成年後見人制度は知っていますか。この制度は病気や認知症などで判断能力が低下した人に対して使われる制度です。本人の持つ財産を管理する、訪問販売などの不正な契約を解消するなどの権限があります。しかし、本来判断能力が低下した人を守るためにあるこの制度を悪用し、財産を着服してしまう後見人もいて、刑事告訴されるケースも後を絶ちません。
悪用されるケースもある成年後見人制度。安心して利用するにはどうしたらいいのでしょうか。

後見人制度とは

成年後見人制度に不正が!?自分の財産を守るために。についてのイラスト
後見人制度には二種類あります。一つ目は任意後見人です。これは、本人の判断能力がしっかりしているときにあらかじめ後見人と契約しておくことです。二つ目は法廷後見人です。認知能力が低下し、判断が難しくなってきた場合に、家庭裁判所が「成年後見人」「保佐人」「補助人」という三種の中から決めます。これは本人の認知の程度、判断能力の程度から決定されます。

後見人の仕事としては、本人の預貯金の管理(出し入れ)、預貯金他の財産の管理、不利益にならないように契約を交わし、不利益な契約は契約を破棄するといった仕事もします。後見人制度で、後見人に選ばれる人は弁護士、司法書士、親族の順で多くなっています。しかし、弁護士や司法書士など信頼できる人を選出しても不正は起きてしまうのです。

成年後見人の報酬は?

成年後見人の仕事に対する報酬は、後見人制度を受ける人の管理する財産金額によって決まります。財産金額が多い人ほど、後見人の報酬も上がるのです。そこで「認知症もあるし、少しくらいなら着服してもばれないな」といったよくない考えも出てきてしまうのではないでしょうか。ある調査では着服された金額が約20億にもなったと言われています。有効に使われているはずだった財産も後見人の私欲により、無駄になってしまったのです。わかっているだけで20億なので、もっとあるのかもしれません。考えただけで恐ろしい金額です。

今後の後見人制度

高齢化社会が進み、2025年には40%もの人が高齢者になります。その中で認知症を持つ人も少なくないでしょう。また、財産を持つ人も少なくないと考えられます。このような背景から成年後見人制度は必要不可欠な制度になります。しかし、成年後見人制度を利用する人が増えていくほど、不正も多くなると言えます。安心して老後を迎えるためにも、まずは家族で財産の配分などについて今から話し合いをしたらいかがでしょうか。また、法的に効果のある遺言状も良い手立てかもしれません。

参考元:読売新聞