
病院介護と介護施設の違いとは?
投稿日 2019/05/13
最終更新日 2019/05/13
病院介護と介護施設の利用で悩む方は少なくないでしょう。一昔前までは、病院でも、介護が必要な高齢者を受け入れているところもあったため、混同してしまいがちですが、近年ではその線引きがはっきりしています。今回は、病院介護と介護施設の違いについて見ていくことにしましょう。
病院介護と介護施設の利用、一体何が違うの?
病院介護と介護施設の大きな違いは、その目的です。病院介護の場合、介護がメインというよりも治療を本来の目的としているため、病気の回復に重点を置き、治療に専念した生活を送ることになります。それに対し、介護施設では生活が主体となるため、そもそも利用目的が異なります。病院介護は、治療に当たっている病気が回復すれば、当然退院を求められることになってしまいます。一方、介護施設では利用者の生活を手伝う、介助の満足度に重点を置くことが多いです。
病院介護と介護施設の介護環境と内容の違いとは?
実際に受けることのできる介護の内容についても、病院と介護施設で比較していくことにしましょう。
病院介護の場合
病院介護の場合、介護施設のように、日々の娯楽がフォーカスされることはありません。治療がメインとなってくるため、介護は検査のための移動の手助けや診察への付き添い、食事の世話、排泄の介助などが主となります。病院介護の場合、治療のための手助け=介護と考えると分かりやすいでしょう。
介護施設の場合
介護施設の場合、医療が必要になった時は、病院介護に劣ることがあります。怪我をした時などの治療は近くの病院へ出向き、任せるスタイルを取ることも少なくありません。その分、生活の快適さに重点を置いているのが一般的で、生活を援助するサービスが充実しています。日々の楽しみやイベントなどにスポットを当て、心のケア、コミュニケーションなども大切に考えます。食事の内容も病院介護より充実していることが多く、施設内では、要介護者の自由が制限されることはありません。病気や怪我などの治療が必要でなければ、介護の内容は介護施設の方が断然充実しているといえるでしょう。
看取りの面でも大きな違いがある
看取りという面でも、病院介護と介護施設では大きな違いがあります。回復が見込めない状態になった時に、病院介護の場合、ターミナルケアとして処置を行うことができます。ターミナルケアとは患者の苦痛緩和や家族が望む処置を医療として提供してもらうことをいいます。しかし、介護施設ではあくまで介護の上でのケアしかできません。酸素マスクや点滴などの対処策はもちろん介護施設でも行うことができますが、要介護者の苦しみそのものを取り除くことや家族の望む処置の選択は難しくなります。また、介護施設によっては看取りができるかどうかにも違いがあります。
病院介護と介護施設での保険の違いは?
介護が必要となった高齢者が認定を受け、介護保険を持つようになると、ややこしくなるのが介護保険と医療保険の「どちらを使うことになるのか?」ということ。病院介護と介護施設での保険についての違いについて見ていくことにしましょう。
病院介護の場合
介護がメインの介護施設ではなく、病気を治療する病院介護の場合、基本的に医療保険が適用されます。医療目的で保険を使う場合は、医療保険が適用となりますので、介護保険を使用することはできません。これは、訪問介護やリハビリ治療でも同一です。医療目的で病院介護を利用する場合、収入がなく、低所得者というケースも多くなりますので、介護施設と比べかかってくる費用は安いことも少なくありません。ただしこれも収入によって大きく異なります。医療保険適用で、入院という形を取っても収入が高い場合、支払う費用が高くなるケースももちろんあります。また、医療保険が適用されますので、難病として診断された場合の難病申請や高額療養費、医療費控除の申請が行えます。詳しくは、病院のソーシャルワーカーに相談してみると良いでしょう。
介護施設の場合
介護施設の場合、通常通り介護として介助を得ることになりますので、介護保険が適用されます。介護施設の場合、要介護認定により、月々の上限が決まってしまいますので、要介護者の介護認定のレベルにより、介護施設利用の自己負担額は変わってきます。詳しくはケアマネージャーに相談してみましょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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