介護施設などで行われているレクリエーションの中で、手芸など手先を使ったレクリエーションを行っている事業所はとても多いと思います。定番なのは「カレンダーぬりえ」。施設で塗ったあとに自宅や自室に飾ることもでき、また訪問介護に来る日やデイサービスに行く日など予定を書き込むこともでき、今日が何日何曜日なのかという確認の脳トレーニングにもなり一石二鳥にも三鳥にもなると人気なようです。
また材料費もほとんどかからず、危険なものも少ないことも人気の理由なのではないでしょうか。
しかし、こういったレクリエーション。マンネリ化してきていませんか?

レクリエーションの観点ではなくアートを目指す

自由な発想で創作!?誰でも簡単なリハビリアートについてのイラスト
絵画造形創作アトリエを主催している北崎(吉島)洋子さんという71歳の女性がいます。北崎洋子さんは、東京都世田谷区に住む女性です。
103歳の父親の介護を経験し、介護とアートを共存できないかと日々模索していたそうです。創作活動は手先のリハビリテーションにもなりますし、指先を動かすことやいろいろな色彩を目にすること、指先でなにかに触れそのものの感触を味わうこと、すべてが脳を刺激し認知症の進行抑制に効果があるといわれています。

与えるのはヒントだけ

北崎洋子さんは、父親の通うデイサービスでアートリハビリ教室を開いてほしいとの依頼を受け、北崎洋子さんの妹である橋本万里子さん65歳とともに、高齢者を対象としたアート制作指導を考えるようになりました。
教室では、あくまで「ヒント」を与えるだけです。針金や枝、厚紙、紙粘土など安く手軽に手に入るものを豊富にそろえました。始めたころは「興味がない」とそっぽを向いていた男性も、次第に夢中になっていったそうです。

この活動をどんどん広めたい

3年前より、地域の介護職を対象としたアートリハビリ研修会を開いていたそうですが、なかなか参加者は集まらず悩んでいました。そして思い立ったのが
「この内容を本にしてみよう」ということでした。
「身近な素材でArtクラフト」(朝日出版社)というタイトルで、針金の瓶カバーやクリスマスのろうそくたて、石のペーパーウェイトなど様々なアイデアを掲載しています。この本でももちろん、アイデアやヒントを提供しているだけです。「こうしなければいけない」という内容は少しも書かれていません。
この本に掲載されているヒントをもとに、北崎さんや橋本さんが思いつかないことをどんどん考えて新しいアートが生まれていくのではないでしょうか。できるだけ多くの人に読んでもらいたいです。

引用元:中日新聞