若者の言葉を指して「日本語の乱れ」「正しい日本語が失われる」と嘆く人がいます。こうした方の多くは、ある一定以上の年齢にある「大人」です。

しかし、こうした意見は何も今に始まったことではありません。古くは平安時代に、「日本語が乱れている」という考え方が既に存在していたました。

いわゆる「最近の若い奴は」と同様に、時代を問わず言われ続けているのです。おそらく、現在この言葉を「口にしている側」の方も、何十年か昔まだ若かった頃には同じ言葉を「言われる側」だったのでしょう。

最近の若者の日本語は、本当に「乱れている」のでしょうか。また、「正しい日本語」とは一体どんな言葉なのでしょうか。

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現代の若者言葉

「わかりみがある」「やばみ」「ワンチャン」「リアタイ」などが比較的新しい言葉になります。

基本的に若者間の雑談から生まれることが多く、既存の言葉の誤用や略語から定着するようです。

そのまま一般的な言葉として定着した言葉も一部あるものの、ほとんどがその世代の人間だけが使う言葉(コーホート語)、もしくは一時的に流行した言葉になります。

また、近年はSNSの普及により生まれた言葉もあり、代表的なものとして、写真投稿型SNSのインスタグラムから生まれた「インスタ映え」があります。

つまり、若者言葉とはその時代に生まれた新しい言葉、変化した言葉のことです。「若者の日本語が乱れている」という方は、自分が持っている日本語という型とは異なる言葉を、「乱れ」と感じているのでしょう。

ネットスラング

ネットスラングとは、文字通りインターネット上で使用されるスラング(隠語、略語、俗語)のことです。ネット上のコミュニケーションは基本的に文章でのやり取りになるため、音ではなく文字として生まれたという特徴があります。

一般的な若者言葉が仲の良い友人・知人とのコミュニケーションで使われる言葉である一方、ネットスラングは基本的に顔が分からない人間とのコミュニケーションで使われるという違いがあります。

インターネットの普及によりネット上だけでなく、いわゆるリアルでも使われるようになった言葉も少なくありません。例えば今となってはニュースで使われている「炎上」という言葉も、もとはネットスラングです。

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海外の若者言葉とは

言語の違いこそあれ、海外にも多数若者言葉は存在します。

例えば、英語圏では若者言葉を「スラング」と呼び、日本と同様にティーンエイジャーの言葉として認識されています。言葉の成り立ちや使われ方も類似しており、やはり友人とのコミュニケーションで略語などが使われていることが多いようです。

また、言葉の流行り廃りが激しいため、テレビやネットで取り上げられる頃には既に古くなっていることが多い点も共通しています。

ただし、アメリカには、ユーザー投稿型のスラング専用オンライン辞書が存在しており、その時代に流行している若者言葉がチェックできるようになっています。

正しい日本語とは?

上述したように、言葉の変化は日本語に限ったことではありません。

また、言葉は時代や年代を問わず変化し続けるため、言葉に「意味」はあっても「正しい日本語」はそもそも存在しないのかもしれません。また、言葉は乱れるというほど、秩序だった整っているものではないでしょう。

言葉をコミュニケーションの「道具」として考えると、使いやすいように変化させていくのは、自然な流れといえます。
若者同士のコミュニケーションに用いられる若者言葉は、単純な事実や正確な言葉遣いよりも、共感など感情的な部分が優先されて変化した言葉といえます。そのため、若者の仲間という枠の外にいる「若者ではない人」が理解できないのは当然かもしれません。

仲間同士の親密な関係性を言葉で表し、自分のことのように感じられて嬉しいという精神こそ「大和心(大和魂)」なのではないでしょうか。自分が知らない言葉分からない言葉を使っているからといって、それを「乱れている」「正しくない」と断じることはできません。

そもそも、「日本語の乱れ」「正しい日本語が失われる」といった意見は、自分の日本語が正しいという前提があって成り立つものです。正しい日本語を求めて世代を遡っても、どの時代の日本語が正しいと言い切ることはできないでしょう。言葉は変化します。言葉に正しさを求めるよりも、理解しようと向き合うことが必要なのではないでしょうか。

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