
慢性硬膜下血腫は認知症に間違われやすい!その症状とは?
投稿日 2016/07/04
最終更新日 2016/07/04
認知症と違うのは手術などにより、脳を圧迫している血液を排出することで症状が消失することです。
高齢者は足腰の筋力が低下し、転倒することが増えます。そうすると知らないうちに硬膜下血腫になっていることもありますので注意が必要です。
慢性硬膜下血腫とは
慢性硬膜下血腫は転倒などで頭をぶつけた際の衝撃で頭の中の硬膜下で出血が起こる状態です。急性では出血量が多くなりますが、慢性の場合にはじわじわと出血していくためゆっくりと症状が出てきます。
症状としては物忘れがある、トイレに間に合わず失禁するなど認知症の初期でも起こりうる症状です。頭をぶつけた直後には症状が出ないのですが2~3週間くらいすると症状が出てきます。他にも麻痺が出ることもあります。
脳のどちらか一方で出血が生じている時は片麻痺・両側の場合には麻痺よりも物忘れなどの症状が目立つようです。もし転倒したというエピソードがある時にはこの慢性硬膜下血腫を疑います。
なぜ認知症と間違われてしまうのか?
認知症が多く発症するのは高齢者です。そしてこの慢性硬膜下血腫になりやすいのも高齢者とされています。症状も似ているため、転倒したというエピソードが伝わらずに物忘れなどの症状で受診した場合に認知症と間違われてしまうのです。
高齢者は加齢により脳の萎縮が少なからずあります。そのため頭をぶつけた時に血腫ができやすいとされています。
そして、慢性の場合はゆっくりと血液が溜まっていくため症状も徐々に表れてきます。そのため認知症と間違われやすいとされています。
まとめ
この慢性化硬膜下血腫はCTやMRIの検査をすることで認知症との判別が可能であり、手術をすることで症状が消失します。手術時間も短く、溜まっていた血液が排出されることで症状が消失し、今まで物忘れや失禁で悩んでいた人もその症状から解放されます。
高齢者は足腰の筋力が低下し転倒しやすい状態です。転倒しその時に受診をしても「大丈夫です」と言われてそのままにしておく人もいるでしょう。
しかし転倒してから2~3週間後に症状が出てくることがありますので、慢性硬膜下血腫を疑い、速やかに専門医を受診しましょう。手術自体も局所麻酔で行え、手術をすることで症状が消失するとされています。
もし高齢者が転倒し、その後に物忘れなどの症状が出た時はこの慢性硬膜下血腫を疑いましょう。
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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