、見えていてもある半分が認識できず食事を残してしまうなど

・失語
聞こえているのに相手の話がわからない、うまく話せない、ろれつが回らない

脳血管性認知症の予防法や対策

脳血管性認知症は、その日によって症状が異なり、認知症であると気づきにくいのが特徴です。また、原因には脳梗塞や脳腫瘍などがあるため、最初のうちは脳血管障害そのものに気をとられてしまいます。しかし、症状が落ち着いてくると、もの忘れなどが見られ始めます。アルツハイマー型認知症に比べると以下のような症状が早く出始める傾向があり、本人も症状が出ていることを自覚している傾向です。

・失行
歩いたり手を動かしたりなど体の動かし方はわかるのに、ボタンを留めたり、ズボンを履いたりするなど生活の動作のやり方がわからなくなる

・失認
視力や聴力などは正常なのにもかかわらず、コップがあっても飲み物を入れるものだとわからない、見えていてもある半分が認識できず食事を残してしまうなど

・失語
聞こえているのに相手の話がわからない、うまく話せない、ろれつが回らない

脳血管性認知症の予防法や対策

脳血管性認知症を予防するには、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害の発生、再発予防が重要です。脳血管障害は生活習慣病と大きく関連があり、高血圧、糖尿病、心房細動(不整脈)、高コレステロール血症などを改善することが予防につながります。適度な運動に心がけ、バランスの良い食事と睡眠時間確保に努めましょう。また、たばこやアルコールもできるだけ控えます。

なお、一度脳血管障害を起こすと再発しやすいという特徴があります。定期的に脳ドッグなどの健康診断を受けCTやMRI画像診断などを活用して異常を発見するように努めましょう。また、もの忘れや体の違和感など異常がある場合には、気のせいだと思い込まず早期に専門医に受診することが大切です。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは

レビー小体とは、脳の神経細胞にできる異常なたんぱく質の集まりです。レビー小体型認知症の原因は、大脳皮質にレビー小体がたくさん集まり情報の伝達に異常が起きることです。脳幹にレビー小体が集まるとパーキンソン病になるため、パーキンソン病とレビー小体型認知症とは、症状や治療法が似ている部分があります。ほかの認知症と同様に記憶障害や時間や季節、場所などがよくわからなくなる見当識障害も起こりますが、以下の症状が特徴的です。

・パーキンソン症状
手足のふるえ、動きが遅くなる、筋肉が固くなり動かない、無表情、前かがみなど姿勢が悪くなるなど

・幻視
知らない人や子供がいる、虫がはい登ってくるなど、そこにないものがリアルに見える

・レム睡眠行動障害
寝ている途中に怒る、暴れる、暴言を吐くなどの異常行動をとります。眠っているため本人に自覚はありません

・自律神経症状
便秘、起立性低血圧、失禁、不安、うつ

・認知機能や意識レベルの極端な変動

・薬剤の過敏性

レビー小体型認知症の治療方法・治療薬

レビー小体型認知症の治療のうちパーキンソン症状が強く出ている場合には、リハビリが有効です。運動機能の低下や体の拘縮を防ぐため、理学療法士などの支援のもと散歩やマッサージなど簡単な運動が行われます。また、治療薬は個人の症状に合わせて処方されます。認知症症状にはリバスタッチやイクセロンパッチなどの抗認知症薬が有効です。

アルツハイマー型認知症に比べると薬の影響を過敏に受けるため、薬は少な目に処方される場合が多いです。また、レビー小体型認知症の場合さまざまな精神症状があるため精神疾患の一つである統合失調症などと共通する薬が処方されます。特に幻覚や妄想がひどい場合には、鎮静効果のあるメマリー、パーキンソン症状が強い場合はドーパミンの分泌を促す薬なども処方されます。

レビー小体型認知症を早期発見する方法

レビー小体型認知症は認知機能の低下などではなく幻覚やパーキンソン症状で気づかれることが多いです。しかし、体調の変動が激しいため、最初のうちは疲れがたまっているのかと見過ごされてしまいがち。また、レム睡眠障害は睡眠中の異常行動のため、自覚症状にとぼしく家族が夜起きたり怖がったりすることで認識されます。初期の段階では以下のような症状がみられます。

