
介護保険の対象となる特定疾病【脳血管疾患】とは?
投稿日 2019/05/13
最終更新日 2019/06/03
特定疾病というのは、介護保険や医療保険のような公的な保険、または生命保険のような民間の保険において、他の病気とは違う扱いをされる病気です。それぞれの保険によって、対象となる病気は違います。介護保険における特定疾病は、がん、初老期における認知症、パーキンソン病関連疾患、多系統委縮症、糖尿病性神経障害、脳血管疾患など16の特定疾病です。医療保険における特定疾病には、血友病、人工腎臓(人工透析)を実施している慢性腎不全など3つの疾病があります。また多くの生命保険では、がん、脳卒中、急性心筋梗塞の3大疾患を特定疾病と定めています。介護保険の対象となっている、特定疾病の脳血管疾患とは、どのような病気なのでしょう?
脳血管疾患ってどんな病気?
脳は、心臓の拍動、呼吸、体温調節などの、生命活動の役割を担っています。言葉や行動、感情や思考、感覚などを司る役割も担っています。脳細胞が、体中に情報網を張り巡らせて、複雑で高度な機能を果たしているのです。
その脳細胞に栄養と酸素を供給しているのが、脳内の血管。この血管に異常が発生して、脳細胞が破壊されてしまう病気が、脳血管疾患です。
脳血管疾患には、脳の血管が破れてしまう、出血性脳血管疾患(脳出血・くも膜下出血)。脳の血管が詰まってしまう、虚血性脳血管疾患(脳梗塞)があります。
脳血管疾患はどうして怖いの?
脳血管疾患は、ある日突然に死んでしまう病気で、以前は死亡原因の第1位でした。現在でも、がんや心疾患、肺炎と共に上位で、高齢化社会に伴い患者数は増えています。
脳血管疾患の怖いのは、一命を取り留めても、後遺症を残すことが多くあるところです。後遺症には、言語障害や視覚障害、感覚障害や手足のまひなどがあります。
どこにどのような後遺症が現れるかは、損傷を受けた場所や程度により違いますが、寝たきりになる場合や、介護を必要とする場合もあります。
なぜ脳血管疾患になってしまうの?
高血圧や動脈硬化、喫煙は特に危険な因子であり、ストレス、睡眠不足、多量の飲酒、運動不足等も引き金となるのです。
またメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)や高血圧、糖尿病(高血糖)、脂質の異常、不整脈も因子となり、これらを2つ以上合わせ持っていると、リスクが高まることが分かっています。
動脈硬化は老化現象の一つですが、動脈硬化が進むことによって、脳梗塞等の発症率が高くなります。
脳血管疾患を予防するための食事とは?
野菜や果物を、積極的に摂ることが大切です。野菜には、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、不足すると動脈硬化、高血圧や糖尿病、脂質異常症など生活習慣病になるリスクが高まってしまいます。
また、動物性の脂肪を控えめにして、青魚などの魚を積極的に摂りましょう。肉や魚のたんぱく質はとても重要ですが、肉類に含まれる脂質は生活習慣病につながります。血液中のコレステロールや中性脂肪を、増やす作用があります。
また塩分の摂り過ぎは、血圧を上昇させてしまいますので注意してください。
生活習慣を見直して改善しましょう
適度な運動は、健康に効果をもたらしてくれます。余分な体脂肪が減って、肥満の予防になるでしょう。糖尿病や高血圧、動脈硬化の予防や改善にもつながります。三日坊主にならないように、最低でも30分以上、週に3~4回の運動がおすすめです。
タバコは百害あって一利なしなので、喫煙習慣がある場合はなるべくやめましょう。酒は百薬の長といわれ、血管を広げて流れを良くする作用がありますが、それは適量の場合だけです。飲み過ぎは万病のもとになりますので、注意しましょう。
現代社会には様々なストレスあり、過剰なストレスは健康に大きな影響を与えます。自分に合ったストレス解消方法を真剣に考え、楽しみながら心身ともにリラックスしましょう。
まとめ
脳血管疾患の怖さは、ある日突然に発症するところです。最悪の場合には死亡、一命を取り留めても、後遺症が残ることが多くあります。
そしてその原因は、生活習慣や食事です。適度な運動、健康に効果をもたらしてくれる食事、ストレスの発散方法などを真剣に考えましょう。
病気にならずに、楽しい老後生活を送ることができるかどうかは、あなた自身の考えと行動によって決まります。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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