
ダブルケアはここが辛い!育児と介護が重なることによる苦悩とは?
投稿日 2019/04/17
最終更新日 2019/05/31
介護と育児が重なってしまうダブルケアは当然のことながら辛いものです。しかし「なんとなく辛い」という思いを抱えたままでは、改善されることはないでしょう。
まず「具体的に何が辛いのか」自分の状態を冷静に見直すことから初めませんか?辛さには、大きく分けて「身体的な辛さ」「精神的な辛さ」「経済的な辛さ」があると考えられます。それぞれの辛さにどう対処すれば良いのでしょうか。
ダブルケアのストレスを解消するコツを紹介いたします。
身体的な辛さ
ダブルケアの中でも、同居介護をしている場合、介護と育児に四六時中追われることになります。たとえば、3時間起きに目を覚ます新生児の世話をしながら、夜間の徘徊にも注意しなければいけない認知症の親の面倒をみるとなったら、介護者はいったいいつ眠れば良いのでしょうか。
もし、同居介護をしながらダブルケアするならば、1人の介護者に負担がかからない体制が必要になります。できれば介護、育児の中心となるのはそれぞれ別の人というのが理想的です。どうしても母親1人が何もかも任されがちですが、そうならないように家族でできるだけ協力し合うようにしましょう。
精神的な辛さ
ダブルケアの辛さは経験した人でなければわからない……ともいわれています。しかし「まわりに経験者がいなくて、誰にも相談できない」ということもめずらしくありません。
そんな時には地域包括支援センターなど、地域の介護相談窓口を利用するのもひとつの方法です。ダブルケアの事例も数多く見てきたケアマネージャーなどが親身に相談に乗ってくれるでしょう。
また、精神的な辛さを緩和するには介護や育児を忘れる時間も必要です。たとえば、週に何日かパートに出るなどして「社会の一員として必要とされている自分」を再認識するのも良いでしょう。ベビーシッターやヘルパーなどを利用して、自分だけの時間を作るようにしてください。
経済的な辛さ
介護費用は基本的には親の資産でまかなうべきものです。しかし、たとえば遠距離介護ともなれば交通費までは親に請求しにくいかもしれません。月に1度だとしても、新幹線や飛行機で遠方まで出かけるというのは家計には痛手です。
また、子どもも大きくなるにつれて、教育費もかさみます。ダブルケアの期間が長引くほど、ますます経済的に辛くなっていくことは間違いありません。
もし、親に相談できるようならば、いくらか支援してもらえないかざっくばらんに打ち明けてみるのもひとつの方法です。その他、飛行機や新幹線の各種割引を活用して、できるだけ節約するように工夫してみてはいかがでしょうか。
ダブルケアをしない辛さ
ダブルケアは身体的、精神的、肉体的に非常に辛いものです。それでも、これまでの親子関係が良好だったならば、ダブルケアにチャレンジしようという動機になるかもしれません。
しかし、子育ては、時として「自分がどのように育てられたか」を再認識するきっかけとなります。育てられる側から育てる側になることで、初めて親子関係に問題があったことに気づくケースは意外とあるものです。
そうなってしまうと、どうしてもダブルケアを引き受ける力が沸かないこともあります。罪悪感にさいなまれながら介護を捨て、育児だけを選ぶ人もいるでしょう。「ダブルケアをしない辛さ」もまた、あるのです。くれぐれも自分を責めすぎないようにしてください。
まとめ
介護と育児を同時に行うダブルケアは、けっしてなまやさしいものではありません。無理をしすぎないように、自分の心と体のケアも忘れないようにしたいところです。
いずれにせよ、すべてを1人で抱え込んではいけません。できるだけ家族の協力を仰ぐようにしてください。もし、それが難しいようならば、地域包括支援センターなどの相談窓口を活用しても良いのです。「頼れるものは何でも利用する」くらいの心構えでいましょう。
しかし、どうしても「これ以上は無理!」という時が来たら、介護施設の利用も検討しましょう。くれぐれも、子育て中の大事な体であるということけっして忘れないようにしてください。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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