
終末医療や介護に必要な費用はどれくらい?
投稿日 2019/03/25
最終更新日 2019/06/04
終末医療とは末期がんなど、治療方法がない身体状態となった患者に対し行う医療です。延命治療と共に心身の苦痛をゆるやかにする治療も含まれます。人間は生物であり、誰にも平等に、生命の終わりが訪れるものでどうしようもありません。ただ、人間としての尊厳を保ち、人生の最後を迎えたいと考える人は多いでしょう。そのためには、病気による身体的、精神的な苦痛を排除しなければなりません。ただ、終末医療や介護を行うには費用がかかります。介護に関して、お金がかかることも無視できません。終末医療や介護についてどれぐらいの費用がかかるのか、本人だけではなく、介護を行う家族も気になるところです。終末医療に必要な費用について解説しますので、参考にしてみてください。
終末医療に必要な費用!ホスピスや住宅
終末医療を行う代表的な場所がホスピスや自宅です。ホスピスは治療ではなく、心身の辛さを緩和するためのケアをメインにした施設で、病院などにも専門外来が設けられています。2018年6月時点、日本ホスピスケア協会によると緩和ケア病床数は累計8,197病床で403施設です。厚生労働省が定めた緩和ケア病床認証制度に準拠しており、末期がんやエイズにかかっている人だけ受け入れているところが多いです。ただ、ホスピスは施設への入居や入院だけに限られているわけではありません。自宅や高齢者向け住宅など、施設に入居している人も利用できるのが特徴です。費用については個々人で大きく変わります。一般的な費用ですが、1日単位で入院費がかかることには注意してください。30日位内なら1日で約5万円ですが、60日以内になると約4万円、61日以上では約3万円です。ただし、健康保険も適用できますからこの金額の1割から3割ぐらいが実質的な費用となります。また、個室かどうかも考えなければなりません。ホスピスの多くは個室料金が高めに設定されています。一般的な病院と同じく、部屋にもランクがあるため注意してください。一般的に、個室の利用料金として5,000円~5万円程度を考えておくとよいでしょう。
在宅ホスピスのメリットとデメリット
長年生活してきた自宅で最後を迎えたいと考える人もいるでしょう。在宅ホスピスのメリットは、自室があり、家族と一緒の時間が確保できるところです。ただし、病院とは違い介護に関して家族も協力しなければなりません。費用に関して言えば、在宅ホスピスをサポートしてくれる医療保険制度もあります。年齢が40歳以上の末期がん患者の場合、訪問介護サービスを介護保険で受けられるのも特徴です。
介護にかかる費用はどれくらい?
終末医療で在宅ホスピスを選んだり、家族の誰かが被介護者になったりしたとき、介護費用の負担も考えなければなりません。老人ホームや介護施設に入居するだけでも費用はかかります。足腰が悪ければ、転倒防止のためにバリアフリーの施工も考えなければならないでしょう。おむつや介助用具には消耗品も多く、使ったり劣化したりすれば新しく購入しなければなりません。介護の費用負担を考えると、一般的に一月7万円~8万円かかることが多いです。ただし、介護リフォームや車いすなどを購入する初期費用を含めれば、1年間の費用が約200万円かかることも珍しくありません。
介護費・医療費の相場や捻出方法とは
介護費や医療費を捻出する方法はさまざまです。老人ホームへの入居を考える場合、相場として民間施設なら、12万円~30万円が必要です。公的施設なら月額で5万円~15万円ぐらいは考えたほうがよいでしょう。一般的には、預貯金を使う方法があります。退職金を利用する方法もありますし、施設に関しても、サービス付き高齢者向け住宅などでは、入居費用無料というところもあるのでチェックしてください。相続する家族がいないという人は、自宅や土地などを売却したお金で費用を捻出することもできます。このようにさまざまな方法で費用を捻出できるので検討してみてください。
まとめ
終末医療や介護費用に関してある程度の費用がかかるのは間違いありません。このことを踏まえれば、本人はもちろん家族も元気なうちに万が一のことを想定し、貯金をすることが大切です。他に考えておきたいのは、高齢、あるいは治療ができない状態になったときのことを考え、家族と相談することも大切でしょう。誰しも、最悪の状況を考えたくはないかもしれません。しかし、誰もが永遠に行き続けることはできないのです。そのことも踏まえ事前に考え準備をしておくことで、終末医療や介護について賢い対応ができるでしょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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