
介護のデータを蓄積するシステム!統計学で事前に介護予防!
投稿日 2016/02/22
最終更新日 2016/02/21
過去と現在の介護状況
要介護者に体調の異変がみられた時、医師の診察を受けます。その際の報告として「最近血圧が高めで」「むくんでいるようです」などの患者の症状を聞き取りから医師は患者の状態を診察するのですが、「高め」や「ようです」では、あいまいで不明瞭な点も多く、医師には伝わりにくいこともあります。
システムの重要性
データを蓄積し分析することで、例えば血圧の変化を把握することができ、対処方法も見えてきます。「高め」というあいまいな表現ではなく、いつから上昇し始めたか、などを数値として、またグラフ化する事で把握しやすくなります。血圧だけに留まらず、水分摂取についても排泄量についても同様で、グラフ化すると数値だけで判断するより介護士にとても分かりやすく高齢者の状況判断に素早く対処出来ます。ということは、病気に対しても健康管理に対しても重症化してからの対応ではなく「予防」が可能となります。
必要なシステム開発
現在の介護現場では、デジタル化がかなり浸透していて、タブレット端末などを活用している施設も多くなっています。これも、私が以前勤務していた施設でのお話ですが、タブレット端末を導入していました。若い世代の介護師はわりと早く理解出来ましたが、高齢の介護士はなかなか使いこなせず、一度紙で記帳を行い後でタブレット端末に打ち込むという二度の手間をかけていました。また、内容も行った介護内容のみで、タブレット端末の利用は事務所での管理の為に使用し、利用者の健康管理の為までは至っていませんでした。
介護システムの効能
日々のバイタル値や排泄量等の管理をデータ化し、表などで表示することで、利用者本人に対して注意を促し、医師への連絡事項としても、家族との連絡にも重要な役割をしています。例えば「血圧上昇」に関しても、一時的であった場合などは気象の変化も関係します。しかし、数日続く場合は脳卒中などの危険も考えられます。このようにデータを使っての予防は、利用者本人にとってだけでなく介護する側にも分かりやすく、対処方法がわかりやすくなるでしょう。
まとめ
良い事尽くめのシステムのように思えますが、問題点もあります。このシステムを導入するにはもちろん費用がかかります。ソフトの導入から末端機器までとなると、費用は高額となり、事業所としては難しい問題です。また、費用の問題もありますが、このシステムを使う側、つまり介護士が打ち込んでいかなければデータが蓄積されず、ただでさえ忙しい職場ではかなりの作業となりかねません。ましてや高齢の介護士にとっては使い慣れない事が問題となるでしょう。しかし、日々の変化をデータとして見ることは、介護現場での利用者の把握が出来ますし、また環境整備へと繋がり、職員の意識向上へと繋がると思います。
参考元:THE PAGE
弊社担当者のご紹介
田中 晴基(介護施設スペシャリスト)

入社3年目の田中と申します。前職での介護経験を活かしお客様のご希望にマッチングした施設をご提案します。また介護のあらゆる問題をテーマにしたコラムも執筆し幅広く情報発信しています。
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