・何かが見えたと言ったところ周囲にそんなものはないと言われる
・妄想がある
・頭がはっきりしているときと、ぼーっとしているときの差が激しい
・以前より素早く動けなくなった
・筋肉がこわばった感じがする
・歩幅が狭くなった
・急に怒り出すなど寝ているときに異常な行動をとる
・物忘れが気になる
・うつの症状がある
・転倒や失神などを繰り返している

レビー小体型認知症の予防法や対策

レビー小体型認知症の明確な治療法は確立しておらず、パーキンソン症状は快楽を感じる神経伝達物質であるドーパミンの分泌で緩和ができます。そのため、新しいことに挑戦して意欲や向上心を高めたり、絵画などをみて感動したりとよいストレスを感じることが有効です。身だしなみを整えたり、外出して新しい道を見つけたりするだけでも構いません。また、親しい人達とコミュニケーションをとりながら楽しい時間を過ごすのもおすすめです。

レビー小体型認知症アルツハイもアルツハイマー型認知症と同様にバランスのよい食生活に努め、有酸素運動を適度に取り入れるのもおすすめです。たばこやアルコールを控えることも重要です。また、昼夜逆転の生活をするのではなく、起きた際に朝日が浴びられるように生活リズムを整えましょう。

認知症で出る症状とは

中核症状と行動・心理症状(BPSD)にわけられる

病名として認知症というひとくくりにされていても、どんな症状が出るかは個人によって大きく異なります。そこで、認知症の症状は2つに分けて扱っています。1つ目は、記憶障害のようにどの認知症患者にも特徴的にあらわれていて診断に使われる中核症状。2つ目は、認知症に関連して起こる症状ではあるものの人によって出たり出なかったりする症状である行動・心理症状(別名:周辺症状、BPSD)です。周辺症状は個人の性格や生活環境などが影響するともいわれますが、具体的にどのような関連性があるかは明確になっていません。

中核症状

認知症の中核症状としてあらわれる症状は主に以下の5つです。

■記憶障害
認知症の記憶障害は単なる物忘れと異なり、忘れたことすらも覚えていないという状態です。初期の段階では昨日の食事など新しく体験した物事を覚えたり思い出したりするのが難しくなります。症状が進んでいくと昔の記憶も思い出せなくなります。

■失認・失行・失語
・失認
視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚機能は問題ないのに、見えていない、味がわからないなどと感じられます

・失行
失認と同じく身体機能自体には問題ないのに、「服の着方がわからない」「箸の持ち方がわからない」など、今まで行っていた基本動作ができなくなります

・失語
相手の言葉が理解できない状態や言葉が出にくい、意味のある言葉が話せないという状態になります。

■理解・判断力障害
はい、いいえで答えられる質問であれば対応できるものの、展開が早い会話や「肉と魚どちらが食べたいですか?」といった抽象的な質問を理解できなくなります。また善悪や安全かどうかの判断が衰えると、幹線道路を横断したりお店の商品を持ち帰ってしまったりすることがあります。

■見当識障害
時間や季節、場所人の顔などがわからなくなってしまうことです。ひどくなると自宅に帰れなくなったりトイレの場所が分からなったりします。

■実行機能障害
物事を順序立てて行う能力が失われることです。買い物に出かけて時間までに料理を作る、着替えを準備して体や頭を洗い湯船に入り外に出て体を拭く、などのステップが踏めなくなります。

行動・心理症状(BPSD)

認知症の行動・心理症状としてあらわれる症状のうち、主なものを紹介します。

■行動症状
・徘徊
見当識や記憶障害ストレスなどにより絶えず歩き回ります。介護者が側にいなければ転倒や交通事故行方不明の原因になります。

・失禁・便いじり
見当識などが進みトイレの行き方がわからなくなることで失禁が起こります。介護用オムツをつけていると排泄時の不快感や排泄物と認識できないなどの理由から便をいじることがあります。

・帰宅願望
落ち着かない環境にいたり、見当識の症状があった悪化したりすると、ここが自分の家ではないと感じ家に帰りたがり実際に家から出て行ってしまうこともあります。

・介護拒否
認知機能が低下したり、本人の自尊心が傷つけられたりなどして介護を拒否することがあります。

■心理症状
・せん妄
体調不良や薬の影響環境の変化などで意識障害が起こりパニックを起こすのがせん妄です。時間や場所がわからない幻覚をみる興奮するなどの症状があり、人格が変わったように感じられることもあります。

