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介護サービスで常に問題となるのが、介護をする側の身体的・精神的負担です。どちらも慣れてくるとある程度克服のできるものですが、身体的な負担は介護する側の経験以上に体力の問題が大きくクローズアップされます。特に介護の現場において腰痛の問題は避けては通れません。力任せに行うと要介護者にとっても苦痛となることも少なくないのです。ボディメカニクスの概念を駆使することはもちろん大切ですが、それと同時にある程度は機械を頼ることが、介護者・要介護者の負担の軽減にもつながります。その機械というのが介護用リフトで、さまざまな種類のものがでているので注目したいところ。ここでは、介護サービスで有効な介護用リフトについて、種類と価格、さらにはレンタルについても詳しく説明します。

介護用リフトとは

要介護者の移乗介助などに用いられるのが介護用リフトです。介護用リフトを用いることで、介護者が要介護者を抱えるといった動作を行わないので、介護者を腰痛から守る効果があります。また、要介護者の負担も同時に軽減することができるのも大きなメリットといえるでしょう。特に寝たきりの要介護者となると、褥瘡(じょくそう:床ずれ)ケアが必要になります。これについては、人力介助を基本としている介護施設や医療施設が多いのです。無理に引っ張るあるいは持ち上げるなどで要介護者に苦痛を与えることもあり、褥瘡ケアについても介護用リフト(主に吊り上げ式)を用いる施設が多くなっています。
また、ベッドから車いす、車いすからベッドといった動作についても、複数人で行っていた移乗介助も、介護用リフトを使うことで、一人で行うことも十分に可能です。施設よりも一人で行う在宅介護でより威力を発揮することでしょう。このことから、施設の現場においても少人数あるいは一人で移乗介助ができるので、介護用リフトは大いに活躍しているのです。

介護用リフトのメリット

人が持ち上げることのできる重量は20kgから25kgとされています。鍛えている男性でしたら、もっと重いものを持ち上げることができるかもしれません。それでも、一般的にはこのくらいが安全に持ち上げることのできる重量とされています。要介護者の体重はそれ以上の重さですから、安全に……というのは一人では難しいことでしょう。そこで介護用リフトを使用するメリットを以下に挙げてみます。

以上の3点です。
無理な力を必要としないので、介護者の腰痛予防には大きな効果が期待できます。また、腰痛から解放されるため介護者の離脱が少なくなることでしょう。それが介護の質の維持あるいは向上につながるのは間違いありません。そして介護用リフトを使用することで、介護者は安全な介護サービスを要介護者に提供でき、それが要介護者にとっては安心につながるのです。

介護用リフトの種類

さまざまな介護用リフトがあります。多くは固定式でその場面で使うものが多いのですが、一台で何役もこなせるような汎用性の高い介護用リフトの登場が待たれます。

天井走行式リフト

走行用のレールを天井に固定するものです。上下動は電動または手動での操作になります。家屋や施設の大がかりな工事が必要となるのが注意点です。

床走行式リフト

要介護者を持ち上げ(吊す、あるいは椅子を使用)床面を自由に移乗または移動します。短時間なので車いすでの移動よりも簡単なところがメリットです。また、リフトを固定しないので家屋や施設の工事を必要としません。

ベッド固定式リフト

ベッドにリフトが固定されているタイプです。要介護者を吊り上げそのまま車いすに乗せることができ、褥瘡ケアにも使われています。ベッドとそのまま移動できるメリットもあります。

据置式線レール型リフト

家屋や施設の決まった場所に据え置き(固定されている)リフトです。設置された場所でのリフトとなりますが、頑丈な点が大きなメリットとなります。

据置式面レール型リフト

据置式線レール型リフトの応用型で、部屋の4隅に柱を設け、横行式レールでリフトします。4本の柱の範囲内つまり部屋の隅々まで移動できるのがメリットです。

浴室用リフト

浴室専用据え付けタイプと持ち運びできるタイプがあります。

スタンディングリフト

要介護者をがっちりと固定して運ぶことのできる、移乗介助器です。

介護用リフトの価格

介護用リフトは、用途や規模によってさまざまです。リール固定式では家屋や施設の取り付け工事が必要になるので、工事費用もかなりのものになるでしょう。多くの場合、車いすに乗せるための介護用リフトが重宝するのですが、全自動タイプのものは100万円を超えます。施設はともかく、在宅介護での自己負担はかなりの金額です。
汎用性の高い、床走行式の介護用リフトは30万円から50万円くらいが相場。価格が安いタイプは電動式ではないものが多く、手動である程度の力加減は必要となります。自己負担の場合、福祉用具にあたるので介護保険の適用を受けることができるので、1割から3割負担。また、市区町村の補助金制度なども上手に活用するといいでしょう。

レンタルという選択肢も

介護保険の適用を受けることができても、数万円の費用負担となります。3割負担の場合でしたら、1割負担の人よりも3倍の負担にも。移動式の介護用リフトでしたら、レンタルのほうがお得でしょう。月額のレンタル代金は1万円が相場ですが、これも福祉用具ですから介護保険が適用され、1割から3割の自己負担で済みます。1万円でしたら1割負担で千円のレンタル代金で月々の利用が可能となるのが大きなメリットです。

まとめ

介護用リフトはとても便利なものです。さらに便利なものが毎年のように新製品として登場しています。いずれも介護者の負担を軽くするためのもので、今では介護の世界でなくてはならないものとなってきました。その一方で要介護者のほうからは、機械的で暖かみを感じられないという声も聞こえてきます。そのため、介護をする側は身体的負担が軽減されるかたわら、声かけなどを多くして、要介護者の不安や不満を解消するような配慮が必要です。

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田中 晴基

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