
高齢者の延命治療・・・これでいいの?
投稿日 2016/08/03
最終更新日 2016/08/03
そのため、医師などの医療職と思いが異なれば、希望していない延命処置をするケースもあるでしょう。
しかし、尊厳死のように自分の自分がはっきりと意思を伝えることができる時に不要な延命処置をしないということを伝えておくこともできます。
どちらが正解かというのはないのですが、救命できるのに高齢を理由に治療を暗にしないという医療者もいるようです。
治療をしても障害が残ると言われたら…
もし「治療をしても障害が残るかもしれない」と医師から言われた時にどう答えますか?もちろん自分なのか家族なのかでも考え方は変わってくるのですが、もしかしたら障害が残るのなら治療をしない、と考える人もいるのではないでしょうか。
また高齢者ががんと診断された場合に手術をすることでのリスクを説明し、暗に治療をしない方向へ話をする医師もいるかもしれません。医師も手術を行うことで何かあれば自分自身の経験に傷が付いてしまうことを避けたいと思うでしょう。
それらのことから、
もしかしたら高齢者の治療に関しての考え方の変化があるのかもしれません。
どんな状態でも関わりを持つことで自己肯定感が生まれる
病気やけがで今までと同じ生活ができなくなってしまったら生きているのがつらくなってしまうこともあるでしょう。例えばALSと呼ばれる筋肉が徐々に萎縮していき最終的には呼吸を司る筋肉の機能も低下し人工呼吸器がなければ呼吸できなくなってしまう病気があります。その病気の方たちは徐々に体が動かなくなっていく恐怖、呼吸ができなくなるかもしれない恐怖を持ちながらも仕事をするなど日常生活を送っています。
そのような人に対して医療者側など本人以外の考えで
「呼吸器を付けたら大変、介護をする人が大変」と呼吸器を装着するかどうかの選択をするというのは何か違うような気がします。
障害があっても人と関わる、介護を受ける中で「自分にもできる事がある」という自己肯定感を持つことができます。それは人の尊厳としてもとても大切なことであると言えます。
まとめ
人の命の長さを決めるのは人ではないような気がします。しかし一生懸命治療をして救命し、結果的に障害が残ったケースでは「なんで助けてしまったんだ」という思いを持つ家族もいるかもしれません。
逆に「治療をしないで自然に最期を迎えたい」と思っている高齢者に対して家族のエゴで長生きさせるための胃ろうをして、寝たきりのまま過ごすというのも何か違うような気がします。
自分自身がどのような最期を迎えたいのかなど命についての考えをはっきりと示しておくことでもし何かあった時に自分の望む形になるのかもしれません。とても難しい問題ですが、考えてみることも必要なのかもしれません。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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