
サプリメントに頼るのは危険?!
投稿日 2019/04/02
最終更新日 2019/04/25
高齢者の健康維持をうたうサプリメントは数多くあります。新聞広告やテレビCMなどでも見ない日がないほどです。しかし、サプリメントを服用するだけで、本当に健康になれるのでしょうか?
高齢者のサプリメント利用目的は?
サプリメントとは健康食品に分類されるもので、ビタミンやミネラルなど健康に役立つ成分を凝縮して錠剤などにしたものをいいます。本来、栄養は食事から摂取するものですが、食事だけでは足りない栄養素を補うためのものがサプリメントです。国内ではサプリメントは、肉や魚と同じように食品に分類されています。つまり、サプリメントは医薬品ではないため、法律上の定義はありません。高齢者がサプリメントを利用する目的の多くは、健康の維持、病気の予防、食事だけでは補えない栄養の補給、疲労回復といったものです。高齢になると、病気への不安や体に必要な栄養が摂取できなくなる心配が増えることになりますので、サプリメントを利用する方が多くなってきます。
サプリメントを利用して本当に健康になるのか?
サプリメントは医薬品ではありません。ですから、劇的に体調が良くなったり、病気が治ったりすることは、もちろんありません。サプリメントは、前述した通りあくまで食品に分類されていますので、栄養を補給することしかできません。栄養をそのまま補給することで、一定の健康効果を期待することはできますが、反対に栄養素を過剰に摂取してしまうリスクも出てきます。一種の偏食と同じ状態になってしまうのです。医療機関で血液検査などを受けた結果、不足している栄養素が分かり、それを補うためにサプリメントを飲むことは健康にも役立ちます。しかし、自分本位にサプリメントを服用しても、全く効果が出ないケースもあるのです。サプリメントの中には、服用している薬の効果を変動させてしまうものがあります。また、サプリメントの過剰摂取で健康被害が出てしまうケースも。サプリメントは体に良いものと勝手に思いこんでいませんか?食品だからと安易に服用することは非常に危険です。目的を持った上で、注意して服用するようにしましょう。
サプリメントと薬の飲み合わせには注意が必要!
高齢になると医療機関を利用することも多くなります。高血圧や関節痛などで、常用的に医師から医薬品を処方されているという方も多いと思います。病院が常となると考えるのが、少しでも健康になること。体に良いと聞いた食べものを取り入れたり、運動を心掛けたり、サプリメントを服用して、これ以上病気にならないよう、健康になれるよう考える方も少なくありません。しかし、医薬品を飲んでいる場合、サプリメントの服用で思わぬ副作用が出る可能性があります。たとえば、血液をサラサラにするといわれているEPAのサプリメントも、その1つです。降圧薬と併用すると血圧が下がりすぎる恐れがあります。また、中性脂肪やコレステロールを下げて動脈硬化予防することでよく知られているDHA(ドコサヘキサエン酸)にも、注意が必要といわれています。尿病治療薬と併用すると血糖値が下がらなくなる危険があるのです。そうした危険を回避するために、最近では医薬品を処方する前に、どのようなサプリメントを利用しているか、チェックしてくれる体制が整ってきています。しかし、元々薬を服用している人が、後から自己判断でサプリメントを利用するというケースでは、注意が必要となります。糖尿病患者がDHAなどのサプリを服用した場合、血糖値が下がらずに最悪、命の危険を招く可能性が出てきます。
サプリメントを利用する場合の注意点
サプリメントは医薬品ではないため、誰でも簡単に入手できます。しかし、サプリメントを利用する場合は、いつ、どれぐらいの量をどのように飲めばいいのかという基本的な情報を、あらかじめしっかり確認しておくことが大切です。また、併せてそのサプリメントの効果や副作用などについても、しっかり調べてから利用するようにしましょう。お薬手帳などを持参して、医師や薬剤師に相談の上、利用するのが安心です。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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