介護施設に入居が必要になると心配になるのが、その施設の看護体制です。高齢者ですから、例え今は健康であっても、体調が思わしくなくなった時のことを考えた上で、介護施設を選ぶ必要がでてきます。近年では、万が一に備え、看護師を常駐させる介護施設も増えてきてはいますが、その状況はそれぞれの介護施設によって異なります。介護施設、老人ホームを選ぶ時、やはり看護体制、医療体制が整っているところを選択する方が、より安心できます。介護施設の看護体制について、より詳しく見ていくことにしましょう。

何人の要介護者を見ているか?

医療行為をどのくらいカバーできるかどうも、介護施設選びでは大切なポイントといえますが、スタッフの人数がどのくらい常駐しているのかも、やはり重要になってきます。実際に要介護者を何人態勢で見ているのか、しっかり把握しておくようにしましょう。また、介護士や看護師1人につき、10人の高齢者をお世話するのと、2人を見るのとでは、利用者側の看護体制にも大きな差が生じてしまいます。入居者の人数に対するスタッフの比率についても、同じくチェックしておくようにしましょう。

協力医療機関はどうなっているのか?

老人ホームなどの介護施設では、看護師を配備しているところも増えてはいますが、やはり看護師だけでは非常事態の際に、必要な医療行為を完全にカバーすることができません。そのため、介護施設では、医療機関との連携し、協力を仰いでいる仕組みができています。医療機関と連携を整えていれば、かなり安心感は持てますが、その提携している医療機関によって対応できる医療行為にも違いがあるのが現状です。どんな病気に対応できるのか、介護者にとって必要となる医療行為が整っているかなど、しっかり把握した上で介護施設を吟味することも大切と言えるでしょう。

「特定施設入居者生活介護」の認定を受けているか?

「特定施設入居者生活介護」の認定基準は、基本的な介護サービスのすべて提供できるかどうかで判断されます。この指定を受けるために必要となる条件は、「看護職員または介護スタッフが、要介護3人に対して1人以上常勤していること」です。また、「機能訓練指導員やケアマネージャーが1人以上常勤していること」と決められています。さらに、医療に関しても万全の態勢が整っていることが条件となってくるため、看護師の雇用、協力医療機関を定めることが必須です。看護体制を判断する時の指標としてみると良いでしょう。ただし、介護施設のすべてで、看護師が常に常駐しているわけではありません。24時間手厚い看護体制が整っているところもあれば、日中のみというところもありますので、施設ごとに詳細を確認することは忘れてはいけません。有料老人ホームで選ぶ際には「介護付き」という括りになっていますので、その点で判断してみても良いでしょう。

看護体制が手厚いかどうかで、入居費用も変わってくる

要介護者にとって看護体制は整っていればいるほど安心なものですが、それと同時に経済的負担も増えていくのが一般的です。つまり、看護師の人数や勤務状況、カバーできる時間帯、協力している病院の規模や信頼度、対応への幅によって、介護費用も変わってくるということになります。手厚い介護施設を誰もが望むと思いますが、やはり経済的負担を考えると選択はより難しくなってきます。要介護者にとって必要と思える介護体制に応じて、介護施設を選んでいくことも重要になってきます。

医療行為が必要な場合には、注意が必要

医療行為は、基本的に医師や看護師がいないと行えないものです。そのため、介護士では行えない医療行為が必要な場合には、介護施設の看護体制についてもしっかりチェックする必要がでてきます。

  • インスリンの投与
  • たんの吸引
  • 褥瘡(床ずれ)の処置
  • 経管栄養(胃ろう)
  • 在宅酸素
  • 人工呼吸の管理
  • 尿バルーン
  • 人工肛門

等は医療行為となるため、医師や看護師しか処置を行うことができません。「認定特定行為業務従事者」の認定を受け、介護福祉士の資格を持った方であれば、たんの吸引と経管栄養の処置をできることもありますが、必ずしも対応可能な介護福祉士がいるとは限りません。また、受け入れが可能な環境であっても、介護士、看護師の負担が増えるという理由から、受け入れを断られるケースもあります。介護付き有料老人ホームでさえも、判断が分かれるのが現状です。要介護者の病気、必要な処置を含めて、介護施設に受け入れが可能かどうか、事前に相談してみましょう。老人保健施設や有料老人ホームの場合、経営の母体が医療関係ということも多く、医師や看護師の配置が義務化されています。処置が難しい高齢者の受け入れも可能となることが多いので、再検討してみると良いでしょう。