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老老介護が社会問題化しています。過去、要介護者が出ても家族全員で協力し、介護をしてきた時代がありました。2019年現在、核家族化は普通のこととなり、高齢夫婦ふたりだけで生活をする世帯も珍しくない状況です。子供の独立、親戚なども遠方で暮らし、親族間での関係も気薄になっています。医学の進歩や、食生活の改善で、平均寿命も延びていることも老老介護に影響を与えているでしょう。長生き自体は喜ばしいことですが介護についても深く考えなければなりません。今後、少子高齢化社会が進むに連れ、老老介護も当たり前のようになってきます。そのため、老老介護対策を事前に行わなければならないのです。では、どんな対策が考えられるのでしょうか?老老介護のこと、対策についても解説します。

老老介護とは?

老老介護は簡単に言うと高齢者が高齢者を介護する状態です。高齢者夫婦では、お互い65歳以上のことも珍しくありません。65歳以上の妻が、70歳の夫を介護する状況はまさしく老老介護でしょう。介護する子供が65歳以上、要介護者は90歳の両親という状態も、老老介護では見られる光景です。2013年、厚生労働省が『国民生活基礎調査』を実施しました。結果、在宅介護世帯の51.2%が老々介護の状態という深刻な結果も出ています。

また、老老介護だけでなく認認介護についても考えなければなりません。認認介護とは、認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護するという状況です。お互い認知症のため、ミスが生命をおびやかす重大な事故につながるとして問題視されています。中には、認知症と自覚がなく介護を継続しているケースもあるようです。

2010年、高齢者率の高い山口県を対象にして認認介護の発生頻度に関する調査が行われました。結果、県内で在宅介護を行っている世帯の10.4%が認認介護の状態だったという結果もあります。他人事ではなく、誰にでも起こりうる深刻な問題と言えるでしょう。

なぜ老老介護が増えるのか

老老介護が増加する原因はひとつだけでなく複数あり、それぞれがからみあっているのです。医学の進歩で平均寿命が延びたことも要因のひとつとして考えられています。ただ、介護なしでも日常生活を送ることが可能な『健康寿命』とは別の話です。厚生労働省が2010年に発表した平均寿命のデータがあります。日本人男性は平均寿命が79.55歳、日本人女性で86.30歳でした。ただ、健康寿命は日本人男性で70.42歳、日本人女性は73.62歳、平均寿命と比較すると約10年の差があります。両親の介護を50代ではじめたとしても、10年経過すれば介護する側も60代です。

そうなると、老老介護という状況でしょう。核家族化の問題も考えなければなりません。遠方に子供が住んでいると、迷惑をかけられないと、高齢者夫婦だけでお互いを介護し合うという状況も出てきます。プライドを優先させ、子供に面倒を見てもらいたくないという人もいるでしょう。他人に助けてもらいたくないため、介護サービスを拒否するというケースもあります。施設や介護サービスを利用できるだけの資金的な余裕がない場合も、老老介護になりやすいのです。

老老介護を解決するためには?

老老介護や認認介護の問題解決のため、国や自治体も積極的に解決へ動いています。例えば、高齢者と家族をサポートする拠点となっている『地域包括センター』があげられるでしょう。高齢者の相談を受け付ける機関として、各自治体により設置されています。高齢者を対象に生活で困っていることなど、総合的な相談に乗ってくれるのが特徴です。在宅介護に関しても対応しています。

介護認定審査などで、要支援1、2の判定が出た高齢者に対し、介護予防ケアプランの作成支援なども行っているので活用してください。社会福祉士、保健師、主任ケアマネージャーも配置され、老老介護に関する問題解決をしています。国は『老人保健健康増進等事業』という、高齢者の介護、介護予防や生活支援など、老人保健や健康増進に関わる先駆的、試行的な事業への補助金などを設けているのも覚えておきましょう。要介護認定の申請がなくても、介護予防サービスを利用できる『介護予防・日常生活支援総合事業』という制度も2015年の介護保険改正でスタートしています。

私達ができる対策

個人的な老老介護対策なら、家族や親戚に頼るのもひとつの方法です。特に子供が支援の手を伸ばしているのに、介護への抵抗感で拒否する人もいます。しかし、老老介護、認認介護状態になったあとのほうが、大きな負担となりやすいです。結果、共倒れになるケースも少なくありません。また、介護保険制度、介護サービスについても元気な内に調べておいたほうがよいでしょう。地域包括センターや高齢者総合相談センターなどには専門家がいて相談に乗ってくれます。さらに、要介護状態にならないよう状態悪化の予防を個人で行うことも大事です。生活習慣の改善や運動なども対策となります。体調がいつもと何か違う、違和感を覚えたらすぐ病院へ行きましょう。怖いかもしれませんが、状態が悪化するより浅いときに対策したほうが自分も家族の負担も軽減できます。

まとめ

核家族や少子高齢化、施設や介護者の不足により、今後、老老介護や認認介護の問題が大きな不安となり社会全体を覆い尽くす可能性があります。老老介護や認認介護は自分たちだけですべて対応する、誰にも迷惑をかけたくないという気持ちからはじまる場合も少なくありません。さらに、介護施設に入居したくても、資金面での不安も出てきます。年齢が高くなれば対策をしようとしても限界があるでしょう。そうならないよう、元気な内に対策を検討してください。地域包括センターなど、高齢者の悩み事に対し相談に乗ってくれる公的な機関もあります。活用し、追い詰められて、最悪な状況になることだけは回避しましょう。

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田中 晴基

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