遠方に住む親の介護をすることはできるのか?遠距離介護の現実性
投稿日 2019/03/21
最終更新日 2019/03/21
親の介護のために週末は飛行機で帰省する……そんな、遠距離介護をしている人もいますが、仕事や子育ての都合によっては「自分には無理」という人もいるでしょう。遠くに住んでいる親が要介護になってしまった場合、いったいどうすれば良いのでしょうか。
いざという時にあわてないようにするには、親が元気なうちから少しずつ準備をしておくことをおすすめします。帰省するたびに親の老いを感じるならば、そろそろ準備を始める時かもしれません。遠距離に住む親の介護についてまとめました。
親が元気なうちにしておきたいこと
まだ親が元気なうちに介護の相談はしにくいものです。しかし、もしもの時のために、次のような点を確認しておきましょう。
日常生活
離れて暮らしていると、いつも親がどんな生活をしているのかわからないものです。日々の生活パターンを知り、その中で困っていることはもちろん、楽しみにしていることも教えてもらいましょう。要介護になってもクオリティ・オブ・ライフを保つことができるよう、親にとっての「普通」を正しく理解してください。
経済状況
基本的に介護費用は親の資産でまかなうものです。親の預貯金、年金などがどれぐらいあるのか、気まずいかもしれませんが聞いてください。借金、保険などもあわせて、できるだけ正確に経済状況を把握しておきましょう。
親の意志
一番、親に聞いておきたいことは「要介護になったらどうしたいのか」という意志です。最近では施設に入ることを希望する人もいます。直接聞いてみなければわからないことも多いので、ざっくばらんに話し合ってみてはいかがでしょうか。
遠距離介護のメリット
遠くの親が要介護となった時、自宅に呼び寄せて同居する人もいます。しかし、親は住み慣れた環境、長年にわたって築いた人間関係を捨てなければいけません。遠距離介護ならば、親がそのようなストレスを味わう心配がないのは大きなメリットです。
また、同居をしてしまうと訪問介護が利用しにくくなったり、特別養護老人ホームになかなか入居できなくなったりするというのはご存じでしたか?遠距離介護の方が外部の助けを借りながら無理なく介護に取り組めるともいえます。
遠距離介護のデメリット
飛行機や新幹線を使っての介護帰省が度重なれば、当然、交通費はかさみます。また、親と連絡を取り合うための通信費、日頃お世話になっている近所の方への手土産代など、なにかとお金がかかるのも事実です。
また、遠距離介護では親の溶態が急変した時など、どうしても対応が遅れがちです。どの病院が良いのかなど、日頃生活していないエリアなので情報を得にくいというデメリットもあるでしょう。
地域包括支援センターに相談しよう!
実家エリアの介護や医療に関する情報を収集したいなら、地域包括支援センターを活用しましょう。地域包括支援センターとは、各自治体に設置されている介護の総合相談窓口です。医療、介護、福祉、保健などの専門家が、各種相談に応じてくれます。
じつは地域包括支援センターは、現在介護中ではない人も相談できます。親が要介護になる前に、実家の近所の地域包括支援センターに一度連絡してみてはいかがでしょうか。
まとめ
遠方に住む親の介護はまったく不可能というわけではありません。問題は遠距離を行き来する経済的余裕、時間、体力があるかどうかです。しかし、仕事や子育てに著しい弊害があるようならば、遠距離介護を続けるのが正解ではないのかもしれません。
だからといって同居は無理……という時には、家の近所にある介護施設にあずけるという方法もあります。介護のやり方はひとつではありません。誰もが笑顔でいられるように、親が元気なうちからよく話し合っておくことをおすすめします。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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