「ダブルケア」をご存知でしょうか。

ダブルケアとは、育児と介護を同時に行っている状態のことで、高齢者の介護とともに近年の晩婚化・晩産化を背景とした問題です。

「ダブルケアに関する調査2018」(ソニー生命調べ)によると、子どもを持つ50代女性でダブルケアを経験した人は41.1%。また、4.7%の人が、近い将来自分も直面する問題と考えているそうです。介護と子育ては、どちらか片方でも大変な労力を必要とします。それを両立するのは、精神的、肉体的負担だけではなく、経済的な負担も大きいでしょう。

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介護と子育ての両立

ダブルケアは、少子高齢化によりただでさえ大きな問題となっている介護に子育てが加わるのです。生活のために仕事を辞めるわけにもいかず、介護と子育ての両立が求められるダブルケアの壮絶さは、想像を絶するものがあります。

子育ては、大変ではあるものの子どもの成長という喜びがありますが、介護はいつまで続くのか終わりが見えません。また、介護の先に待っているのは大抵の場合親との別れです。ダブルケアの状態になり介護を続けていると、そういう不安や悩みがとても大きいのでしょう。自分の家族のことなので放り出すことも逃げることもできず、我慢を続けながら毎日を送らなければなりません。

しかし、ダブルケアで何よりも考えてほしいのが、子育てです。可能な限り子供との時間を作るために、介護サービスの利用などで負担を減らすことも考えてください。

ダブルケアと仕事

介護離職がニュースになるほどに、親の介護に専念しようと仕事を辞めてしまう人が問題となっています。つまり、仕事を続けながらではままならないほど、介護は大変なものということです。

確かに、ダブルケアであっても仕事を辞めればその分の負担は減り、時間と労力を介護と子育てに向けることはできるでしょう。しかし、当然ながら仕事を辞めればその分の収入は断たれます。その後、親の介護が終われば、仕事への復帰もできるかもしれません。しかし、介護が必要な年齢の親がいるということは、その時点でご本人の年齢も若くて40代くらいでしょうか。以前と同等の収入が得られる職に就ける可能性は、決して高いとはいえません。

親と同居している場合、多いのが在宅介護です。在宅介護に必要な費用は、年間でおよそ80万円といわれており、そこに交通費や生活に必要な諸経費を考慮に入れると、月々10万円ほどかかります。ダブルケアとなれば、子供が独り立ちするまでの養育費も必要です。ある試算によれば、子供の大学進学が重なれば年間360万円かかることもあるといいます。

こうして考えると、ダブルケアに追い詰められたとしても、仕事を辞めるのは得策とはいえません。しばらく持ちこたえることができたとしても、いずれ経済的に破綻してしまうことが予想されるからです。

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ダブケアにおける経済的な問題

何よりも、経済的に破綻しないよう、可能な限り貯蓄しておくようにしましょう。

親のお金も含め、1,000万〜1,500万円ほどあれば、ダブルケアに直面したとしても、当面は問題なく生活できるため、経済的な不安はかなり減るでしょう。また、経済的に不安がある場合、親が健康な間に民間の介護保険(終身介護保障保険)に加入してもらうのも一つの手です。

しかし、どれだけ準備していても、場合によっては金銭的に立ち行かなくなることもあるかもしれません。ダブルケアの状態で、どうしてもお金を借りる必要が出てきたら、奨学金を選んだほうが良いでしょう。奨学金の方が介護ローンよりも金利が低いので、返済のことを考えると奨学金の方が得策といえます。

子育てと介護 ダブルケアのこれから

ただでさえ大きな負担となる介護の問題。そこに子育てが加わるとダブルケアになります。

いざ自分がダブルケアに直面した時、生活が破綻しないよう、親が元気なうちに親や兄弟たちと話し合っておく必要があるでしょう。

介護が必要になった場合どうするか。親のお金をどのように使い、誰が介護をするかなど、親族間でよく話し合い共通認識を持っておきましょう。誰か一人が抱え込まないように、協力し合って問題を解決できる準備を整えることが求められます。また、いざという時、行政や介護の専門家の手を借りられるよう、地域包括支援センターなどの連絡先を調べておくと安心です。

ダブルケアは、介護と子育てという現在の日本が抱える2つの大きな問題が合わさった、リアルな問題です。

国は「介護離職ゼロ」に取り組んでいるものの、介護離職する人はまだまだ多い状態です。現実問題として、こうした対策を導入できるのは大企業だけであり、ほとんどの中小企業にそこまでの取り組みを求めるのは難しいでしょう。
ダブルケアの問題は、企業や個人の努力だけでは到底解決することはできません。

国の対応が待たれるとともに、社会全体での取り組みが必要なのではないでしょうか。

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