・幻覚
見えないものが見える幻視や、何かが聞こえる幻聴のほか、幻味・幻臭・体感幻覚などがあります。レビー小体型認知症では幻視、アルツハイマー型認知症では幻聴が比較的多くみられます。

・不安・抗うつ
認知症の初期に多いです。認知症になりさまざまな心肺機能が落ちてくると日常でできないことが増え、落ち込みます。特に記憶障害になる割合の低いレビー小体型認知症で多くみられます。
・睡眠障害:体内時計に異常を及ぼすため不眠や昼夜逆転が起こることがあります。

認知症で介護施設に入居すること

家族が施設への入居を考えるタイミング

介護の悩みになりやすいのは行動・心理症状のことが多いです。特に夜に介護しなければならない家族が起きだしてせん妄や徘徊などを起こすと、1日中介護をしなければならなくなり、心身ともに負担が大きくなってしまいます。介護する側がつらくて生きるのがつらくなってしまったり、介護する家族を抱きかかえたことで腰などを痛めてしまったりすると十分に介護ができません。

また、仕事を持っている場合は介護しなければならない人が家にいると、仕事を続けられなくなることもあります。このように自宅での介護が不安になってきたり仕事や家庭での生活に影響を及ぼしたりしている場合には施設の入所を考えても良いでしょう。

介護施設に入居するためには要介護認定が必要です。認定を受けることで利用できるサービスが異なります。市区町村の窓口や地域包括支援センターなどで介護認定が申し込めます。要介護認定の取得が即施設入居になるわけではありません。介護する家族の負担を軽くするためにも早い段階で問い合わせてみましょう。

認知症の方の受け入れ可能な介護施設

認知症の高齢者が入居できる民間の施設には介護付き有料老人ホーム、住居型有料老人ホーム、グループホームなどさまざまです。また、公共の施設は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設があります。それぞれの施設は、受け入れられる介護度や入居待ちの期間、終末期の看取りができるかなどの違いがあります。

認知症の症状が軽度であれば、基本的には自立した人向けの民間施設であるサービス付き高齢者住宅、高齢者専用賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅、シニア向け分譲マンション、公営施設では軽費老人ホーム、ケアハウスなども入居可能です。

介護施設で受けられるケア

介護施設では認知症高齢者などの住まいとして、以下のようなケアを行っています。

■「認知症専門フロア」を設けるなど専門的なケアが受けられる
住宅型有料老人ホームや住宅型有料老人ホームでは自立した人も入居する住まいのため、「認知症専門フロア」を設けるなどして、入居者の状況にあったケアができるように配慮されています。また、特別養護老人ホームは中~重度の要介護高齢者が生活する住まいであり、身体介護や生活支援を受けて生活をするのが一般的です。さらに、介護老人保健施設や介護療養型医療施設は医療的なケアができる特徴があります。

■徘徊などへの対策
特に徘徊など行動・心理症状が強くみられる場合には、「施錠されて内側からは開けられない」「外出時は職員が付き添う」などの対応がとられています。

■集団生活がスムーズに進むように補助・見守り
転倒防止や、食事、排泄がスムーズにできるように生活の場とその他の場所がワンフロアで生活できることを基本としています。廊下には手すりを設け、車いすでも安心して生活が可能です。入浴や排泄、食事は職員が見守り事故や誤嚥の防止対策がとられています。

■介護者の負担が減る
自宅で介護をしている場合は、家族の負担が大きくなりがちです。施設に入居している間は自分の生活ができるという大きなメリットがあります。

まとめ

認知症は記憶障害や見当識などの症状がみられる病気です。アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症などの種類があり、それぞれに症状や治療法が異なります。認知症は一度発症すると完治しないため、予防に努めることが大切です。また、もし認知症が発症した場合には、今できる生活機能を長く維持するために、できるだけ早く治療を始めることが大切でしょう。

認知症には中核症状と行動・心理症状があり介護者の負担になりがちなのは行動・心理症状です。要介護認定を取得するとさまざまな介護サービスが受けられます。介護施設は認知症の高齢者が安心して過ごせるように配慮されている生活の場です。自宅での介護が負担になっている場合には介護施設に入居することも検討しましょう。


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