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認知症の家族を在宅介護し続けることは可能か

最終更新日2019年04月25日10:15

「育児はマラソンに似ている」とはよく耳にする言葉ですが、育児がマラソンならば介護は「ゴールの見えないマラソン」ではないでしょうか。特に認知症の方を介護することは、経験のない方には想像できないほどの苦しみや葛藤があります。
育児には日々の成長が見られるという喜びがあり、入学式や卒業式など、節目をむかえるごとに親の手間は減っていきます。そして、個人差もありますが、成人や就職、独立や結婚といった「ゴール」が見えているのも事実です。どんなマラソンでも「ゴール」があるとわかっていれば、次の一歩が踏み出せます。
しかしどこにも「ゴール」が見えなかったとしたら? この辛い現状がいつまで続くのだろうか、一生終わることなどないのではなかろうか……。在宅介護をしている介護者がふと、そんな風に感じたとしたら、それは介護することが限界にきている時かもしれません。

認知症の進行と介護する家族の心理的負担

2019年現在、認知症は進行性の病とされています。初期段階における対処療法や、進行を遅らせる、または進行を止めるために推奨される生活習慣や食事内容の研究が進められていますが、一度発症した認知機能の低下は確実に進んでいくというのが、現在の一般的な認識です。
「子どもを見ていると思えばいい」などという介護未経験の言説もありますが、育児と介護の違いは成長と後退であり、全く異なるものです。認知症の方が自分の親や配偶者など身近な関係であればあるほど、介護する側の心理的負担は重くなります。元気で健康な頃の姿を知っている分、「なぜそんなこともできないのか」「なぜそんなことを言うのか」と、認知症のために変わっていく姿を受け入れられないことも少なくありません。そのような心理的負担は介護者による虐待に繋がったり、介護者自身の精神的疾患を招いたりします。
腰痛や骨折など、身体的な症状が現れれば当たり前のように病気療養するのに、目に見えない精神的な苦しみは我慢で済ませられると思われている風潮が日本には蔓延しています。しかし、精神的な疾患のほうが肉体的な病気よりも治療が難しく、長引く可能性があることは事実です。ご家族の介護を在宅で行うと決めた方、または今現在、在宅介護をされている方は、ご自身も常に病気になってもおかしくない立場にいることを、常に気に止めておく必要があります。

認知症の家族を在宅介護することにより起こり得る物理的危険

認知症の大部分をしめるアルツハイマー型認知症を例にあげると、その進行度合いは早期、軽度、中等度、高度の4段階に分けられます。初期段階とされる「早期」は、認知症なのか単なる物忘れなのかの区別がつきにくい状態です。この段階ではまだ、日常生活が可能です。しかし「軽度」以上の段階になると日常生活に困難が生じ始め、介護生活を余儀なくされます。

軽度アルツハイマー型認知症

「認知症」と診断が下り始める「軽度」の時期になると、下記のような問題行動が見られ始めます。

  • 物忘れが激しくなる
  • 道に迷う
  • 金銭の取り扱いができなくなる(請求書の不払い、金銭の貸し借りを忘れる、など)
  • 同じ質問を繰り返す
  • 性格が変わる(怒りっぽい、人のせいにする、など)

上記のような症状が見られるようになると、火の不始末による火事、徘徊の末に行方不明になるなど、介護者が我慢をするだけでは済まされない重大な事故につながり得ることもあります。
徘徊の際には迷子にならないように、金銭を取り扱う時には騙されないように、または不払いが生じてしまわないように、介護者が常に注意を払わなければならない状況も多くなるでしょう。しかしこの時期は、介護者が必要と判断して手助けしようとしても、認知症の方の自尊心がそれを受け入れられないことがままあることも事実です。それゆえ、認知症の方と介護する家族の間でのいさかいが絶えない時期ともいえるかもしれません。

中等度アルツハイマー型認知症

「中等度」まで進行すると、見守りだけでは足りず、本格的な介護が必要になってきます。

  • 記憶障害(新しいことを覚えられない、昔の話を昨日のことのように話す、など)
  • 親しい間柄の顔もわからなくなる(家族、友人を見ず知らずの人のように扱う)
  • それまでできていた単純作業ができなくなる(衣服の着脱、食事など)
  • 幻覚、妄想、衝動的行動など

身体的な不具合はなかったとしても、着替えや食事、そして正しい場所での排泄が困難になり、それらの介護が必要になる時期です。また、人によっては睡眠障害も起こり始め、夜間の徘徊や、真夜中に誰もいないところで談笑する(幻覚、幻聴)なども見られます。もしこの時期の認知症の方を、家族のどなたか一人が在宅で介護していたとしたら、間違いなく睡眠不足にさらされます。抑うつ状態や体調不良にみまわれることもあるかもしれません。それでも、決して目を離せない状況にあるのがこの時期です。

高度アルツハイマー型認知症

「高度」に及ぶと、身体機能の低下も見られ、完全な介護および医療的ケアが要求される状態になります。

  • コミュニケーション能力、言語の喪失
  • うめき声で何かを訴える
  • 嚥下障害(食べ物を飲み込むことができない)
  • 寝たきり

徘徊や、火の不始末による火事などに注意を払う必要はなくなる時期です。しかし、身体機能の低下により認知症の方が自分でできることが限りなく無に近くなるため、その分、介護の手間も増大します。着替え、排泄、入浴の介護以外にも、人によっては食事も困難になるため、胃ろうや痰吸引といった医療的ケアも必要になるでしょう。在宅介護を続けるためには、介護するご家族はそれらを習得するために、施設や病院に付き添いで滞在することを強いられる可能性もあります。

認知症の家族を在宅介護し続けることは可能か

認知症の家族を介護する時に、まっさきに語られるのが精神的苦痛です。しかし、精神的苦痛だけではなく物理的な負担が発生することも、おわかりいただけるのではないでしょうか。
介護疲れによる虐待や介護者の精神疾患はもとより、介護者が過労で倒れてしまう危険性をはらんでいるのが在宅介護です。「少し目を離した隙に徘徊してしまっていた」「うたた寝した隙に火事になっていた」という重大な事故が起こりうる在宅介護を、「家族だから」という精神論だけで続けるのは難しいと考えられます。
医療的ケアが必要になった時、すぐに介護者である家族が習得できるとも限りません。医療的ケアが必要になったタイミングで突然入院入所に移行しようとしても、認知症の方が新しい環境に慣れることは困難です。
認知症になったからといってすぐに入所を考えるのは時期尚早と思われる方もいらっしゃるかもしれません。けれども入院や入所が必要になった時に備えて、早い時期から施設に慣れてもらうこと、つまりデイサービスや短期入所を利用して、ゆくゆくは施設入所も視野に入れておくことが、認知症の方を在宅介護する上での「ゴール」になり得るのではないでしょうか。

弊社担当のご紹介田中 晴基(介護施設スペシャリスト)
入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。

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