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現役介護福祉士から見たケアプランの重要性

居宅介護をしている人からすれば、ケアプランは介護保険サービスを受けるために必要な書類というイメージが強いかと思いますが、老人ホームなどの施設介護ではどのようなポジションの書類なのでしょうか。今回は現役で介護福祉士の小泉さんに老人ホーム内でケアプランはどのような使われ方をしているのかインタビューをしてみました。話を聞けば聞くほど、ケアプランは施設介護で重要な働きをする書類なので、既にご家族が老人ホームに入居している方やこれから家族が老人ホームに入居する方も今一度、ケアプランの重要性について見直してみましょう。

01.ケアプランは被介護者の状態を即座に知る重要なもの

ーー実際の老人ホームでは、ケアプランはどのようや役割があるものなのでしょうか?

小泉さん: 老人ホームに入所する場合、被介護者のさまざまな情報が必要になります。被介護者の家族構成や心身の状態、介護サービスの利用状況等です。その情報を元に被介護者や被介護者のご家族の希望を取り入れ、介護職員、看護師、相談員などと話し合いをして決定したものがケアプランです。
現場での介護は、全てケアプランに基づいており、例えば、日常生活における「移動」「食事」「排泄」などに必要な支援内容も記載しているので、常にケアプランの内容に基づいた介護を行なっています。また、医療関係者などが関わる場合もありますので、医療関係者がケアプランを見て、被介護者の状態や目的を即座に知ることも可能です。

ーー介護現場ではケアプランをどのように活用しているのでしょうか?

小泉さん: 介護の目的として、『自立支援』と『生活援助』の2種類があります。自立支援は、日常生活で介護の必要がない状態にするための介護であり、生活援助は、毎日の生活を安心して送るための支援です。
例えば、“移動”にフォーカスを当てた場合、杖歩行や手押し車歩行、車椅子での自走または車椅子介助などがあります。日常生活で自立状態に戻すことを考えた場合、できるだけ自分の足で歩くことが望ましいのですが、そこに転倒して骨折するリスクが発生します。この場合、一人で杖歩行や手押し車で移動する際には、常に被介護者のそばに介護者が付き添い、見守る必要があります。介護現場では、移動だけ見た場合でも要介護者に合わせて職員の配置数が変わってしまうのです。

そこで登場するのがケアプラン。手押し車歩行者のケースを取り上げると、ケアプランに「見守りが必要」「見守りは必要ない」のどちらかが記載されます。「見守りが必要」と記載していれば、その被介護者に対して見守りが必要なので、移動の際は職員の付き添いが必要ですが、「見守りは必要ない」と記載していれば、職員の付き添いの必要はありません。

今回は、“移動”にフォーカスを当てて説明をしましたが、他にも「食事」や「排泄」などのケースもあるので、職員はケアプランの指示に従って、各個人に最適化された介護を提供しています。

ーー現役の介護福祉士の視点から“ケアプラン”はどのくらい重要性が高いものでしょうか?

小泉さん: 例えば、老人ホームにケアプランがなかった場合を想像してみてください。老人ホームでは、複数人の介護者がいて、介護者一人ひとりの考えで介護をおこなってしまいます。介護者にとって見れば、その介護の手法が自身で行う最善の介護かもしれませんが、被介護者からしてみれば、介護者が変わるたびに違う介護が行われるので戸惑ってしまいます。
そこで、被介護者が複数の介護者から同じ介護を受けるために必要なのがケアプランなのです。ケアプランは、関係する多くの人達から集めた情報を検討して決定したものなので、最善な介護プランと言えるでしょう。

ーーケアプランに被介護者、被介護者のご家族の希望は盛り込まれるのでしょうか?

小泉さん: ケアプランには、被介護者や被介護者のご家族の希望も盛り込まれています。例えば「入所前に月に一度お寿司を食べに行っていたので、入所後も月に一度お寿司を食べたい」という被介護者のケアプランには、「月に一度お寿司屋さんへ行く」という項目がありますし、ご家族の希望で「月に一度は自宅へ帰ってきてほしい」という希望があれば、ケアプランに「月に一度は自宅で泊まる」というプランが盛り込まれる場合があります。もちろん、希望の内容や老人ホームの職員数などにより不可能な場合もありますが、関係者の話し合いによって希望の対応は決定されます。

ケアプランは被介護者の状態を即座に知る重要なもの

02.ケアプランの役割で親族が注意しておきたいポイント

ーーケアプランを作成についてですが、どのような流れで行われるのでしょうか?

小泉さん: ケアプランを作成する際に、一番重要なのは被介護者の心や体の状態です。自立歩行可能者か?車椅子使用者か?食事形態は普通食なのか?刻み食なのか?ミキサー食なのか?オムツ使用者か?普通のパンツ使用者か?尿意はあるのか?便意はあるのか?入れ歯使用者か?自歯か?めがね使用者か?食べ物に好き嫌いはあるのか?趣味は?性格は?これまでの職歴は?家族構成は?新聞は読むのか?そして今後どのように暮らしていきたいと思っているのか?まだまだ細かなことは山ほどありますが、情報は多いほど良いです。

入所前の被介護者の場合には、それらが全くわかりません。ですから担当者が入所前に必ず、自宅あるいはデイサービス、またはショートステイなどへ出向いてそれらを調査することから始まります。自宅ならば同居者、デイサービスやショートステイなら、そこの担当職員から話を聞きます。しかし、一人住まいだったり、たまに家族が来ていたり……という場合などには、それらが全くわからないこともあります。被介護者と一番長く生活をしている関係者が一番重要になります。
介護抵抗があったり入浴拒否があったりという内容も、それらの関係者から聞き取ります。

しかし、いくら被介護者の状態を確認しても、それらが全く違っていた……ということもあります。一緒に住んでいたといっても、実際の被介護者の状態を把握していないご家族が、これまでに結構いるからです。「失禁することはありません」と被介護者のご家族が言っていたのに、実際には失禁が多くある介護者もいました。

ですから入所時には、多くの情報からまず暫定的なケアプランを策定し、入所後に、実際の被介護者の生活を担当介護職員らが確認して、新しいケアプランを作成します。

ーー施設側でケアプランを作成する際、担当者会議が行われるかと思いますが、どのような流れで作成が行われるのでしょうか?

