超高齢社会である日本では、75歳以上の後期高齢者人口が増加しています。

2015年の農林水産省推計によれば、「地方の人口減少」「都市部のスーパーの大型化、郊外化」に伴う小規模食料品店の撤退などにより、食料品アクセス困難者──いわゆる買い物弱者は、全国で約825万人にも及ぶことが判明しました。

都市部への人口一極集中に伴いより、今後買い物弱者は地方よりも大都市で増えることが予測されます。では、現在の高齢者の買い物事情は、どのようになっているのでしょうか。

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高齢者の買い物事情

花王株式会社「生活者研究センター」が実施したシニア女性の買い物事情に関する調査によると、首都圏で自立生活を送る約半数のシニア女性(70~80代)が、「ほぼ毎日」もしくは「週4~5回」食料品や日用品などの買い物をするという結果になりました。

誰かと一緒に買い物へ出かける人は少数派で、4人に1人程度。多くの方が家族や夫と同居しているものの、買い物には1人で行く人が多いことが分かります。

また、買い物先で最も多いのは「スーパーマーケット」(99%)となっており、次に「ドラッグストア」(65%)、「百貨店、デパート」(56%)、「個人商店(パン屋、八百屋など)」(55%)、「100円、300円均一ショップ」(49%)、「コンビニエンスストア」(45%)と続きました。

中でも注目すべきは「コンビニエンスストア」で、5年前の32%から45%と、10%以上増加。商品に関しても、サラダや惣菜が人気の商品として挙がりました。

コンビニエンスストアは、日常品の買い物先としてはシニア女性からやや敬遠されていた傾向にありましたが、近年になり身近なお店として定着しつつあるようです。コンビニエンスストアが一般的になり時間が経ったことで、馴染みのある世代が高齢者にシフトしていったことも関係していると思われます。

買い物は楽しみ?面倒?

シニア女性は、「自分の目で見て選びたい」(96%)、「元気なうちはできるだけ自分で買い物に行きたい」(96%)と考えていることから、買い物を「楽しみ」(81%)の一つと捉えていることが分かります。

このほか、「運動のため」(78%)、「老化防止のため」(77%)としている方も多く、買い物は高齢者女性にとって良い外出の機会にもなっているようです。また、買い物を楽しむ以外にも商品を見ることや、お店の人のやり取りが楽しみという声もあり、シニア女性にとって人とつながりを感じられる大事な機会になっていることも伺えます。

買い物を一つの楽しみとしている人が多い一方で、買い物を不便や面倒と感じている方も思いのほか多く、購入した重い荷物を運ぶのが面倒という人や店までの距離が遠くて億劫という人、天候次第で外出を控える人もいます。年齢を重ねると肉体的な衰えや買い物への意欲減退により、少しずつ外出の機会が減っていくようです。

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買い物嫌いのシニアも

多くの高齢者が買い物を楽しんでいる一方、買い物を面倒に思い積極的には外出しようとしない人も少なくないことが分かりました。冒頭でも述べたように、いわゆる買い物弱者が増加しており、現在地方に多いこうした高齢者は、今後都市圏に増加することが予想されています。たかが買い物と考える人もいることでしょう。

介護や医療の問題と比べて、そこまで大きな問題と考えていないのかもしれませんが、買い物ができない状況というのは、ただ買い物の楽しみが失われるだけでなく、想像以上に深刻です。物を買うことができないということは、食べ物や日用品が手に入らないということです。

ティッシュペーパーやトイレットペーパーがない生活を想像してください。また、食料が調達できなければ、生きていくことができません。物を手に入れることができないということは、不便という言葉だけでは片付けられない社会的な課題といえるでしょう。

買い物弱者問題への取り組みとして、インターネットの利用が期待されているものの、あまり現実的なアイデアとはいえないかもしれません。

確かに、高齢者のインターネット使用率は年々上昇して入るものの、70歳以上は5割弱、80歳以上は3割未満と、高齢者にとってインターネットショッピングはまだまだ一般的とはいえない状況です。

もちろん、当サイトの熱心な読者である皆様のようにインターネットを積極的に利用するシニアも多いですが、多くに方にとってはインターネットは「よくわからないもの」であることが多いのが現実でしょう。

現状、買い物弱者への支援は民間任せです。状況を打破するためには、官民手を取り合った柔軟な対応が必要と思われます。

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