お屠蘇とおせち、その意味を【コラム】



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新年のご挨拶の後は、お屠蘇とおせち料理ですね。

私の小さかった頃には、朱塗りの屠蘇器と三つ重ねの盃が出てきたものです。

その頃はおじいちゃんもおばあちゃんもお兄ちゃんもいました。

家ではおじいちゃんが一番大きいので、次がおとうさん、次はお兄ちゃんで、

お母さんと私は小さなおちょこだったように思います。

少し疑問になって調べたら〝年少の者から年長の者への順に頂く”とありました。

今ではお酒に代わってしまったのですが

昔はお屠蘇を母と祖母が作っていたように思います。

「ねぇ~お母さんお正月のお屠蘇って今はしないの?」

「…」

「実はね。お母さんチョンボしちゃったのよ」

と話し出しました。

毎年年末だけに取り出す屠蘇器のセットでした。

一年に一度だけだから、最後にはきちんとしまうのです。

漆器類は湿気と高温には弱いのですが、大切に扱えばずっと何代にもわたって受け継げるものだとか。

ある年の正月道具の片付けの際、母は屠蘇器に熱湯をかけてしまったのだそうです!

一瞬の出来事で、朱塗りの屠蘇器は色が褪せてしまったそうです。

母は青ざめただひたすら謝罪したのだそうです。

その時、祖母の一言

「形あるものいつかは壊れます。物にも人にもそれぞれの価値と役割があるからこれで終了ということよ」

と、一言も責められなかったということです。

普段は厳しい姑だったと思っていたのに、この一言で母は祖母の崇拝者になったようです。

「お父さん、ほらお正月にお屠蘇飲むときに言ってた言葉覚えてる?」

「あぁ~あれか…〝「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし”だよ」

屠蘇とは

「屠」=「屠(ほふ)る」、

「蘇」=「病をもたらす鬼」という意味があり屠蘇で鬼退治を意味するのだそうです。

邪気払いをして無病長寿を祈りるという願いを込めたお正月の縁起の良いお酒です。

中身はというと「生薬を配合」しています。それをお酒やみりんに漬け込んだ薬酒です。

「お母さん、今年は私がお屠蘇作るよ!」

「あらそう、じゃあ薬局で買っといてね」

「えっ!薬局で何買うの?」

「屠蘇散よ。200円ぐらいで売ってるから」

とまあ「今年は私が…」と毎年年末に話をしているのですが、

お正月に行くといつも出来上がってますので、今年こそは!

それにしてもおばあちゃんの「一言」は心打つ話でした。

日本女性の凛とした強さと気高さを感じる、そんなお話で感動しました。









                     akikoのコラム



2017年1月3日 15:00