
在宅介護をするにはどれくらい費用がかかるのか?
投稿日 2019/03/22
最終更新日 2019/06/28
お金に余裕がないと、おじいちゃん、おばあちゃん、ご両親などを老人介護施設などへ入居させるのは困難です。独身で仕事と介護を両立させなければならない人にとって、老人介護施設へ入居させられないのは大きな負担となります。しかし、放っておくわけにもいきません。既婚者なら配偶者やお子さんなど、ご家族みんなで在宅介護という方法はあります。しかし、育児と介護などダブルケアの問題に頭を悩まされる可能性も無視できません。また、在宅介護を選択しても、お金はかかります。在宅介護ではどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。在宅介護を検討中の人は参考にしてみてください。
在宅介護に必要な費用とは
『生命保険文化センターの生命保険に関する全国実態調査平成27年』在宅介護の費用に関するデータがあります。調査の結果、在宅介護の一時的な費用平均は83.3万円です。月額費用の平均だと、約4.4万円ということが分かりました。なぜ83.3万円もかかるのか不思議に感じる人もいるかもしれません。例えば、介護に適応した家なら問題はないです。しかし、介護を全く想定していない家なら不便でリフォームが必要となります。介護用ベッドや車いす、介護用品も用意しなければなりません。介護ができるよう家をリフォームする場合、介護保険から一定金額は給付されます。しかし、リフォームですからまとまった金額が必要なことは覚悟したほうがよいでしょう。一時的にかかる費用以外に、月額費用も考えなければなりません。訪問介護やヘルパー、デイサービスなどを利用する費用も必要です。公的な介護施設だと毎月の利用料金は、合計で5万円~15万円程度はかかります。
時は金なり。時間のことも考えよう
在宅介護にしてよいか悩んだら、自分以外に介護を協力してくれる家族がいるかどうかを考えてください。兄弟姉妹、親戚が遠方で協力してもらえないなら、在宅介護はむずかしくなります。そもそも在宅介護もお金がかかります。お金が必要なら仕事をしなければなりません。仕事もして24時間ひとりで介護をするのは現実的に不可能です。介護施設を利用するしかありません。ただ、資金面で介護施設に入れるのがむずかしいなら、ひとつの方法として本業以外に副業やアルバイトを行う方法もあります。介護をする時間を副業やアルバイトにあて、お金を作り、老人ホームや介護施設へ入居させる、訪問介護のための資金を作るという方法もあるでしょう。ただ、残業をしなければならないが副業やアルバイトもしなければならないという状況では、心身ともに追い詰められることになります。介護うつになれば、生活も介護もできなくなるでしょう。その点も考え、無理をしないプランを検討したほうがよいです。
介護者、被介護者のためになる選択を
介護施設か在宅介護がいいか、費用面で考えれば在宅介護のほうが費用は安いです。訪問介護やデイサービスを活用しても、介護施設や老人ホームへ入居するより安くなることが多いです。ただ、在宅介護は費用面だけでなく介護者の心身的な負担が大きいのは間違いありません。被介護者である高齢者にとっても、介護のせいで家族が言い争いをはじめれば悲しいはずです。大切な人が体を壊すのもつらいでしょう。兄弟や親戚が金銭的な面で少しでも協力してくれれば、経済的な負担は解消できます。在宅介護を選ぶ場合、介護者の負担を少しでも軽くするため、外部サービスなどを積極的に活用してください。
まとめ
在宅、介護施設の利用も、介護の現場ではある程度、金銭的な負担を覚悟しなければなりません。介護者、被介護者の負担にならないよう、家をバリアフリー化するためのリフォームも必要です。介護で発生する月々の費用も考えなければなりません。デイサービスや訪問介護なども、利用すれば金銭的な負担は大きいです。福祉用品も、購入したりレンタルしたりすれば、その分の費用もかかります。ただ、費用がかかっても老人ホームのような介護施設を利用するより在宅介護は安くなる場合も多いです。仕事との兼ね合いや家族や親戚の協力が得られるかどうかも含めて考え、在宅介護か介護施設か選択しましょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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