近年、何かと話題になることが多い「働き方改革」

若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会を目指し、「一億総活躍社会」に向けた取り組みを推進していく旨を宣言しました。
一億総活躍社会実現のためには、定年退職を迎えた60歳以上のシニア世代の力が欠かせません。

彼らは一度リタイアしたとはいえ、長年培ってきた経験に裏づけられた知識や技術を有した優秀な労働力であり、それは若い世代が持ち得ない財産といえるでしょう。

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60歳を過ぎても採用したいと思われる人材とは

では、現実問題としてシニア世代の再雇用はどうなっているのでしょうか。
60歳を過ぎて会社に残って活躍できる人、退職後に他社でも活躍できる人には、大きく分けて3つの共通項があるとされています。

まず挙げられるのは、周囲への配慮・気配りです。

当然ですが、再雇用されたシニア世代は皆60歳以上で、現役世代よりも年上で、場合によってはかつての上司ということになります。そういった都合もあり、シニア社員は扱いに困ってしまうものです。

その上、昔の武勇伝を語ったり上司気分で説教したりでは嫌われてしまうというもの。言葉を変えれば、コミュニケーション能力ということ。周囲と協調して仕事をする能力は、年齢を問わず大事なスキルということです。

次いで求められるのが、知識や技術、ノウハウといったプレイヤー能力の高さです。

これは、長い年月をかけて培ってきたシニア世代に求められる最たるものではないでしょうか。業界の専門知識や語学力、対外的な交渉力などに長けた人は、長年勤めた会社の外に出ても十分通用する市場価値が高い人材といえるでしょう。

そして3つ目は、課題を見出し周囲と共に解決するための問題解決能力です。

問題解決能力は、何よりも経験が物を言いますそういった意味では、現役世代がシニア世代に頼りたい部分といえるのでしょうか。客観的な視点で危機感を持ち、自ら率先して問題解決のために動ける人は頼り甲斐があります。

シニア人材の能力というものは、その人が現役時代どう働いてきたかという結果です。定年後に見につけようと躍起になっても、一朝一夕で身に着けられる力ではありません。これまで積み上げてきたキャリアの棚卸しをすることで、現場で使える能力やスキルが見つかるでしょう。それに伴い、自分の強みも分かってくるはずです。

ここまでシニア人材に求める能力について説明してきましたが、やはり最後は人柄でしょう。どれだけ高い能力があっても、一緒に働きたと思える人でなければ、雇用者側も再雇用には踏み切れません。何よりも一緒に働きたいと思われる人になることが、再雇用への近道なのではないでしょうか。

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意識してしまう年齢問題

日本は海外と比較して、エイジズムが多く見られるといわれています。

エイジズムとは簡単にいえば年齢差別のこと。日本でも性差別や人種差別への考え方が浸透してきれはいるものの、年齢差別に関してはまだまだ根強いものがあります。

その最たるものが、就職・転職における年齢制限ではないでしょうか。日本では2007年に改正された雇用対策法10条で、「年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」とされているものの、実際は募集の際の制限が撤廃されたのみに留まり、年齢による選別が当たり前に行われています。

確かに、技術やノウハウに長けているシニア人材も、現役世代と比べれば体力などで衰っているのは事実です。逆に「若いから」という曖昧な理由だけで若者から仕事の機会を奪っている場面もあります。

日本では、ほとんどの人が差別という意識もなく、当たり前のように年齢差別を行っています。年功序列という言葉もあるように、少なからず年齢の上下は意識してしまうものです。

しかし、こうした意識を改めない限り、エイジズムはなくならず、シニア人材の再雇用──ひいては働き方改革が真の意味で成ることはないでしょう。

60歳以上が働いてみたい職場ランキング

anレポートは、シニア世代にやってみたい仕事についてアンケートを実施しました。

やってみたいアルバイトの職種

男女共に「事務・入力・受付」が人気という結果に。

順位自体は全年代と同じものの、選んだ理由が特徴的で「半世紀以上経験したので若い人には負けないスキルがある」「PC作業はサラリーマン時代の仕事で慣れている」というシニアならではという意見が見られました。

「働きやすそう」だと思う具体的なアルバイト先

1位となったのは「イオン」。2位に「セブン‐イレブン」、3位に「ヤマト運輸」が選ばれており、日常の経験がこの回答につながったようです。

理由には「自宅から近い」「様々な年代の人が働いている」「年配が働いてそう」という意見が挙げられており、「実際シニアを採用しているかどうか」が関係していることが伺えます。

このアンケートの結果から、シニアが働きやすいと考えるアルバイト先は「年齢に対する理解がある」「スタッフの印象が良い」「誰にでもできそう」の3点。労働力不足の現在、シニア採用のために覚えておくべきポイントといえるでしょう。

60歳以上の採用は

年齢を理由に採用が敬遠されがちなシニアですが、重ねた年齢分の豊富な経験や知識、得意な分野があり、体力的な問題で難しい仕事などを除けば、十分に活躍が期待できるでしょう。

今の日本において60歳を過ぎても働き続けたいという意欲に満ちたシニア層は大勢いらっしゃいます。もちろん、年金の問題もあり働き続けなければならないという理由もあるでしょう。

シニア世代が活躍できる場を提供することが、今後さらなる減少が見込まれている労働力人口の問題を解決するための一つの鍵といえます。

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