小泉さん: 担当者会議は、ケアマネージャーが被介護者や被介護者のご家族、介護職員、看護師、生活相談者らと連携を取りながら作成します。全ての関係者と連絡を取り日程の調整をして、都合のよい日に施設へ集まり会議を開きます。会議内容としては、起床時から移動、食事や排泄、入浴や娯楽などの全てについて話し合いを行います。

被介護者本人も参加できると良いのでしょうが、実際には本人の参加はほとんどありません。被介護者のご家族だけです。

ーー担当者会議では、親族(子供世代)は具体的に何を伝えればよいのでしょうか?

小泉さん: 入所生活において被介護者本人の希望もあるとは思いますが、実際には本人にはそれを伝えられる状態にないことが多く、担当者会議では親族(子供世代)が会議に出席をして話し合いを行います。

「人生最後の生活になるかもしれない入所生活においてどのような生活をしたいか(させてやりたいか)?」を、施設側に伝えることだと思います。

例えば趣味で、これまで長いあいだ俳句を作ってきた被介護者であれば「それを続けることができるような生活を送らせてほしい」ということを伝えることが重要です。車椅子使用者であっても、月に1~2度外出をして、さまざまな情景を見聞きして、俳句作りを続けることが可能になります。「俳句作りのために月に1度は外出をする」という項目が、ケアプランに入ります。

TVが好きな人であれば、自室にTVを設置して自宅での生活のように過ごすことを希望すればそれが可能になりますし、おしゃべりが好きな人であれば、生活の大半をリビングに出て他入居者と過ごすことを希望すればそれが可能になります。

ただこの場合に、他入居者との相性が問題になります。私たちの普段の生活と同じように、施設でも人間関係はさまざまです。入居者の中に気の合う人がいればよいのですが、そうでない場合にはなかなか上手くいきません。ただ担当者会議では、それらの希望を伝えることは重要です。

ーー時間の都合で、親族(子供)が担当者会議に出席できない場合などあるかと思いますが、現場ではどのような対応で進行するのでしょうか?

小泉さん: 担当者会議は、被介護者または被介護者のご家族の参加が基本です。しかし、被介護者が会議に参加されることが、都合の悪い内容である場合もあります。家庭内での暴力などがある場合がその一例です。被介護者や被介護者のご家族が参加されている中で、暴力をふるう家族(被介護者のご家族)と、その被害者である被介護者のお話をすることはできません。

また、何度も担当者会議の調整をしていたにもかかわらず、被介護者のご家族のやむを得ない理由が発生した場合には、それらの理由を会議の要点に記して、ご家族と緊密に情報の交換を行うことによって会議を開催したりします。

ーーケアプランを作成する上で、親族(子供)はどのようなポイントに注意すべきでしょうか?

小泉さん: 施設での生活は、被介護者の生活の全てです。ですから遠慮しないで、今後の生活の希望や困りごと、身体や精神上の気になること、または経済的なことなども、とにかく何でも話をしておくべきです(中にはどうしても話せないこともあるかもしれませんが)。

ケアプランの役割で親族が注意しておきたいポイント

03.親族はケアマネージャーとどのように付き合うべきか

ーー訪問介護時にケアマネージャーに対応をしてもらっていましたが、老人ホームに入居するとケアマネージャーは交代してしまうのでしょうか?もし、交代してしまった場合は、以前のケアマネージャーから引き継ぎなどありますでしょうか?

小泉さん: 入所した場合には、訪問介護時のケアマネージャーから施設のケアマネージャーに変更します。もちろん引き継ぎがあり、詳細を教えていただきます。施設に入所後は、施設のケアマネージャーが、被介護者のことを一番理解することができるからです。毎日の様子を自分で確認することができますし、自身も直接現場で介護に携わることになります。訪問のケアマネージャーのままですと、それができません。

ーー老人ホーム所属のケアマネージャーと合わない場合、ケアマネージャーを変更することはできるのでしょうか?

小泉さん: 変更することは可能です。介護施設に入所した場合にも、その施設にケアマネージャーが一人というのではなく、数人いる場合が多いと思います。また施設には必ず、その施設を統括している管理者がいます。ですから管理者に変更をお願いすることがベストだと思います。

ーーケアプランを作成するケアマネージャーはどのような方が理想でしょうか?

小泉さん: ケアマネージャーの仕事は、被介護者の心身や身体の状態の把握やニーズの整理、適切なケアプランの作成、現場職員との調整、ケアプランの目標に対する実績がどうであったかの評価です。今後の生活の希望や現在の困りごと、身体や精神上の気になること、または経済的なことなども、とにかく何でも話をすることができる信頼のおける方が理想だと思います。親身になって話を聞いてくれ、適切なアドバイスをしてくれることが重要です。

ーー老人ホームに入居しているにも関わらず、地域包括支援センターなどケアマネージャーを頼ることは可能でしょうか?

小泉さん: 地域包括支援センターには総合的な相談窓口があります。地域のケアマネージャーの支援を行うことも、その仕事の一つです。また主任ケアマネージャーという専門職も配置されていて、多くのケアマネージャーに指導や助言なども行ってくれます。困ったときには、ぜひ相談窓口を利用してください。

親族はケアマネージャーとどのように付き合うべきか


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