
高齢者こそ口腔ケアと食支援が必要!栄養改善に有効な事例を紹介!
投稿日 2019/01/08
最終更新日 2019/05/29
高齢者は栄養不足に陥りやすいです。栄養不足になると、身体の機能が低下してきてしまい病気を誘発する危険性があります。栄養不足にならないよう高齢者こそ気をつけなければいけません。そこで、高齢者に対する口腔機能訓練や食支援など、栄養状態を保つために必須となるものを紹介していきます。
高齢者は栄養不足を起こしがち
食事から摂れる栄養は、体や精神の調子を整え、病気を予防し健康にプラスするものです。この現代日本、男女の平均寿命が80歳を超える長寿大国ですが、年齢を重ねるほど食が細くなり、少量の食事しか食べられないという高齢者の方が増えています。高齢者こそ、適度な栄養バランスがとれた食事に加え、運動が必要です。
平成28年の国民健康・栄養調査では、高齢者の6人に1人が低栄養というデータが出てきており、低栄養が続くと筋肉量が減るため咀嚼力が弱くなり、硬い食べ物や繊維質のものが食べられなくなります。また、低栄養が原因で骨量が低下し、骨折するリスクが向上、日常生活で怪我などのリスク。さらに免疫力が低下するので、風邪やインフルエンザなども起こしやすく、肺炎を発症、命の危険もあります。
後述で紹介するアルブミンという成分が不足すると、心臓病や脳卒中、認知帳の発症リスクを高めるので、アルブミン量も重要です。
栄養の目安は?
低栄養状態になっていると血液検査でアルブミンなどの数値を調べます。また、一般的には肥満の診断に使われるBMIも低栄養の診断基準に使われます。
- アルブミン
- アルブミンはタンパク質不足で低値を示します。
- BMI
- 一般的には肥満の診断基準で使われるBMIは、栄養状態の判定にも使用されます。
- MNA
- MNAとは簡易栄養状態評価法です。アンケートに回答するだけで総合的に栄養状態を判定します。
栄養改善に必要なのは口腔機能改善と食支援
栄養状態が低かった場合には栄養改善をしなければいけません。そこで、重要なのが口腔機能改善と食支援です。口腔機能改善とは、歯科医師や歯科衛生士、言語聴覚士などによって、摂食器官の運動評価などをおこなうこと。食支援で、噛めない、飲み込めないなどの賞状がある人へ正しく食事ができるようにすることをいいます。
口腔機能改善
現在、口腔機能改善は包括的な支援が必要とされています。包括的とは、ただ歯のトラブルを直すのではなく、呼吸・発音・摂食という口の機能をすべて維持するようなアプローチをおこなうことです。実際に口腔機能改善として実践されているのは以下のものがあります。
筋機能訓練
口の周りにある口輪筋を鍛えることで、口の締まりをよくします。食事中に食べ物がこぼれてしまうという方に対するアプローチです。
義歯製作
歯が欠損している場合に、人工の歯が付いている入れ歯を装着します。咀嚼能率をあげるだけでなく、審美性もよくします。
食支援
食支援をおこなうことで誤嚥しにくくして、栄養不足も改善させます。
食べやすい形態の食事
加齢とともにとろみのある食べ物が食べやすくなります。チャーハンを食べるなら、あんかけチャーハンの方が食べやすいというものです。できるだけ、食事にはとろみをつけて食べやすさを考慮しましょう。
バランスを考える
高齢になると野菜や魚を中心に食事を摂ることが多いです。それでは、動物性タンパク質を摂取できていないため、肉も食べるようにしましょう。
高齢者はBMIが高い方が良い
BMIは肥満の指標になることから、太りすぎているのは悪いこととされてきました。しかし、高齢者になれば多少BMIが高い方が健康寿命の延命に繋がると考えられています。痩せすぎないように栄養はとりすぎるくらい摂るようにしましょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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