
高齢者が気をつけたい震災時のトラブルと二次災害
投稿日 2019/03/25
最終更新日 2019/05/31
阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震など日本ではこの20年間だけでも大きな地震があり、小さな地震も含めると数え切れないほどの地震が発生しています。地震大国日本と呼ばれるほどであり、全国どこにいても地震災害に遭遇する可能性は高いです。
地震が発生した際にテレビやインターネットのニュースなどでは、高齢者が逃げ遅れてしまい、それを救出する映像や写真をよく目にします。体力が衰え、急いで逃げるという選択肢がない高齢者はどのような対策をしていれば良いのでしょうか?今回は、高齢者が気をつけておきたい震災時のことについてご紹介します。
震災の二次災害に注意
震災における二次災害とは、一次災害が震災そのものであれば、二次災害は震災がキッカケで発生する次の災害です。例えば、震災の影響で電気や水道が停止してしまった場合、季節によっては熱中症や脱水症状に見舞われる可能性があります。
特に高齢者に多いのは、避難所での生活。生活環境が大きく変わってしまうこと、見知らぬ人と同じ空間を共有することが大きなストレスで不安や不眠など心理的に大きな負担を強いられ、うつ症状などが起きてしまいがちです。また、適度な運動をしておかないと、エコノミークラス症候群(血栓症)や生活不活発病(廃用症候群)を引き起こす可能性もあるので要注意。
非常時に備えて準備しておきたいもの
地震や豪雨などの自然災害は、急に私たちの生活を脅かしてきます。その急な災害に備えて防災セットを準備しておきましょう。最低でも下記のものは抑えておきたいところです。
- 飲料水(2Lのペットボトル程度)
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- 靴やスリッパ(底の厚いもの)
- 普段持っているバッグ
- 着替え
さらに非常食や飲料水3日分やライター、ティッシュペーパー、予備電池、健康保険証、免許証
通常、印鑑、洗面用具、筆記用具、マスク、身元確認メモなどもまとめて玄関などに置いておくとさらに安心といえるでしょう。
もし、災害に遭遇してしまった場合、どのような流れで避難をするのでしょうか?
お知らせ方法は各自治体によって異なっておりますが、テレビやラジオ、市町村防災行政無線、携帯電話の緊急速報などで行われます。各地域には指定緊急避難場所が設定されているので、非常時に備えておいた荷物を持って指定緊急避難場所へ向かいましょう。身の危険を感じる場合は、早めの避難も心掛けておくべきです。
火の始末には特に注意
大地震が襲ってきたとき、最も注意しなければならないのが火の始末です。二次災害で最も多いのは「地震火災」であり、阪神・淡路大震災では、約10万人の犠牲が地震火災によるものだといわれています。
特に冬場では、灯油ストーブなど使用している家庭では注意が必要で、地震によって灯油ストーブが転倒。近くにある可燃物に引火することで地震火災へ。現在の灯油ストーブなどでは、揺れを感知して電源が切れるなど地震対策をしたものが出回っていますが、古いタイプをお使いのご家庭などは注意しておきたいポイントではないでしょうか。
まとめ
これからの超高齢化社会。高齢者の夫婦のみの世帯や一人だけの世帯など珍しくありません。このような世の中だからこそ、地域とのつながりは重要になってきます。
地震や豪雨などの災害時には、近隣住民の協力は欠かすことができないものであり、いざというときのために地域の防災訓練などに参加しておくこともおすすめです。また、災害時要援護者名簿に届けておけば、自力で避難することが困難な高齢者に対して、災害時の安否確認や避難誘導、適切な救援など地域全体でサポートを行ってくれるので、できるだけこのようなサービスを利用しておきましょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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