
アウトカム評価とは?医療においてどのような制度なのか?
投稿日 2016/11/24
最終更新日 2018/08/29
このアウトカム評価とは医療や介護の質を上げるということや無駄を削減するということで先進国では取り入れられているものです。
現行の日本の医療費に関してはレントゲンなど行った医療に関してだけ報酬を得る出来高制度ですが、定められた報酬の中で何を行っても同じ報酬を支払う包括払い制度を取り入れることで無駄をなくすことができると言われています。
アウトカム評価とは
2016年の診療報酬改定でリハビリの現場で取り入れられることになっているものです。
アウトカムとはそもそも「結果・評価」と直訳されます。
リハビリの現場ではリハビリをすることで機能回復を図ることを目的としています。
そのため適切にリハビリが行われたかというのをはっきりとさせるためにアウトカム評価を取り入れることになったのです。
もし決められたリハビリを提供した中で一定の機能回復が認められなかった場合、今までは実施した分のリハビリに対する報酬が支払われていました。
しかしアウトカム評価を取り入れたことにより一定の機能回復をしなかった場合には最大1日9単位まで認められているものが1日6単位までしか認められなくなってしまうのです。
アウトカム評価が医療において担うこととは
このアウトカム評価が医療において担うことは何があるのでしょうか。
現行の医療費制度では出来高払いです。
またレントゲンなどの検査や高額な医療費を行っても公的な保険が大体の部分を補完してくれるため、医療費を気にせずに医療者側も患者側も医療を受けてしまうのです。
しかしこの方式のままでは医療費が増大し続けていきます。
現在の日本では高齢化社会が進み、医療費などの社会保障費が増大しています。
このまま高齢化が進行していくことを考えると社会保障費のひっ迫による影響も懸念されます。
そうしたことから行った医療が適切だったのかという評価をするアウトカム評価を取り入れていくことで無駄な医療費を削減することができるとされています。
まとめ
医療費に関しては自己負担が1割から3割になります。
そしてその自己負担以外の医療費は公費から支払われています。
また高額療養費制度もあり、国民がどのような医療を受けてもそれほど負担がないようにされています。
しかし高齢化が進み、社会保障費の負担が実際に大きくなっているのです。
そして今後も増え続けると予想されています。
そうした中、無駄な医療を削減しさらに今後も公的な医療保険を継続することができるようにするためにはこのアウトカム評価を用いた医療が必要になると言えます。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
関連記事
- 高齢化社会への対策とは?今、何をすべきなのか
今の日本は「少子高齢化社会」です。出生率が低下している中、高齢者の割合が著しく上昇しているので、2030年には、日本人口の3分の1が高齢者になると言われています。これを2030年問題というのです。当然
詳しくみる - 介護人材不足解消へ……コミュニケーションロボットの活用は介護現場をどう変えるか?
介護現場では人材不足が深刻です。介護施設の6割以上が人手不足を感じています。労働条件の緩和など介護現場では働きやすい環境作りに取り組んでいますが、人材不足の解消にはつながっていません。そこで介護者の代
詳しくみる - 体を温める冬の食事7選 冷えを解消するために
冬が近づくに連れて、温かいものが食べたくなりますよね?体を温めることは細胞を活性化させることに繋がるため、健康にも良いと言われています! (さらに…)
詳しくみる - 高齢者が冬に気をつけたいヒートショックとは?症状と予防方法
皆さんはヒートショックという症状を聞いたことがありますでしょうか。高齢者が自宅で死亡する事故の4分の1はこのヒートショックが原因だと言われています。 (さらに…)
詳しくみる - 歯の本数と睡眠に関係が!?健康のためには歯の健康を
「歯は健康の原点」なんて言われたりしますが、先日東北大学の発表で歯がない高齢者は短時間・長時間睡眠のリスクが高くなることが明らかになりました。 (さらに…)
詳しくみる
あなたにおすすめの介護施設
エリアから探す
全国の介護施設を検索することができます。都道府県を選択してください。