
自立高齢者になるには何をすれば良いか!歯科治療で健康寿命延命
投稿日 2019/01/08
最終更新日 2019/03/21
高齢者は大きく分けて、自立して生活している高齢者と、介護が必要な高齢者に分けることができます。今回は、その中でも自立した高齢者にスポットを当てて紹介していきます。実際に自立している高齢者が定期的に歯科検診に行っているか、義歯を使用しているか、口腔内の清掃回数はどれくらいかなど歯科分野と連携の取れた調査内容になっていたのでぜひ、真似してみて自立高齢者の仲間入りをしましょう。
今回の調査では、60歳以上の高齢者を対象にしておこなわれています。GOHAIという口腔に関するQOL調査をおこない、その結果を明らかにしました。つまり、確実にとはいえませんが、この調査結果のようにすればみなさんも自立したまま生活を続けることができる可能性があるということです。
QOLとは?
冒頭部分で登場しましたが、QOLという言葉にまだ馴染みがない方もいるのではないでしょうか。QOLとは、生活の質(quality of Life)の略称です。生活の質というと解釈の方法は様々ですが、「生活をする上でトラブルなく日常生活が送れる」と解釈するとわかりやすいのではないでしょうか。
例えば、虫歯や歯周病が原因で歯が抜けてしまったとします。この状態を放置していても、生活はできますが、不便なことがありませんか?前歯が抜けてしまったら、見た目が悪くなります。また、奥歯が抜けてしまった場合は、審美面に与える影響は少ないですが、咀嚼(そしゃく)など「機能面」で影響が出てしまいます。
これが、QOLを低下させていると医学的に解釈されます。ただ、注意しなければいけないのはQOLとは患者さんの主観でしかないということです。つまり、患者さんが「噛めない」「見た目が悪い」などで困っていなければ、QOLが低下しているとはいいません。
そこで、今回の調査でも使用されたのがGOHAIという検査でした。
GOHAIの定義
GOHAIは、患者さんの主観的な感情で調査するアンケートのようなものです。GOHAIは、患者さんの主観でしか判断されませんが、結果が収束すると考えられています。
例えば、ラーメン屋さんの評価で例えて見ましょう。スープや麺の茹で具合、お店の清潔さ、メニューの豊富さなど、様々なポイントを評価してラーメン屋さんに口コミをつけるかと思います。5点満点だと仮定して、5点満点をつける人もいれば、2点をつける人もいらっしゃるでしょう。
何点をつけても、口コミとしては成立します。これが、主観で評価するQOL。つまり、GOHAI調査になるのです。
しかし、1000人評価をつける人がいて、一般的に美味しいというラーメン屋にいくと「4点台〜3点後半」をつける人が多いはずです。逆に、一般的にまずいというラーメン屋にいけば「2点台」に収束するのではないでしょうか。GOHAIも同じです。
歯が1本もない人は、GOHAIが低い傾向があり、入れ歯やインプラントなどで欠損した歯を補っている場合はGOHAIが高い傾向があります。
自立高齢者はQOLが高い
今回の調査結果の結論からわかったことは「自立高齢者のQOLが高い」ということです。具体的には自立高齢者は1年以内に歯科医院へ受診している人が多かったです。受診して定期検診をおこなっているからか、口腔内の自覚症状を感じやすく、食欲など口腔機能が維持されていることが多いことがわかりました。また、歯は1本以上欠損しているよりか、24本全てが残存している方のQOLが高くなる傾向があります。
自立高齢者の重要性
現在の日本では、生命の寿命以外に「健康寿命」という言葉が使われています。健康寿命とは、誰の介助も必要なしに自立して生活できる年齢のことです。厚生労働省の発表によると、男性の健康寿命は70.42歳・女性の健康寿命は73.62歳。そして、平均寿命は男性が79.55歳で女性は86.30歳です。男女で約10年は介護や介助などが必要な環境で生活する必要があるのです。
今の日本では、自立高齢者を増やして、介護が必要な年数を短くしようという働きがあります。ぜひ、みなさんも自立高齢者として生活できるようにQOLの向上に努めましょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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