
種類別!介護者が知っておきたい臭いケアの方法
投稿日 2019/03/25
最終更新日 2019/05/01
さまざまな場面で悩みとなる臭い。それは介護時も同様です。介護する側と介護される側、ともに臭いを気にしてストレスをためてしまうこともあるでしょう。
しかし、そんな臭いをどうケアすればよいのか、迷うことも多いはず。
- 尿や便の臭い
- 体臭
- 口の臭い
3つに関する臭いケアとその他気にしたい点についてご紹介します。
尿や便の臭い
独特な臭いを持つ尿や便。それぞれ、どんなケアをすればよいのでしょう?
尿の臭い
尿の臭いによいのは、クエン酸や重曹です。
クエン酸
尿はアンモニアでできておりアルカリ性。対してクエン酸は酸性。つまりクエン酸は、アンモニアを中和して臭いを抑えてくれるのです。
重曹
重曹も便利なので、備えておくとよいでしょう。
臭いが気になる場合は、重曹とオイルを混ぜたものを臭いが気になるところにまきます。2時間ほど経ってから掃除機をかけると、臭いが取れやすいです。
もし、失禁によって尿がある場合は、濡れた雑巾に重曹をふりかけて、すぐその場所をふき、乾いた茶殻をまいてください。その後、時間を置いてから掃除機をかけると、臭いが抑えられます。
便の臭い
便の臭いで気になるものといえば、使用済みおむつですが、捨てる際密閉保存を心掛けてください。隙間があればあるほど、臭いが漏れて気になりやすいのです。使用済みおむつに新聞紙やビニールを巻くとより効果的でしょう。
最もよいのは、専用ゴミ袋の購入。尿や便の臭いを減らす力が非常に強いのでとても便利です。その他、「介護専用のスプレー」を使う手も。ゴミ袋も専用スプレーも、介護で生じやすい場面を想定しているため、効果は高いです。
体臭
高齢者の場合、入浴が難しいことも多々。入浴の頻度が下がれば、垢がたまりやすくなり、臭いが発生してしまうでしょう。そのように入浴が難しい場合は、濡れたタオルでふくだけでも違います。試してみてください。
濡れたタオルをつくる方法は2つ。
- お湯をわかしてひたしてしぼる
- レンジを使う
最も手軽なのはレンジです。水にひたして軽く絞り、1分程度レンジで加熱すると、蒸しタオルの完成。お湯をわかす手間も省けますし、すぐ使えます。活用して清潔につなげましょう。
また長らく入浴を控えるうちに、垢が硬くなって落としにくくなることも。その際は、ワセリンやオリーブオイルを使ってみてください。二つとも油分を多く含んでいるため、垢が柔らかくなります。
口の臭い
口中の水分が低下すると、細菌が増えて口の臭いに発展してしまうのです。高齢者の場合、年を重ねていますし、薬を服用することもあるため、唾液が少なくなりやすく余計でしょう。
そこで効果的なのは、唾液を分泌させるトレーニングと口腔ケア。前者は唾液腺をマッサージして、唾液が出るように働きかけるもの。後者は、歯茎や歯などのケアを行い、汚れを取ることで、口臭低下に結びつけるものです。
どちらもすぐ取り組めますし、健康にもつながりますので、試してみてくださいね。
その他心がけておきたいこと
まず、衣類は頻繁に交換しましょう。同じ衣類を着たままでは、汗や汚れがたまり、臭いを発しやすくなります。その日着た衣類はできるだけその日のうちに、洗濯や手入れを。
寝るときのシーツも同様です。まめに交換していきましょう。またシーツの場合、介護用防水シーツを使うとよいですね。万が一の際、布団が汚れにくくなりますし、臭いケアにもなります。
それから便秘になりにくい生活、具体的にいえば健康的な生活も重要ですね。便がなかなか出ないと臭いがきつくなります。また便秘が続くことで健康にも影響する、といわれているのです。
- バランスのよい食生活:食物繊維を含む野菜を多く取るといったもの
- 適度な運動:1日少しでもよいので体を動かす
これら2点に気を付けて、健康的な生活を目指しましょう。
まとめ
尿や便の臭い、体臭、口臭、それぞれにおいて、臭いケアの方法があると分かりました。クエン酸や重曹はドラッグストアやスーパーなどでも買えるため、入手しやすく便利ですし、濡れタオルもすぐつくれますので手軽です。トレーニングは、日々行うことで習慣づけもできるでしょう。
忘れてはならないのが「介護専用」と称されたアイテム。これらは介護で起こるさまざまを考慮してつくられているものですので、一般的なアイテムより臭いケアに効果的です。活用することで、介護する側も介護される側もともに心地よく過ごせるでしょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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