
高齢者施設での事故を予防するためにはどうすればいいの?
投稿日 2016/10/11
最終更新日 2016/10/11
ここでは事故予防に対してやるべきこととやってはいけないことについてまとめます。
高齢者施設ではその性質から軽微な事故から重大な事故まで様々な事故が起こっています。
正しい事故予防に対する知識を持ち、安全に過ごすことができるような環境を造っていきませんか?
事故予防でするべきこととは
高齢者施設での事故は軽微なものから重大なものまで様々です。
また事故が起きやすい時間帯や場所などもあります。そうしたことを知るために事故の分析をしていきましょう。
事故を分析する際には「環境」「行動(習慣)」「時間」「薬」の4つを最低限チェックします。
例えば入所者が転倒したという事故が起こってしまった時には【滑りやすい環境だった】【いつものようにかかとを入れずに靴を履いていた】【起床直後だった】【前日に睡眠薬を内服していた】などが分かります。
このことはその転倒した入所者がどのような状態で転倒しやすいのかを理解することにもつながります。
また転倒の事故が多いのであれば下肢の筋力を向上させるような運動を取り入れてみましょう。
運動の機会が少なければ下肢の筋力が低下していきます。
そうすると転倒のリスクを高めてしまうため、レクなどに筋力向上のための運動を取り入れていきましょう。
事故予防でしてはいけないこととは
事故が起こった時にしがちなのが「誰が悪いのか」という探り合いです。
介護職を責めてしまうと今後事故が起こってしまった時に表面化しにくくなると共に、介護職の士気も低下させてしまうことになります。
そして介護職の未熟さを指摘するようなことがあってはなりません。
指摘された介護職は失敗を恐れてしまうようになり、事故を隠すようになるかもしれません。
また事故が起こったことを家族に説明する時にはしっかりと詳細を説明しましょう。
ただ「転倒しました」というだけでは具体性がなく、家族が不信感を持ってしまいます。
どのような状況でどうやって転倒し、けがなどの有無や医師の診察を受けたのかどうかなどもしっかりと説明することが求められます。
まとめ
高齢者施設では転倒などの事故が起こりやすい状況です。
しかしその事故を隠すのではなく、しっかりと報告する、報告された事故を分析しなぜ事故が起こってしまったのかを検討して今後の事故予防につなげることが求められます。
そして介護職の責任とするのではなく、施設全体での責任になるということを周知させ、安全に高齢者が過ごすことができるような環境を造っていくことが必要になるでしょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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