
施設の入居指針を変更?必要なひとのために・・・。
投稿日 2016/06/24
最終更新日 2016/06/30
しかしこの特養の入居に関しての指針は要介護度や認知症の症状の程度、介護する家族の状況などを点数化して点数が高い人から入居をしていくようになっています。今の指針では痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアの必要性は加味されていないため、同じ介護度、同じ家族の状況でも入居を必要とする人が漏れてしまうことも考えられます。
こうしたことがないように入居の指針を検討し直す必要があるとされています。
現在の入居指針の問題点とは
現在の入居指針では要介護度を始め、家族の状況、認知症の有無を
点数化して高い点数の希望者から入居をしていきます。確かに点数化すると入居審査委員の余計な感情が入らず公平に入居審査が行えます。しかし、これらの項目だけで本当に施設に入居する必要があるかどうかが判定できるかは微妙なところのような気がします。現行の指針で加味されていないのが医療的ケアの部分です。要介護度が高く、在宅で生活している人の中には頻回な痰の吸引を行っている、経管栄養を行っている要介護者も少なくありません。これらは訪問看護を利用している場合もありますが、介護をしている家族が担っていることも多いです。
このケアは24時間休まることがないものです。特に痰の吸引は窒息するリスクも高くなるため、気が休まることもないでしょう。そうしたケアのことが加味されていない現行の指針には問題があります。
どう指針を変えていくのが良いのか
現行の指針と合わせて組み入れるべきことは先述した医療的ケアの有無があります。医療的ケアを行っている家族の負担は大きく、介護者の身体的・精神的な負担にもつながります。そうしたことを施設に入居することで解消し、
家族の生活の負担を減らすことも大切な意味を持ちます。
また、虐待を受けている・受けているかもしれないという場合にも入居を急ぐ必要があります。虐待を受けるということは要介護者の生命の危険にもつながります。さらに虐待をする介護者にも必要な支援があるでしょう。
在宅介護ではしばしば虐待による事件や介護殺人などの事件が起こります。こうしたことを未然に防ぐにはやはり施設への入居も必要なことになるでしょう。
まとめ
特養などの入居指針。平成27年度の介護保険改正で原則要介護3以上が対象とされたことはこれからの介護保険を維持していくためにも必要なことかもしれません。しかし現行の指針のように要介護度や家族の状況、認知症の症状の有無だけではなく介護者の負担が大きい医療的ケアも含めて検討していく必要があるでしょう。
そして本当に必要な人が特養などの施設に入居できるように見直しを図るとともに入居できずに在宅介護になる場合にも必要な支援が受けられ介護者の負担が軽減できるような仕組みを作り上げて欲しいと感じました。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
関連記事
- 高齢化社会への対策とは?今、何をすべきなのか
今の日本は「少子高齢化社会」です。出生率が低下している中、高齢者の割合が著しく上昇しているので、2030年には、日本人口の3分の1が高齢者になると言われています。これを2030年問題というのです。当然
詳しくみる - 介護人材不足解消へ……コミュニケーションロボットの活用は介護現場をどう変えるか?
介護現場では人材不足が深刻です。介護施設の6割以上が人手不足を感じています。労働条件の緩和など介護現場では働きやすい環境作りに取り組んでいますが、人材不足の解消にはつながっていません。そこで介護者の代
詳しくみる - 体を温める冬の食事7選 冷えを解消するために
冬が近づくに連れて、温かいものが食べたくなりますよね?体を温めることは細胞を活性化させることに繋がるため、健康にも良いと言われています! (さらに…)
詳しくみる - 高齢者が冬に気をつけたいヒートショックとは?症状と予防方法
皆さんはヒートショックという症状を聞いたことがありますでしょうか。高齢者が自宅で死亡する事故の4分の1はこのヒートショックが原因だと言われています。 (さらに…)
詳しくみる - 歯の本数と睡眠に関係が!?健康のためには歯の健康を
「歯は健康の原点」なんて言われたりしますが、先日東北大学の発表で歯がない高齢者は短時間・長時間睡眠のリスクが高くなることが明らかになりました。 (さらに…)
詳しくみる
あなたにおすすめの介護施設
エリアから探す
全国の介護施設を検索することができます。都道府県を選択してください。