
なぜ終活は早めにしておくほうが良いのか
投稿日 2019/01/30
最終更新日 2019/03/21
終活は人生の最後の最後ですればよいものではありません。早めにしたほうがよいのです。終活は、人生の終わりを意識し、準備するために行います。『人生の終わりに向かうための準備』という言葉だけとれば、ネガティブな印象でしょう。
ただ、終活は心残りをなくすために行ったほうがよいという考え方もあります。「それは理解するが、わざわざ早くしなくてもよいだろう」と考える人もいるでしょう。終活を早めに行うことには理由やメリットがあるのです。理解すれば、終活を早めに行う意義を感じられます。これまでの人生を振り返るだけでなく、調べたり、手続きをしたりなど簡単に処理できないことも多いからです。終活を早めにしたほうがよい理由やメリットについて解説します。
終活とは人生の精算
終活は人生の精算です。よいことも悪いことも長い人生の中でさまざまなできごとを経て現在があります。その事実を踏まえて、人生が終わったとき、心残りがあったらどうでしょうか?長い人生、何も残さず旅立つ人はいません。住宅、ペット、借金、相続、家族など、たくさんあるはずです。
「死んだあとのことはどうでもよい」という考え方もあるでしょう。しかし、家族は残った問題を個人の代わりに処理しなければなりません。終活は残った家族に迷惑をかけないため、心残りを少しでも減らすためにも有効です。
終活をしておかないとどうなる?
「終活なんて必要ない」と考える人もいます。ひとつの選択ですが、行わないと起こる問題も想定しておきましょう。本当に終活をしなくてもよいかどうかの判断ができるからです。例えば、病気が進行し、自分の意思を周りに示せないほど悪化すれば延命治療を続ける可能性も出てきます。
終活には、エンディングノートに意思を書き残しておくことも含まれているのです。延命治療により無理やり生き続けるのも辛いのではないでしょう?また、自分の死後、生活のために財産を使って欲しかったのに家族が盛大な葬儀をする場合もあります。
人生の終わりに向かってどう生きるか曖昧となり、時間だけ経過する場合もあるでしょう。希望する生き方ができない場合もあります。介護も考えなければなりません。自宅で介護を受けたいのか、それとも介護施設に入りたいのか、自分の意思を示せない状態では家族が判断することになります。
財産の相続についても、遺言書の作成などをしていなければ、家族や親族のトラブルに発展する可能性もあるのです。このようなもろもろの問題点を想定し、大きなトラブルに発展させないためにも終活は有効です。
終活でやることは多い
終活を早めにしたほうがよい理由のひとつに、やらなければならないことが多いという問題があります。だからこそ、時間に余裕がある元気なうちに終活はやっておいたほうがよいのです。遺産相続について考えると、例えば複数の金融機関に預貯金があれば手続きなどで家族の手間が増えます。
インターネット銀行も利用すれば、預貯金があることに気づかれない場合もあるでしょう。そうならないためにも、金融機関をひとつにしぼって預貯金をまとめておくとよいです。預貯金以外にも、有価証券などがあるなら整理したほうがよいです。クレジットカードも、本人の死後、家族が解約手続きをするのも手間がかかります。
解約が必要なら手続きをしてください。ペットについても考えておきましょう。自分の死後、ペットを引き取ってほしい人を指名する、あるいは別の選択について考えておくことも大切です。このような部分をエンディングノートに自分の意思として書き残しましょう。ただし、財産の相続について、エンディングノートは法的な効力を持ちません。正式な手続きを通し遺言書を別に書いておくことをおすすめします。
残された時間を前向きに過ごすために
終活でやらなければならないことは多いです。時間や手間がかかるのは、お金のことでしょう。複数の銀行を活用しているなら、解約のために時間をかけなければなりません。有価証券の処分についても考える必要があります。遺産の配分についても一朝一夕で決められるものではありません。
家族がもめないよう、深く考えて決めなければならないため時間がかかるのも当然です。体力が低下したあとで終活をしようとしても、簡単にはできません。このような理由で、終活は早めにはじめることをおすすめします。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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