介護労働安定センターが発表した「介護労働実態調査(2017年度版)」によると、全国の6割を超える事業所で職員の不足を実感されていて、前年より悪化していることが分かりました。
4年連続で人手不足は悪化しており、これを受けて「処遇改善加算」が拡充されたものの、現時点ではまだ事態を好転させるほどの効果が現れていません。

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介護現場の人手不足とその理由

超高齢化社会に突入した日本において、介護の需要が増しているのは周知の事実です。
なぜなら、介護職員の数自体は年々増えているものの、介護を必要とする人はそれ以上のペースで増加しており、需要の数に供給が追いつけていないのです。

しかし、人手不足は何も介護業界だけの問題ではありません。少子高齢化が進むなか、人口の減少に比例して生産年齢人口も減少しているため、人手不足は日本全体で問題となっています。

一方で、最も大きな問題と思われがちな介護職員の離職率は、他業種と比べても決して高くはありません。多くの方が持つ介護職のイメージからすると意外かもしれませんが、「仕事が大変で転職してしまう人」というのは、そこまで多くないのです。

介護現場で人手不足の理由として一番に挙げられているのは、「新しい人を採用する困難さ」なのです。

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介護職員の賃金問題

では、なぜ新しい人が入ってこないのでしょうか。

介護職員の採用を困難にしている最大の理由、それが「賃金」です。介護事業所は、決められた介護報酬の収入しか得られないため経営が厳しく、結果として賃金が低くなってしまいます。

「介護労働実態調査(2017年度)」によると、月給で働く介護職員の所定内賃金は、平均で21万1464円と前年度より3302円高くなっています。しかし、その一方で月給のホームヘルパーの平均給与は、1445円増の19万8486円と、依然として20万円に満たないのです。

全産業平均との差は、ヘルパーが10万超、介護職員は9万となっており、これだけでも介護業界の給与の低さが分かるでしょう。これでは、介護業界に興味を持ち転職を考えた人がいたとしても、採用に至らないのも頷けます。

人手不足解消のための課題

「介護労働実態調査(2017年度版)」の結果によると、職員の数が「大いに不足9.6%」「不足24.4%」「やや不足32.6%」と、不足していると答えた事業所が全体の66.6%となりました。
人手不足は一人当たりの業務負担を増大させるため、深刻化すると離職を促すきっかけとなり、更なる人手不足を招くことにもなりかねず、早急な対策が求められます。
では、将来的に更なる人手不足が予見される介護業界で、どのようにこの問題を解決していけばよいのでしょうか。

一つの結論として、国の手助けが必要です。
人手不足の理由として最も多く上げられた「賃金の問題」は、事業所の努力だけでは解決が難しいため、国を上げた取り組みが欠かせないでしょう。また、国を挙げて外国人労働者の受け入れ体制を整えており、外国人介護福祉士の活躍が期待されています。こうした国を挙げての取り組みが、人手不足問題の根本的な解決に必要なのは間違いありません。

介護は、これからの日本にとって必要不可欠な仕事です。にもかかわらず、適正な評価が得られていない現状があります。賃金を含め、介護という仕事への理解や敬意を含めた適正な評価が必要なのではないでしょうか。

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