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介護業界を含めさまざまな業種の人材不足を解決する一手として期待されているのが、外国人労働者の受け入れです。日本の生産年齢を見ると1997年以降減少の傾向にあります。逆に、有効求人倍率は、2009年の0.47倍が底となり、徐々に増加し、2017年12月の時点で1.59倍という高い水準となりました。外国人労働者も増加傾向にあり、2008年では約48万人でしたが、2017年には約127万人です。生産年齢人口が減少を続けるなら、どこかでカバーをしなければなりません。しかし、生産年齢人口が増えても日本人が積極的に就業したくない業界では、慢性的な人手不足が続く可能性があります。2025年問題なども控え、少子高齢化に悩まされる日本ですが、本当に外国人労働者が人材不足に対する救いの手になるのでしょうか?

4月から外国人労働者の受入拡大

平成30年12月8日第197回国会で、改正入管法(出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律)が成立しました。このことで、2019年4月から外国人労働者の受け入れが拡大されます。入管法は日本へ出入国をするすべての人に対し管理を行い、外国人の在留や難民認定などを定める法律です。労働力不足の解消という意味で大きく関係するのは、外国人の在留についてでしょう。

外国人が日本で仕事をする場合、以前の入管法では『留学生』『技能実習生』『医療や大学教授、外交官など高度な専門知識が必要な人』『日系外国人や、定住者、配偶者が日本人など、身分に基づき在留する者』でした。働けると言っても期間は決められており、留学生だと週28時間までアルバイトだけ可能。技能実習生は最大5年の滞在が可能という風に決められていたのです。ただ、現実問題として労働力不足などにより、留学生や技能実習生は貴重な労働力となっていました。改正入管法は、外国人労働者が長期的に日本で働けるようにすることを目的として改正されたのです。

大きな改正内容は、特定技能1号と特定技能2号が創設されたことです。特定1号は、生活に支障のない会話ができ、一定の知識や技能を持つ人が対象。家族の帯同ができず最長5年の在留期限が設けられています。特定技能2号は、生活に支障のない会話ができ、熟練技能を持っていることです。在留期間は更新に上限を付さず、配偶者や子供も要件を満たせば在留資格が付与されます。在留期間は更新でき、条件を満たせば永住申請も不可能ではありません。このような改正で、労働力確保を目指しているのです。

日本の労働環境の現実

改正入管法で日本が期待しているのは、外国人が人手不足に悩まされている業種で働いてもらうことです。ただ、人手不足に悩まされている業種は一般的に不人気な傾向にあります。きつい、汚い、危険という3Kです。技能実習生が3K仕事で過酷な労働を強いられ、賃金面も日本人とは異なる待遇で働かされている現状が問題視されています。

帰国し、日本に二度と来なくなるという話も出ているのです。日本は世界でもトップクラスの経済大国で、科学、技術レベルも高く、裕福な国というイメージを持っている外国人は少なくありません。しかし、よほど高レベルの専門知識や技術を持っていなければ低賃金です。都市部の物価も高くギリギリな生活になる場合もあるでしょう。仕事も3Kなら日本に来ても幻滅して帰国するケースも出てきます。

本当に外国人労働者を確保できるのか

ドイツや中国など各国で、外国人労働者を受け入れ労働人口を増やそうとしています。労働人口の確保という部分では一時的に問題が解決できる可能性もあるでしょう。一方で、外国人労働者受け入れを不安視する声もあります。外国人労働者を安い賃金で雇用した場合、結果的に日本人も含めた全体の賃金が低下するのではないかという問題も指摘されているのです。

税金が外国人労働者に使われる可能性もあります。人数が少なければ対応できるかもしれません。ただ、多ければ外国人労働者のための行政コストが増える可能性もあります。EUなどでは外国人労働者、難民、移民に仕事を取られ外国人排斥運動などが起こるケースもあり無視できません。日本でも技能実習生が過酷な現状に逃亡し、疾走して犯罪に手を染める事件も実際に起きています。実習生が帰国し、日本の劣悪な環境を周りに伝える現状もあるようです。さまざまな問題を解消、対策しなければ、外国人労働者による労働人口の増加は失敗する可能性は否めません。

まとめ

少子高齢化の問題は日本の将来を左右する可能性があります。成長を続けるには、労働人口を増やすことは解決策になりえるでしょう。外国人労働者を受け入れるのは、介護業界も含め、人材不足を解決する手段のひとつとなりえます。ただ、悪徳業者に低賃金で労働を強いられる外国人が出る可能性も否定できません。治安の悪化、外国人労働者に対する行政への負担なども考える必要があります。そのため、外国人労働者を安易に受け入れることに不安の声も多いのです。

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田中 晴基

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